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【清明の養生】「気」とは?/「気」の巡り/のびのび過ごす/夏に向けて

自然界の清らかな陽気とはウラハラに、
意欲が出ない、やる気がない
といった
不調はありませんか?

4月は、晩春。
春分の日を境に陰気と陽気が交差し、
陰気が減り、陽気が増し、
自然界の気温は温かく安定してきます。

「清明」。
天地万物が清らかに、
はつらつとする
清々しい陽気になってきますが、

この時期に
五臓の「肝」がうまく働かないと、
意欲がない、やる気が出ない・・・といった
気分になりやすくなります。

養生のポイントをおさえて、
活力みなぎるこの季節を楽しみましょう!

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🌈「清明」の時期の薬膳について、
養生について、
もも子先生に伺います!

Q.前回の春分では、バランスをとることが大切というお話でしたが、なんだかまだ体がついていかないんです。

日々、忙しく過ごされているのではありませんか?

春に活発に働く「肝」は、
ゆったり
のんびり
とした状態が好き
なんですよ。

忙しいときこそ、伸びをして深呼吸してくださいね。

Q.晩春も引き続き「肝」を大切にするといいんですね。

そうですね。

気温の上昇とともに木々の芽も成長し、
自然界には陽気が満ち、
生きとし生きるものは活発に成長していく時期です。

自然界の変化にともない、
五臓の「肝」はまだまだ大忙し。

晩春も引き続き、
「肝」の養生につとめましょう。


特に「気」を巡らせること。

「気」が巡るということは、
体のなかで新陳代謝が促される
ということに
つながります。

「気」が巡っていないと、
鬱々としたり、イライラしたりと、
精神的な部分にも響いてくるんですよ。

なるべくゆったりした気持ちで
香りの良いものを取り入れて、
散歩や軽い運動などで体を動かし、
全身に「気」を巡らせましょう。

外に出て深呼吸して、
春の陽気を呼吸からも取り入れる
といいですよ。


また、この時期は特に、
お子さんがいらっしゃる方は、
お子さんを萎縮させる叱り方を
しないように注意してくださいね。

春はのびのびと発生し、
芽を伸ばす時期です。

特に春にお子さんを叱ると、
この「のびのび」が抑制されて、
やる気が出なくなってしまいます


お子さんの「肝」が傷つき、
夏の「臓」である「心」にも影響が出てきますよ。
(※「心」についてはこの記事の後半で解説します)

特に春は、叱るのでなく、
促す、導くことが大事な季節。

大声をあげたり、叩いたり、
人格を傷つける叱り方は
その子の成長の芽を積んでしまうと
考えられているんですよ。

ご自分の「肝」をいたわり、
イライラや鬱々を溜め込まないようにすることが
お子さんの「肝」も守ることにつながりそう
ですね😊

Q. 「気」を巡らせることが大切ということなのですが…
そもそも、「気」って何ですか?

「気」について、
今まで詳しく触れていませんでしたね。

「気」について解説する前に、まずは

体の細胞ひとつひとつは、
飲食と呼吸で取り入れたもので作られている


という考え方を、頭に入れておいてくださいね。

飲食と呼吸で取り入れ、
体を巡り、
体のすみずみまでを滋養して、
体を構成する、
生命活動を維持する物質は、3つ。

それが、「気・血・津液」です。


「気」は、元氣の「気」。
人間が活動するための生命の源、
エネルギーとも言えますよ。

「気」は、体内で滞りなく巡ることで、
「血」や「津液」を動かし、
栄養を補給したり、新陳代謝を促します。
滞ってしまうと、コリや痛み、
心のもやもや、イライラにつながります。

よく、「清流も、とどまれば濁流になる」などと
言われるでしょう?
絶えず流れ続けることが大切です。

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「気」の働きはほかにも、

体内を温めたり、

体の表面にバリアを張って、
外から侵入しようとする「外邪」を防いだり、

体内の臓器や液体を、
在るべきところに在るようにしたり。
(「気」が少ないと、
胃下垂などになりやすくなります)

体を動かし、健康に、清らかに、
よい状態に保つためのエネルギーそのもの、

それが「気」なのです。

Q.「肝」の働きを助けるために、食事をとるときに
意識したほうがよいことを教えてください。

「気」を巡らせることのほかには、

食事では、旬の野菜や魚介類で、
酢のものやサラダをいただくのも
おすすめですよ。

酸味は、「肝」の働きを促進します。

やる気や意欲がわかないときにも、
酸味のあるものや、
香りのよい柑橘類などで

「肝」の働きを助けましょう。

逆に、「肝」によくないのは…、
特に、アルコールや甘いもの
です。
とり過ぎないように注意しましょうね。

感情をコントロールするのも
「肝」の領域なので、
「肝」の養生はとても大切
です。

特に、イライラしやすかったり、
むやみに怒ったり、といった症状が強い場合は、
亢進した「肝」の働きを抑える漢方薬があるので
医師や薬局で相談して服用するのも一つの方法ですよ。

Q.最近「疲れやすいなぁ」と思うのですが、これも「肝」の影響ですか?


この時期は、
陰陽のバランスが入れ替わったばかりなので
体調を崩す方も多くいます。

特に疲れやすい方は、
「脾胃」が弱っているのかもしれませんね。

温かいものをとり、
消化吸収の良いものをとるように心がけてみましょう。
お粥やスープは、おすすめですよ。

また、この時期の
疲れがとれにくい方におすすめなのは、
春が旬の鯛
です。

のちほど、鯛のおいしいレシピを
紹介しますね。

胃は丈夫だけれど、イライラしやすい時によい
食材も紹介します。

Q.そういえば晩春というと、もうすぐ夏なんですね。

そうなんですよ!

五行相生相剋図を覚えていますか?
(監修者提供)

スクリーンショット 2021-03-17 16.41.23


「木」の赤い矢印が向かっている先は「火」ですね。

赤い矢印は、「相生関係」をあらわします。
「木」が相生するのは「火」で、
「火」の行に属する
五臓は「心」、季節は「夏」
です。

「心」は、
「こころ」ではなく「しん」
と読みます。
心臓など、循環器を司る「臓」ですよ。

「火」の行(夏)に近づく晩春の頃は
「心」の働きも旺盛になっていきます。

この時期から注意するのは、
高血圧。

心」が不調をきたすと、
めまい、不眠、疼痛などの症状が現れやすく
なります。

高血圧のある方は、特に水分をよくとりましょう。

血液がどろどろになる油脂の多いもの、
揚げ物、三枚肉、霜降り肉、
サラダ油を使用したドレッシングやマヨネーズ、
お酒などは控え、
甘い糖分の多いものも中性脂肪を増やすので控えましょう。

特に夜の食事にこういうものをとると、
睡眠中に血液ドロドロの汚い血が体を巡り、
「心」を巡り、血栓が生じやすくなってしまいます。

高血圧のある方は特に、
ない方ももちろん、
新鮮な野菜類、柑橘系の果物、
大根、せり、緑の野菜などを積極的にとりいれ、
塩は控えめにすること
を意識するのが
大切になってきますよ。


晩春のこの時期は、
春の「臓」である「肝」を大切に、
「脾胃」を養い
夏の「臓」である「心」の養生が始まることも
頭の片隅において

なるべくゆったり過ごしていきましょう!

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まとめ

晩春もひきつづき、「肝」の養生につとめる。
「気」を巡らせるため、ゆったり、のんびり。
軽めの運動が◯。

⭐「気」は、生命活動に必要なエネルギー。

⭐疲れやすい方は、脾胃が弱っているのかも。
お粥やスープなど、消化吸収のよいものを。

⭐夏に向かっていくことを意識し、
「心」の養生も意識していく。
特に高血圧のある方、気になる方は、
養生のポイントをおさえて過ごす。

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このあとは、有料です。

⭐「気」の巡りを促す食材

⭐疲れやすい、胃腸が弱い人におすすめの食材

⭐この時期におすすめのお料理2つ

をご紹介します。

お料理のレシピと合わせて、
おいしく便利な、甘酢生姜の作り方や、
ふきの処理の方法
もご紹介します。

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