ツールドフランス2016 ステージ10

休日明けのレースは様子見だったりしてレースがガツンと動くものではないだろうってのんびり見ていましたら、フレッシュに持ち直した足で勝負!!と大物たちが逃げの集団を作り、今年のツールは選手たちみんな攻撃的でいいなぁと思いました。

今日のステージは2400mを超える山脈を越えてからはかなり平坦でスピードが出そうなステージ。
とはいえ、最初にドーンとかまえる山脈が大きな壁だけに、ピュアスプリンターには厳しそうなだなぁと思っていたら、やはり現ポイント賞ジャージを着ているカヴェンディッシュやキッテルたちは遅れてしまった様子です。
さらにカヴに関しては山を超える時にグルペット(タイムアウトにならない程度にゆっくり走るために作る集団 wikipediaより)を作って走っていたようなのですけれど、そこでなにかアクシデントがあったのか、ちょっとご立腹な様子が映し出されたりしていました。

こうなるとピュアスプリンターというりは登れるスプリンターが有利だなと思っていたところ大物逃げ集団の中にサガンとマイケル・マシューズ、ボワッソンハーゲン(ノルウェーチャンピオン)あたりに分がありそうな感じです。
逃げている集団は大物とはいえ、総合ジャージに絡むような選手が入っていなかったので、総合ジャージを着ているフルームを含むメイン集団は休息日明けということもあり、けっこう平和な走りをしていたのに、途中でヴォクレールがまた集団のスピードを上げるべく先頭を走って鬼引きを始めたりして何がしたいんだ?と観戦する人たちに謎を振り撒いたりしていました。

ゴールへ近づいてきてからは15人もいた集団からルイ・コスタなどの登りに強いけれど平坦はすごく強いわけではないというような選手たちが脱落していき、残り7kmに至ってはサガン、マシューズ、ボワッソンハーゲン、ヴァンアーヴェルマート、インピー、サミュエル・デュムランの7人に絞られての熾烈な走りが展開されました。独走力がある選手たちだけに、うっかりアタックを決められたらゴールまでいっきにいかれると知っている選手たちのチェックの仕方が厳しくてなかなかアタックが決まりません。
とはいえゴール直前にある下りではテクニカルな走りでは他の追随を許さないサガンのものだろうと、ゆったり構えていたら、やはり下に差し掛かったところでサガンが逃げようとし、そこへチェックへ行ったボワッソンハーゲンが単独逃げに!とはいえさすが大物と呼ばれている選手たちだけあって、すぐに全員揃ってお互いを監視する走りとなりジワジワとした緊張感が見ている側にも伝わってきました。

もうここまでくると逃げの中でチームメイトを入れているオリカバイクエクスチェンジが有利か!?なんてところで、残り1kmのところでオリカのインピーがアタック。逃すわけにはいかないサガンたちも一気に動き、ここで足を使うことになり、足を使うことのなかった同じくオリカのマシューズがゴール直前でグンと踏み込んだ走りで余裕のゴールとなりました。
ロードレースはチーム戦。
そういったことを見せてくれた天晴れなゴールとなりました。
マシューズに続いてそれぞれの選手がゴールした後、足を使い切ったインピーがゴールする時に拳を高く上げたのもとても印象的でした。オリカは選手同士がとても仲良くて良いチームだなーと思うことが多いけれど、そういうところがチームの力で勝つと嬉しいものですね。

今日のステージ勝利者:マイケル・マシューズ/※OBE
マイヨ・ジョーヌ(総合):クリス・フルーム/※SKY
マイヨ・ヴェール(ポイント賞) :ペーター・サガン/※TNK
マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ(山岳賞) :ティボー・ピノ/※FDJ
マイヨ・ブラン(新人賞) :アダム・イエーツ/※OBE
ドサール・ルージュ(敢闘賞)ペーター・サガン/※TNK
※チーム名の省略表記です。
OBE→オリカバイクエクスチェンジ
SKY→チーム・スカイ
TNK→ティンコフ
FDJ→エフデジ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?