ツールドフランス2016 ステージ12

今日のステージは前代未聞!というよりも、ふざけんな!!
っていうひどいレースでした。

風が強いということでモン・ヴァントゥの山頂ゴールが見られないっていうのは甘んじて受け入れるけれど、ゴールまでのラスト1kmで観客が多すぎてカメラバイクがつまづき、そのバイクに衝突した総合を争っているリッチー・ポート、モレンマ、クリス・フルームは落車するだけでなく、フルームに関してはバイクが使い物にならず、途中までは持って走っていたものの、邪魔になって自転車を捨てて走り出すという珍事まで起こってしまい、見ているほうも度肝を抜かされるし、呆れてしまうし、悲しいし、とどうにもならない気持ちにさせられました。

山頂ゴールの時は道幅が狭くてチームサポートカーや※マビックカーがなかなか選手のそばにいられないのですよね……。
マビックカー>ニュートラルカー (neutral car) とは、自転車のロードレースにおいて、中立の立場で全ての競技者に等しくサービスを提供する自動車・オートバイのことである。wikipediaより

選手たち全員がゴールした後に出たリザルトでは、フルームは総合を争っていたライバル勢に引き離されてしまい、このままジャージを失ってしまうのか!?とヤキモキしていましたけれど、いつもはすぐに始まるマイヨジョーヌの表彰もなく、いったいどうなるんだろう?とレースを見守っている全員が考えていたんじゃないかと思います。
あんなひどいアクシデントが起こったのに救済処置がないなんてありえないだろう?というものと、もし救済処置をするならどんなものにするんだろう?っていうものでしたが、かなり長い時間待たされた後に出たリザルトが無事にフルームと一緒に落車した時にバイクにそれほど異常もなく走ることができたモレンマと同タイムゴールとして扱ってもらえることになり、フルームはマイヨジョーヌをキープすることができました!
ホッとしたけれど、もう二度とあんなことは起きて欲しくないし、運営側はなにかしらの対策を講じて欲しいです。

(フルームは転んだ後、後ろから来たバイクにディレイラーを壊されちゃったんだって)

と、マイヨジョーヌの行方があまりに強烈で勝利が霞んでしまった感がありましたが、今日はトーマス・デヘントがすごかったんですよ!!!彼の勝ちパターンである、逃げて逃げて逃げまくっての勝利をもぎ取るスタイルが炸裂し、最後の登りに差し掛かった時は一度落ちかけたというのに、すぐに足の調子を取り戻し、途中まで一緒に逃げていたナバーロとパウエルスが追いついてからは協調して登り続け、最後の最後でゴールまでペダルを回し続けて計画通りの勝利をゲット!そのうえ超級山岳ゴールの山岳ポイント50ポイントだったので山岳賞のランキングをも駆け上り、ティボー・ピノからジャージを奪い取ってしまうという快挙となりました!
しかもそれだけじゃないんですよ。今日の大逃げがレースに貢献したということで敢闘賞も取得して、1日の勝利で3つの賞を取る総舐めなステージとなりました。デヘントにとって、今日は史上最高の日だったんじゃないかしら。
とはいえ、表彰式の時は総合ジャッジで大揉めに揉めていたので、いまいち彼の表情も暗く、喜んで良いのか分からないという複雑な表情で可哀想でした。
デヘントは力づくで正当な評価で表彰台の上にいるのに、なんとも嫌な表彰式。
こんなことは二度と起こらないで欲しいものですね。

明日以降はこんなモヤモヤのないレースになるといいなと思います。

今日のステージ勝利者:トーマス・デヘント/※LTS
マイヨ・ジョーヌ(総合):クリス・フルーム/※SKY
マイヨ・ヴェール(ポイント賞) :ペーター・サガン/※TNK
マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ(山岳賞) :トーマス・デヘント/※LTS
マイヨ・ブラン(新人賞) :アダム・イエーツ/※OBE
ドサール・ルージュ(敢闘賞)トーマス・デヘント/※LTS
※チーム名の省略表記です。
LTS→ロット・ソウダル
SKY→チーム・スカイ
TNK→ティンコフ
OBE→オリカ・バイクエクスチェンジ

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