ツールドフランス2016 ステージ6

今日は逃げが決まりやすいアップダウンの多いステージということで、日本人でツールに6回目の出場を果たしている新城幸也(アラシロユキヤ)選手向きなコースだなぁって思っていたら、「アクチュアルスタートを切った瞬間に飛び出して、(ここのところツールが始まってから毎日誰かしら逃げを出している)BOAのヤン・バルタと共に逃避行を開始!!」なんていうことをライブ映像が届く前からJSPORTSのキャスターがいうものですから、いつもはなんとなくぼんやりと見ている昨日のハイライトなども「今日はそれいいから、さっさとライブ映像流して!」って思うくらいのっけから興奮してしまいました。

190km超えの山を含むコース。とはいえど、ラスト30kmくらいはド平坦になるからスプリンター向きのステージでもあるし、山でどこまで引き離すことができるかで逃げ切れるかの分かれ道だな、なんてことを思いながら観戦していたのですけれど……。

2人だけの逃げなので、効率良く協調して走らないと集団に追いつかれてしまうというのに、なぜか会話もない逃避行を続け、協調するような感じもなく、山岳ポイントやスプリントポイントでバルタが駆け抜けていってしまうという変わったものだったせいか、残り30kmを切ったところで、またもや集団をコントロールする男ことヴォクレールが集団の先陣をきり、猛然と2人を追い始め、ゴールまで21kmを残すところで彼らを捕まえてしまいました。
協調していたらもう少し逃げられたのかなーとも思うけれど、ツールの後半になればなるほどスプリンターの見せ場はなくなっていくので、今日みたいなステージは絶対に取りにくるだろうから、どちらにしても逃してはくれなかっただろうなって思ったりもしました。
それにしても、ヴォクレールは新城のツール初出場の時から前回の出場まで同じチームメイトだったというのに、追いかけてくる時は容赦がないなぁと感じてしまいました。昔のチームメイトとはいえ、やはりレースをしている時は敵同士なので当たり前といえば当たり前だし、そこで手を抜かないことも信頼の証なのかもしれないですね。

逃げを飲み込んだ後のレースはそれはもうすごいスピードで進んでいき、スプリントで魅せたいチームは隊列をガチッと組み、いつエースを発射するかとタイミングを見計らっているかのようで、チーム先頭を引いているアシストの選手が1人下がり、2人下がりとしていくなか、だんだん自分の思い描くライン取りのためのポジション争いをするエースたち。
キッテル、グライペル、サガン、カヴェンディッシュと今日のステージを狙う強豪勢が横並びになり、いつ発射するんだろうと見守っていたところサガンが脱落しその隙間を縫ってダニエル・マクレイが上がっていき、昨日は惜しかったコカールも目立つところまで来たぞ!?というところで圧倒的なスプリント力を見せる弾丸カヴェンディッシュが少し早めに駆け始めていたキッテルを下し、見事なゴール!!!!
キッテルも大きな体を左右に振っての本気スプリントでしたが、頭を低い位置に固定して空気を切り裂くように進んでくるカヴェンディッシュには敵わないようでした。

今日もド迫力のスプリント!中盤までの新城の逃げもあり本当に面白いステージでした。
新城選手、先日の落車で指を痛めていたそうなのですが、それでもガッツのある走りをするんだなーって思っていたら、なんと敢闘賞をもぎ取ってくれました☆
4年前も敢闘賞を取って表彰台に乗ったことがあるのですけれど、あの時はまだ少しぎこちなさがあったけれど、今回はかなり余裕がありステージから花束を客席に投げたり、とてもリラックスした様子が伝わってきて、これはまだ何かやってくれそうだなと予感するものがありました。

明日からはツールのステージもピレネー山脈に入ります。
いよいよ勝負どころの舞台も見えてきたという感じですよ。
明日もどんな選手が魅せてくれるのか、とても楽しみです。

今日のステージ勝利者:マーク・カヴェンディッシュ/※DDD
マイヨ・ジョーヌ(総合):フレフ・ヴァンアーヴェルマート/※BMC
マイヨ・ヴェール(ポイント賞) :マーク・カヴェンディッシュ/※DDD
マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ(山岳賞) :トーマス・デヘント/※LTS
マイヨ・ブラン(新人賞) :ジュリアン・アラフィリップ/※EQS
ドサール・ルージュ(敢闘賞)新城幸也/※LAM
※チーム名の省略表記です。
DDD→ディメンションデータ
BMC→ビーエムシー・レーシングチーム
LTS→ロット・ソウダル
EQS→エティックス・クイックステップ
LAM→ランプレ・メリダ

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