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バイクでツーリング 〜前編〜

朝6時。なぜか海にいる私。

「夜明け前に、海で釣りたい。」
「5時に目的地に着きたいね。」
と、昨晩、息子と父が言い出しました。

「じゃあ、私は夜明け頃に出発するね!」
と言ったのに、なぜ今、海にいるの?

「駐車場が6時に開くから、それまで車を駐車場入り口に停めておくから、6時になったら車動かして!!」

「えっ?その理由だけで、暗闇の中、高速道路を走るの?バイクで?」

週末、タイヤの慣らしがしたい私は、峠道をバイクで走りたかったのです。

息子と夫は、釣りがしたい。

両方の折衷案で、釣りができて、峠道もあるところに、車とバイクで行くことになりました。

問題は、出発時間。
釣りは日の出前後が一番釣れる(日の入り前後も)ので、日の出前には現地に着きたいらしい。

よくわかります。それは。。。

だから、別行動で後から出て、朝焼けの中、走ろうと思ってました。駐車場の問題がなければ。。。

という経緯で、朝6時に海を見ている状態になり、このnoteを書き始めました。


朝3時。アラームが鳴りました。
普段、アラームはかけないので、違和感がありつつ、起床。

「3時まで起きてていいかな?」と言っていた娘は、なんと、リビングで寝ています。半袖パジャマで掛け布団もなく…寒くないのかな?

夫と息子は着々と準備する中、問題は娘。いつも起きません。だから、起きていると言っていたのに、結局寝てるし。

なんだかんだの攻防で、ようやく娘が動き出し、出発したのは4時前でした。それでも、外は真っ暗です。

私は、ETCカードが無いので別の入り口から高速に乗ると話しておいたのに、出がけに同じインターから入るという夫。

「道案内してもらえるからいっか」
その後、その判断をずーっと後悔する羽目になりました…


一般道を走る夫は、レース中よりキレている。。

前にnoteに書いたことがあるので、記憶のある方もいるかもしれませんが、娘の寝起きの悪さで出遅れた夫は、いつも以上に飛ばして走り始めました。

「ちょっと、待って!まだ高速に乗ってないのに、6速7,000回転いっちゃった!!」

スピードメーターは、時速100km。
まだ、高速手前のバイパスです。

じわじわ置いていかれる中、必死についていくしかありません。

「やっぱ、別で走ればよかった…」

そういえば、夫は高速道路はいつも120km/h巡航でした。忘れてました。

せっかく、インカムを買ってくれたのに、メットの中にイヤホンとマイクをつけたら、閉塞感でパニックになり、外してしまった私。

だから、「もうこれ以上スピード出せない!!」と言えません。

ついていくしかないのかな?

高速の入り口に来て、ETCじゃないから一端停まって券を取りました。

夫はETCなので、ノンストップで通過しました。

「これで、別行動になるかも」

走り始めてしばらくすると、前方の左車線に見慣れたテールライトが。。。

わざわざスピードを落として待ってくれています。

「これは、ついて行くしかない!!」と覚悟を決めました。


時速100kmでは、じりじり置いていかれます。バイクは慣らし中で、「走行距離500kmまでは7,000回転で走ると良いですよ」と、バイク屋さんからアドバイスをもらっていました。

そもそも、3日前に初めて7,000回転に何度か入れたばかりです。

ずーっと7,000回転巡航なんて、慣らし中のエンジンに良いとは思えません。

が、遅れると、日の出に間に合わない。。。

じりじり離れるとスピードが落ちると思い、夫の車の速度に合わせて、少しずつスピードを上げていきました。

時速105km。。。
時速110km。。。。
時速117km???

回転数は7,500から一時8,000回転近くに!!

「わー!!バイクさん、ごめんなさい!」
「慣らし中にこんなことして、ホントにごめんなさいー!!!」


右車線に入った時は、少しでもエンジンの負担を減らしたくて、なるべく体に風を受けないように、できるだけ前傾姿勢を取り、加速!!

あまりに力を入れてまたがっていたら、足がガタガタ震えてきました。

足の震えが止まりません。
足に力も入りません。

「これで停まったら、立てなくて転ぶな…」

とりあえず、体の力を抜き、ステップの踏む位置をつま先から土踏まずにして、足の震えが止まるよう、体勢を整えながら、でも、アクセルは戻さずキープして、後を追いかけました。


いつまで経っても、空は白んできません。

「いつもだったら、富士山が見えるのに」
「ここは、本当は紅葉がきれいなんだけどな」

とにかく真っ暗で、景色も楽しめない。
ツーリングには何度も行ったけど、そういえば、こんなに朝早くバイクで出発したことはありません。人生初でした。

当たり前です。せいぜい、朝焼けを楽しむくらいの時間からしか、出発なんてしないですから。


路面が濡れているのも気になります。路面の白線がすべりそう。車線変更のたびに、緊張が走ります。

しばらく走るうちに、視界がだんだん悪くなってきました。

もしかして、霧?

あっという間に、すぐ前の夫の車が見えにくくなりました。離れると、もうダメです!

車に乗っていて、何も見えない霧の中を体験したことはありますが、(あまりに何も見えなくて、助手席の窓から下をのぞいて、道路の白線を見ながらナビをして走った経験あり。あれが一番怖かった…)バイクは初めてでした。《怖さ》しかない。。。

結局、前の車が見えるくらいしか白くならなかったから、諦めずに夫の車の後をついて走ることにして、とにかく走る。スピードがあまり落ちない。もう、どうでもいいや!!


そんなこんなで、霧を抜け、ようやく一段落したと思ったら、なんと!ガソリンのメーターがあと1目盛りしか無くなっていました。

一難去って、また一難。。。

あれ?確か、最後ランプがつくって言ってたよね。ついてから40〜50km走るって、バイク屋さんが言っていたような。

まだ、ランプはついていません。(ちなみに、メーターのどこに、何色のランプがつくのか、知りません。。。)

落ち着こう。
つまり、50kmは走るということでしょう。

ちょうど、降りるインターまで『あと15分』の表示が奇跡的に見えました。

15分ということは、1時間の4分の1。
(ピザでイメージするとよくわかる)
高速道路は、法定速度80km。
80kmの4分の1は、20km。
つまり、インターまで20kmということ。

ランプがついてから40〜50km走る。
ということは、一般道まで走れるから、ガソリンスタンドまでもつ。おそらく…

というわけで、高速道路上で立ち往生にはならないはずという見立てで、諦めて夫の車の後を追いました。

というわけで、ここまでで前編とします。
無事に帰れることやら???

今、まだ海の前です。






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