見出し画像

バイクツーリング 群馬 榛名 その2


今日の上着は昔、買ったもの。

撥水程度の防水効果があり
風と寒さをしのいでくれる
ウィンタージャケット。


当時は裾がゴムで締まるタイプが多い中
珍しく絞っていない形と長めの丈が
気に入っていた。

この前、防寒パンツを買った時に
今の洋服事情はなんとなくわかったので
この形ならそんなに古めかしくないかなと
思っていた。


そうは言っても20年以上経つジャケット。
色褪せているのが少し気になる。

普段着ない赤ベースの上着は
バイクの色によく合っていた。


ファスナーを覆う布地がついてたり
首元の襟が二重になっていたり
手首はゴム+マジックテープで止めたり
たくさんのポケットがついていたり

ライジャケ(ライディングジャケット)らしい
装備はきっと今も変わらない。

防水効果が落ちていることくらいかな。


もう着ることはなかったかもしれない
冬用のライジャケを着ることができた。

そのことを嬉しく思いながら
古めかしくないかな?と
周りから見える自分を少しイメージした。




信号で停まる。
前にいるバスを路肩から抜いた。

地面に足をつく時に
防寒パンツの裾がステップに引っかからないか
気になる。

気をつけて足をついてみる。
大丈夫そうだ。



前を向いた。

視界の上空、空が青い。
目の前にはまっすぐの道。

車も人もいない。

信号が変わる。
アクセルを開けて走り出した。


身体の具合をみる。

腰の痛みはない。
思ったより動体視力の戻りが早い。

乗れば乗るほど
慣れて戻りが早くなるものなのかな。

スピードへの慣れも早い。
恐る恐るといった走り出しでもなく
スムーズにバイクの世界に身を置けている。


風は冷たいはず。
でも、防寒は万全。

寒さは頬と口元でしか感じない。

そう。
口元と頬に巻き込む風だけは
避けることができない。

ネックウォーマーを引き上げて
ヘルメットのベルトで押さえると
顎までは風を防ぐことができるが

口元まで覆うと
吐く息で濡れてくるので
あまり上までは引き上げない。

だから
風を感じられるのは
口元と頬。

冷たい空気を吸い込むと
冬が近づいていることと
朝早いことを身体中で感じる。

スピードは上げていないので
風はただ冷たく
刺すような痛みはない。



今日はグローブを2つ持ってきた。

朝晩は冷えるだろうから
冬用のグローブ。今、つけている。

これは
昔、職場で誕生日にもらったもの。

誰が言い出して
誰が選んでくれたのか
思い出しても不思議なプレゼント。

当時
冬用のグローブが欲しいと
独り言を言っていたんだろうか。

突然渡されたグローブに戸惑いながら
その頃はもう
ツーリングに行っていなかったので
ずっとしまっていたもの。


やっと使えるよ。


ほぼ新品の冬用グローブは
手に馴染んでいないほど新しい。

これも20年以上前のものだから
新品なのに古いんだけど。笑

破れてこないといいけどなぁ。


スキー用品でイメージしてほしい。

長く置いておいたグローブ。
表面がもろくなって
破れてきたことはないだろうか。

素材は同じ感じ。
皮ではない。

経年劣化していいはずなのに。
中にスポンジがついていて
握り心地が柔らかい。

なぜか時が止まっているかのような
不思議なグローブをつけながら
アクセルを開けて走る。


前に自転車で富士山を見に来た
川の堤防まで来た。


あの写真は河原の草と空がよかったな。


青い空と草の色合いが
とても良くて心に残った一枚。

今日は、色みが違う。

色あせた河原と青みが薄い空。
あの日とは違う景色。


川を渡りながら富士山を探した。


いた!


富士山を見て
「いってくるね。」と挨拶する。

富士山はいつだって
わたしを見守っててくれる。


今日も大丈夫。


勇気が湧いた。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?