五合目の空
朝、空気がひんやりする。秋晴れだ。
慌てて3階に上がる。
雪はかぶっていない富士山が
黒い肌を見せながらそこにいる。
日中、一生懸命
まちのために汗を流し
日が傾く頃、家にたどり着く。
夕方、窓越しに夕焼けを目にし
また慌てて3階に上がる。
橙から紫、藍色へと移りゆく空。
くっきり見える富士山。
五合目の空を思い出す。
桃色の雲海。
空に線を引いたような山の稜線。
細い筆で書いたような三日月。
東の空の藍色。西の空の橙。
夜、娘を習い事に送る。
空を見上げる。
星がまたたいている。
空気が澄んでいるのがわかる。
五合目からの帰り道。
電灯のない森に包まれた道路。
吸い込まれるような夜空と満天の星。
心はすぐに五合目に飛んでいく。
冬季通行止の日にちをネットで探した。
去年は11/10。
今年もその辺りだろうか。
通行止になる前にもう一度行く?
もう一度、あの夜空を見たい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?