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いち市民活動家で


まちづくりの任意団体に所属している。
今日はその団体の新聞発行日だった。

今回は近隣6小学校に配布することになり
紙面も子どもが読みやすい紙面で
タイトルにはルビをふり
小さな子でも読める工夫をした。

そして、いつもの3倍近く!
6,660部印刷して半分に折ることになった。


集まったのは3人。
皆、70〜80歳の男性だ。

なぜか自治会長さんが
ずっと参加してくれている。


自治会長さんに指示出しするわたしって…

とおかしくなりながら
ふせんに印刷部数を書く仕事をお願いする。


1人は印刷機のチェック。
原稿は昨日のうちに仕上げてある。

おもての印刷だけで1時間かかった。
裏面は部数ごとに止めながら
仕分けも兼ねて印刷していく。

こちらは1時間半かかった。


両面刷れた紙面を折っていく。
きょうび、折り機というものがある。

そこを通せば勝手に折ってくれる。
でも、いつも手折りしている。

折りながら話す時間が大切だと
感じているからだ。


そうは言っても今回の量は
笑ってしまうほどの枚数だ。

今日と日曜日、明日の部屋も予約して
とりあえずみんなで折り始める。


今回、わたしのえらいところは
初めて、折る人に2人声をかけたこと。

1人は一歳の子をおぶりながら来てくれた。
もう1人は小5の息子さんと一緒に。

みんなでワイワイと折る。
ちょうど祝日で業務が少ないからと
施設の職員さんまでが
折ってない紙面を取りに来てくれる。

12:30から折り始めて
総勢7人で(最後は2人になった)
17時に全て折れた!!

明日も日曜日も来なくてよくなった。

人の力ってホントにすごいなぁ。


15の自治会
20のお店
6つの小学校

これから手分けして届けに行く。

読んだ子どもたちは
まちづくりに興味を持ってくれるだろうか。

今年は子どもたちを交えて
まちづくりについて語り合う
こども会議を設けたいと
夢を語っている自治会長さんがいた。

そのきっかけになるような
興味を持った子が連絡してこないだろうか。


折り作業をしていた部屋に
私たちの団体が表彰された時の写真が
飾ってある。

「〇〇さん、この間亡くなったって。
 聞いてるか?」

と自治会長さんに言われた。


えっ?


驚いて首を横に振った。

知らない。聞いてない。


「いつですか?」

『今年の一月だ』


先月じゃないか…


「お通夜、終わってますよね」

当たり前のことを聞いてしまう。


今は誰もあの家にはいないはずだ。
お焼香もあげに行かれない。

呆然と写真を見つめる。


最後に会ったのはいつだろう。

たしか、去年の夏に作った
どくだみ茶を秋に届けたはずだ。

それとも、それは一昨年の記憶だろうか。


いつも笑顔で応援してくれていた方だった。

この新聞の発行を止めてしまおうと
悩んでいた時も

『この新聞でまちのことを知っているのよ』
と(続けるように)励ましてくださった。


もういない。もう…


写真の中にいるのは4人。
そのうち、2人いなくなってしまった。


わたしたちのまちは自治の力が強い。

自分のまちは自分で良くしようと
がんばって来られた方々が多い。

みなさん高齢なのに
まちのために尽くしていらっしゃる。


わたしにできることは何?


まちは自分たちで良くすることができる。
まちづくりは誰にだってできるんだ。

そのことを証明するために活動している。


福祉施設の職員募集チラシを見て
「ここで働こうかな」と言った時

そこの職員さんに

『あなたは、いち市民活動家でいてほしい』

と言われたことを思い出した。


市民活動家…


ネットで調べたら
こんなサイトに出会った。

ボランティア活動とも言う。
多分やっていることは同じだ。


わたしの趣味

ピアノ
バイク
ボランティア

3つ目の趣味はボランティア。
noteに書いたことはあまりない。


ボランティア活動が
わたしの時間を食っている。


いや。好きでやっているんだ。
食ってもらっているんだ。


やらされていると思いつつある自分を戒める。


「娘は初め何歳でしたか?」

『2〜3歳だったかなぁ』


ずっと一緒にやっている方に今日聞いてみた。
娘は今14歳。

12年前からずっと
新聞を発行し続けているということだ。


発行を止めて
活動を休止しようと思ったこともあった。


その時に励ましてくれた人がもういない。
楽しみに読んでくれていた人がもういない。


だからこそ

新聞を出し続けること
新しい世代の人に関わってもらい
まちづくりの気持ちを次につなげること

1人で抱えるのではなく
心を外に開いていかないといけないんだろう。


安らかにお眠りください。
これからもがんばりますね。


『笑顔を忘れないでね』

そう言って笑う声が聴こえた気がした。





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