昨日のツーリング
朝、5時半。
ひと月前は色づいてきてたのに、東の空はまだ薄暗い。
9/23に行った箱根ツーリングは、全10編の超大作になり、一昨日ようやく書き終えた。
ひと月かかった。
毎日続けて書けるボリュームじゃなかったので、間にちがうお話を挟みながら、がんばって書いた。
物書きとは、書きたい思いはもちろんあるけれど、届く先にいる人を思い浮かべて書いているんじゃないのかな… と思った。
日々、記憶は曖昧になっていく気がする。
そんな中、メモも取らずに頭の中の記憶だけで、ひと月前のツーリングのことを書き起こす。
なかなか大変な作業だと思う。
気持ちは徐々に落ち着いてきて、あの時の心跳ねる気持ちや泣きたくなるような気持ちは、遠く薄まってしまうんじゃないか。
そんな不安もよぎる。
でも、きっと楽しみに待ってくれている人がいる。
ツーリングでの、この気持ちの高まりが、次の誰かの心をうごめかす。
そんなワクワクを知ってしまったから…
もう一度頭の中で再生して、脳内ツーリングをする。
今はまだ、10/4に行った富士山ツーリングを書き起こしてないから、昨日のツーリングはひと月先になるかもしれない。
ひと月先・・・
手術が終わり、退院している頃にこのツーリングのことを書いているのかな。
術後の楽しみができたな。
そんなことを思いながら走っていた。
昨日はどこに行こうか悩んでいたけれど…
2回の遠出で、知らない道は道探しに夢中になって、風景も肌感覚も記憶に残らないことがわかったから、知ってるところにした。
知ってるところ。行きたいところ。
榛名に行きたい。
そう思った。
榛名には色んな思い出がある。
一番は、サーキットの思い出だ。
得意なコースがあったから。
ホームコースと言っていいと思う。
榛名モータースポーツランド
ここの1コーナーが好きだった。
このnoteは、このコーナーを走っている時を思い出して書いたもの。
このコースは改修されて、昔走っていた頃とは違うレイアウトになっている。
でも、1コーナーだけは…
変わっていない。おそらく。
奥の立ち上がりが少し形状を変えているかもしれないけど、入り口は同じ。同じだ。
昨日は、初め2階から見ていた。
(見学スペースがある)
2階から見たコース。
もう一つの見学スペースからも見てみた。
最後に、わたしの好きな1コーナー。
ここなら、互角に戦えた。
みんなと。
男子の中、女子たった1人でも。
特に、予選で。
いいタイムを出して良いポジションにつけた。
いつか、ベストレースの話も書いてみたい。
毎週のように通っていた榛名。
里帰りしたような気分だった。
従業員さんは、今も変わらずにいて…
オーナーさんに会いたくて聞いてみたら、「今日はお休みで。」と教えてくれた。
不思議だったのか、その後、向こうから声をかけてくれた。
(カートの日に、バイクに乗って見に来る女性は、あんまりいないんだろう)
「昔走ってたんです。」と特徴を話すと、「あぁ。○○から来てた…」って住んでるとこまで覚えててくれた。
無口な人だったのになぁ。
あの当時もほとんど話したことはなかった。
15年以上も前のことなのに…
よく覚えててくれたなぁ。
最後に来たのは、10年前。
家族で一度、走りに来た。
2歳の娘を夫がタンクに乗せて、一周したのはここ。
息子は「絶対乗らない!」って言い張ったのに、娘はケラケラ笑って楽しそうに乗っていた。
どちらかが、子どもを見てないとコース上に入ってしまいそうで…
短い走行時間をさらに半分に分けて、1人が子守をして、1人がサーキットを走った。
それが、最後ここを走った時のこと。
サーキット用のバイクはまだある。
NSRを残している。手放せない。
もう一度サーキットで走るとしたらここかな。
NSRで走るとしたら… ここなのかなぁ。
低速コーナーに変わってしまったコースを見つめながら、そんなことを考えていた。
榛名山には、何度行ったことだろう。
休憩中によく出かけた。
榛名モータースポーツランドは、基本的にカートコースで、バイクの走れる時間は少なかった。
水曜日は12〜13時と17〜18時。
その2時間のために毎週のように通っていた。
13〜17時の待ち時間。
よく、榛名山に行った。
特に、紅葉時期。
10月が最高だった。
去年の10月。
もうすぐ11月になっちゃうから、急いで…
そう思っていたら、事故に遭った。
昨日は、一年越しの悲願が叶ったわけだ。
いや。
ずっと来たかったから十年越しか・・・
榛名山までの道のりは、変わらない道、変わった道。さまざまだった。
そういえば、いつも平日に行っていたことを、道中何度も思い出した。
何台のバイクとすれ違ったことだろう。
ソロツーリングは、男子でも目立つんだなと思った。
何よりも…
空と空気が最高だった。
毎週通ってもなかなか見られなかった山々が、昨日はくっきりと見えていた。
空は、どこまでも透き通っていて…
青いキャンパスに白い絵の具で、筆で書かれたようないくつもの雲。
秋は、雲ですら透き通っていた。
今日行けたから。
今日、走りに来られたから。
だから、見ている。
この景色を。
この風景を。
何度思ったことだろう。
来てよかったと。
今日は曇っている。
あぁ。本当に…
"昨日"という日に行けてよかった。
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