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ある日の伊豆スカイライン #1


伊豆方面に
走りに行った帰りのこと。

帰りに伊豆スカイライン
(通称: 伊豆スカ)を通ることにした。

行きだと
路面が少し心配だったから。

帰りなら凍結の心配はないだろう。



国道135号線。
行きに、青い看板を見かけていた。


ここを曲がれば、伊豆スカだな。


亀石峠入り口を左折。
海沿いの道からT字で上っていく。

ずいぶんと広い道だ。
こんなに交通量多いのかな?



真っ直ぐな二車線道路を
上って行く。

そこには
数台の車が同じ方向を走っていた。


明るかった海沿いの道から一転
静かな幹線道路といった風情。

音が消えたような気がしたのは
波の音が聞こえなくなったから?

海風も止んだ気がする。


あたりは、とても静かだ。



直線が終わる。

車は前後に数台いたのに
気づくと、たった1人になっていた。

心なしか道も狭く感じる。


カーブが始まった。
工事をしていて、所々一車線になる。

工事の人も片付け始めるような時間。
陽がかげり始めた。


工事後の路面はとてもいい。
緩めのカーブが深く回り込んでいる。

楽しい。
が、その上り方が半端ない。

右に左に道は曲がりながら
遠い山の頂に向かっているような
急激な標高変化で上っていく。


家に帰ろうとしてるのに…
どこに向かっているんだろう。


太陽は高度を下げ
時々、山と山の隙間から
橙色の光を放ってくる。

木々の合間から
さっきまでいたはずの海辺の道が
視界の下の方に見える。


どこか遠くに連れていかれるような
そんな不安がふと心をよぎる。


こんな時間に
伊豆スカに向かう人なんていないんだ。


朝、ここを通っていたら
これから走ろうとする道を思い
ワクワクしていただろうに。


帰り道、夕暮れ時。

その時間とシチュエーションが
不安をより募らせているのか。


楽しみにしていたはずの
伊豆スカイラインに
不安と寂しさがないまぜになりながら
向かっている。


 ◇          ◇          ◇


この時の気持ちを
よく思い出すのです。

この上り道での心境。


さらっと短編で
書こうと思ったけど
少し続いてしまいそうです。

よかったら
しばし、お付き合いください。





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