普段からの備えで一番大事なこと
元日からの能登地方の大きな地震。衝撃でした。
なぜ元旦に?なぜこのタイミングで?
考えても答えの出ない疑問に頭がぐるぐるする中、自分に出来ることは?と少しばかりの募金をさせてもらいました。
報道から流れてくるのは、次々にわかる被害状況と、道路の寸断、孤立する集落、避難所までたどり着けない人たち、届かない支援。
被災した方が一番大変な思いをしているのはもちろんだけど、東北で起きた東日本大震災の時に東北出身の自分が被災地に行けないことにもんもんとした日々を送ったように、離れた場所にいる北陸出身の方々も眠れない日々を過ごしているのかもしれません。
一日も早い復興をお祈りいたします。
防災×片づけを発信しています
私は、片づけアドバイザーとして「防災×片づけ」という視点から日頃発信したり、講座を開かせていただいたりしています。
https://www.instagram.com/sachi_moff/
片づけられない、物がありすぎる、そんな多くの片づけ現場で
「今大地震が来たらこの荷物の下敷きになって助からないな!」
と感じることがままあります。そしてたいがいのお宅で押し入れの奥や納戸の奥から出てくるのが、昔買って忘れ去られていたであろう、防災セットや非常食の数々。
何か災害があるたびに「備蓄しなきゃ、備えなきゃ」と思い大量に買い込む。でも買ったことで安心してしまい、最初は見えるところに置いておいた備蓄の数々もいつの間にか押し入れの奥の奥にしまい込まれ、気が付くと賞味期限切れや使用不可の物が大量に出てくる。ある高齢者のお客様のお宅には、もう死ぬまで使いきれんやろ!ってくらいのトイレットペーパーが積み重ねてありました。
災害への備えは大事!でもそれで自分のスペースや日々の暮らしが圧迫されてしまうのはどうなんだ。自分の家に、家族に必要な物を適正な量でわかりやすい場所に収納するスキルが必要なんじゃないか?
そう考え防災の勉強を始めて、防災備蓄に何が必要か?どう収納するか?を皆さんにお伝えし考えていただくきっかけになればいいなと活動しています。
災害時に一番大切なこと
それはまず「自分の命を守ること」
死んでしまったら何もできません。どんなに備えていても何の役にもたちません。たとえ身一つで逃げることになったとしても自分が助かる行動を優先してください。
小さなお子さんやペットがいると、どうしても弱いものを守らなきゃと優先してしまいがちです。でも大人の自分が助からなければ、結果子どももペットも共倒れの可能性は高いのです。自分の命があってこそ他の命を助ける行動も出来るのです。まずはあなた自身が助かってください。
命が助かってこそ、次のフェーズにも行けると言うもの。そしてその次のフェーズで大事になってくるのが日頃からの備えです。
仮に避難所に避難することになっても、緊急持ち出し袋を持ち出すことが出来れば少し安心です。自宅が無事で在宅避難となった時に備蓄があれば、しばらくは何とか暮らしていけます。それには日頃からの準備が大切になってきます。
ここで言う備蓄は特別なものでなくても大丈夫です。食料品で言えば、もちろん長期保存の非常食を準備しておくのも良いのですが、出来れば日頃食べなれた味のもの、自分や家族が好きなもの、食べ方や調理法が簡単なものを準備するのがおススメです。それには必ず普段から食べてみること。非常食は普段食べないじゃないですか?なのでいざという時に口に合わない、食べられない、なんてこともありがちです。非常時でもある災害時に大切なのは出来るだけ普段と変わらないこと。いつもと同じ味の物があるということが心の安定につながるのです。
備蓄のことを話し出すといくらでも長くなってしまうのでこの辺にしておきますね。
今回の地震で感じたもう一つの大切なこと
今回地震の起きた能登半島の、特に奥能登と言われる地方はどちらかと言えば地方の田舎町。だからこそ、道路が寸断され支援が届きにくい状況でも住民の皆さんが力を合わせて頑張れているんじゃないかと思うことが2つあります。
1つは不便な田舎だからこそ普段からの備蓄が出来ていたこと。防災備蓄が出来ていたということではなく、買い物が不便な所なら普段から少し多めに買い物をしていたとか、保存食を自宅で作るのが当たり前とか、冬のこの時期にはどうかわからないけど自分ちの畑で採れた野菜があったりとか、山の水や湧き水の場所を知っていたりとか、普段の暮らしが備えに直結していることです。
もう1つはご近所付き合いがちゃんとあること。お隣さんが誰でどんな人なのかをお互いが知っている、何か困ったことがあれば助け合うということが普段の暮らしの中で出来ていることです。
歩いて5分のところにスーパーやコンビニがある都市部に住んでいれば、なんでも無くなったらその時に買いに行けばいいや、と思ってしまいがちです。また都会になればなるほど、近所付き合いが希薄で隣にどんな人が住んでいるかも知らないことも多いでしょう。でも、いざという時にあなたを助けてくれるのは備えておいた食料かもしれません。助けてと声を上げた時に見つけてくれるのはご近所さんかもしれません。
地方にこそ残っている日本の昔ながらの暮らし=日常と非常時を分けないフェーズフリーな暮らし、なのではないかと思うのです。
大きな災害が起きた時、多くの人は「大変!防災のこと考えなきゃ!」と思います。でも日常が続くとその意識は薄れ、平和な日々が続けばいつの間にか忘れ去られてしまいます。だからこそ、その時だけ「!」と思うのではなく、普段の暮らしの中で意識せずに備えが出来ている状態を持続していけることがとても大事になってくるのです。
防災の基本は、自助→共助→公助 と言われています。
まずは自分が助かるのが最優先、その後余力があれば周りを見回して困っている人を助ける。最後に公的な支援で助けてもらう。
自宅の備えは自分と家族を守るために、そして自分を中心に両隣の家とお向かいさんの3件と仲良くしておく、平時の何もないときにこそやっておける大事な防災です。
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