スーパー食堂烈伝#5
炭水化物の大行進
スーパー食堂烈伝、第5回の今回は吉岡町にある「かね八」を紹介したい。
年配のご夫婦で営まれるこちら、なんと言ってもランチ定食のメンバーがすごい。
ご飯、メインのおかず、お味噌汁に香の物。加えて小鉢がつく。その小鉢というのがマカロニサラダと冷たいうどんなのだ。
ご飯とマカロニサラダとうどん。
炭水化物のオンパレードである。
しかしこのマカロニサラダが美味い。
控えめマヨネーズにごま油が効いており、いくらでも食べられそう。
日替りもいいけれど
さて、そんなかね八の炭水化物定食を気軽に楽しむなら日替りランチがいい。
焼き魚or揚げ物で選べる。
焼き魚はホッケかサバ、揚げ物はチキンカツ、メンチカツ、イカフライが主なローテーションメンバーだ。
イカフライをこんなに美味しいと思ったのは初めてだった。
だが、かね八にはぜひ食べていただきたいメニューがある。
肉だ。
スタミナ焼き、しょうが焼き、バター焼きの3種類から選べる。
少し厚めに切られたロース肉が、僕の中のわんぱく少年を踊らせる。
厚いだけではない。
とにかく火入れが絶妙なのだ。
まさに口の中で肉が弾む。ぶりんっ、と音が聞こえてくるような、歯切れのいい弾力。
この日、僕はバター焼き定食をいただいた。
バターと肉の脂、双方のコクが合わさり口の中でとろける。
そして、それらを吸ったキャベツの千切りもまた主役級の輝きを放つ。
しんなりとシャキシャキの狭間。ご飯にワンバンさせたっていい。
そろそろ口の中が脂っぽくなってくる頃だ。
ここで小鉢の冷たいうどんを啜る。
薬味のネギも相まってさっぱりする。
そうしてまたコクの海へ。
どうだろうか。完璧ではないだろうか。
フライや肉の定食にはキャベツの千切りが大盛りで出てくる。
ドレッシングはないので、必要なら卓上のソースや醤油をかけて食べることになるだろう。
「ドレッシングがなきゃ野菜食えないよ〜」という軟弱者にはおすすめしない。
阿吽の呼吸
最初に言ったとおり、年配のご夫婦で営まれるかね八。
どのくらいやっているかはわからないが、ご夫婦の流れるような連携に惚れ惚れする。
調理担当の寡黙な旦那さん、その補助とホール業務を1人で熟す奥さん。
営業中、オーダーを通す以外の会話はほとんど聞いたことがない。しかし、お互いに次に何をやってほしいか分かり合っているように見える。
訪れた際には、ぜひカウンター席からお2人の素晴らしい連携をご覧いただきたい。
さらに
さらに、ランチタイムでは食後にコーヒーもいただける。
炭水化物でお腹いっぱいになったところにコーヒーを流し込み、一息つく。
さっと食べてさっと帰るのが定食屋のマナーだと心得てはいるが、なんだかそのまま長居してて座敷席で寝ていきたい、そんな気持ちになる温かいお店。
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