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スーパー食堂烈伝#7
普通盛りで
スーパー食堂烈伝、7回目の今回はみなかみ町にある「あしま園」を紹介したい。
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温泉街からみなかみのさらに奥の方へと向かう道の途中にあるお店で、近くにはいい雰囲気のカフェもいくつかある。
オープン時間を少し過ぎたころ、ドアが開いた。
入って右側、山と川が見える席に座った。そこまで綺麗に見られるかと言えば、そういうわけではないが窓が開いていて気持ちいい風が入ってくる。
広々とした店内には10卓ちょっとのテーブル席とカウンター席が少し。
定食はもちろん、丼ものやカレー、ラーメンなどたくさんのメニューがある。
また、こちらはデカ盛りでも有名だそうで、とんでもない量が出てくるらしい。
その証拠にメニューの下の方には大盛り希望者への注意書きがしてある。残したら倍の料金だとか、初めての人は大盛りはダメだとか。
口うるさい店だと感じる人もいるだろうが、こういう事を書かなくてはならない状況にしたのは面白半分でデカ盛りを頼んでは残す、一部の消費者の責任でもあるだろうと僕は思う。
話が逸れた。この日はカツカレーが食べたかった。もう家を出る時からカツカレーの口だった。カレーでもカツでもなく、カツカレー。
なのでもちろんそれを注文した。普通盛りで。
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あれ、これ普通盛りですよね?と聞きたくなるような量が運ばれてきた。後ろの席のお兄さんが「ご飯少なめで」と言っていた意味が理解できた。
ホールスタッフのおばあちゃんがトレンチを使わずに提供してくれるのだが、なるほどこれだけ盛ってあるとそっちの方がカレーを溢す可能性は低そうだ。
申し訳程度に添えられたキャベツが愛らしい。
デミグラスの効いたカレーと、さっくり感の残るカツ。堪らない。辛さは控えめで、どんどん食べられる。水を飲む、山からの風を感じる、カレーを口に運ぶ。スプーンを持つ手は止まらない。これだけの量なのにあっという間に完食してしまった。
当方、胃袋のキャパには少しの自信があるが普通盛りでも腹一杯である。飲み物の他はもうソフトクリームぐらいしか入らなそうだ。
飲みたいよ
あと2口3口で食べきれるかな、というタイミングでおばあちゃんがアイスコーヒーを持ってきてくれる。外の看板に「コーヒーも飲みたいよ」と書いてあるとおり、サービスコーヒーがつくようだ。見事な伏線回収。
「ちょっと早くてごめんなさいね、食後のコーヒーです」と言ってくれたが、そんなことはない。ベストタイミングである。
火照った体にアイスコーヒーがきゅうっと染み渡っていく。
食堂で食後に出てくるコーヒーって、なんであんなに美味しいのだろう。それがアイスコーヒーだとなおさら美味い気がする。
ペットボトルや紙パックではないけど、1杯ずつドリップしてるわけでもなくてコーヒーメーカーで1度に大量に落とすタイプ。豆もきっと業務用かなんかのやつだと思う。見てないからわからないけど。
それでも、コーヒー専門店とはまた別の美味しさを感じられる。
家庭的な食堂の味、雰囲気と背伸びしないコーヒーの味がマッチするのだろうか。このお店でスペシャルティーコーヒーが出てきたら、それはなんか違う気がするもんな。
次回は特製オムカレーかバラ肉ライスを食べたい。もちろん普通盛りで。
思いがけず大食いをしてしまいかいた汗を温泉で流して帰ることとする。帰り道ソフトクリーム屋さんがあったら最高だな。見つけたら絶対寄ろう。
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