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シングルマザーのクッキー屋の話【ほぼ日とわたしたちのこと①】

クッキー屋と直接関係ないしなーと迷ったのだけど、書いているうちにやっぱり切っては切れないと思ったので、ほぼ日(ほぼ日刊イトイ新聞)とわたしとあーちんのことを書いておこうと思う。

今や、あーちんはほぼ日での連載歴3年半(くまおたべびと)だけれど、もともとはわたしもあーちんもただの読者だった。

ただの読者だった2011年3月、退社まであと半年という時期に、東日本大震災が起こった。

地球にビンタされたわたしたちは、優先順位のオバケに取り憑かれ、自分の人生で何が大事なのか、仕事とは何か、生きている時間をどう使えばいいのか、正直パニック状態だった。

他人との考え方の違いも明確になり(わたしの場合は当時の会社の社長や社員たちだった)、お互いに尊重しようと努力するけれども、自分のアンテナを守ることに精一杯で、仕事とはいえ、思っていないこと、意思とちがうことをしなければいけないことがとても辛かった。

そんな中、ほぼ日のページの中で糸井さんが言い続けていた「じぶんのリーダーは、じぶんです」という言葉に、どれだけ助けられたことか。
自分で判断することの勇気を与えつつ、こんな考え方はどうかなと明るい方を見せてくれる、ボスはこの人だついていきますと思った。
ほぼ日の乗組員の方たちの働きぶりと気配りに、どれだけ力をもらったことか。
働いてていいんだ、自分の役に立たなさを仕事のせいにしてはいけないんだと思わせてくれた。

それからわたしは毎日、心はほぼ日の社員として、ほぼ日だったらどんな判断をするだろう、と、いま思えば依存に近いけど、はっきりと指針にしていた。

心はほぼ日の社員だったので、実際にほぼ日の求人の記事を読んだときには、転職・・・と想像したりした。
だけど同時に、圧倒的な目の合わなさも感じた。呼ばれていない、と。
どんなにステキな考えに同意しようと、それは自分から出てきたものではない。同意することで自分もステキになった気になってはいけない。
あなたはとてもステキだから結婚しましょう、と一方的にプロポーズするのが、えーと何様かな?というのと同じで、まず両思いじゃないと意味がないとわかって、そっと身を引いた。

ケーキを食べることが好きな人が、パティシエになりたいと求人に応募してくると、「食べることが好きなら、作るのではなくて食べる仕事を選んだ方がいいよ」と言っていた自分に大きな声で言いたい。「おまえもな!」と。

そして、それでももはや他人とは思えないほぼ日のひとたちと、いつか片思いではなくて両思いになるために、まずは自分にいまできる仕事をやろう、と、改めて「じぶんのリーダーは、じぶんです」と胸に叩き込んだ。


長くなったので・・・初回はこちらです。

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