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中2のあーちんと話した「時間とお金」のこと

中学生というのはとてもいそがしく、うちのあーちん(中2)も例に漏れずいそがしい。年に6回も定期テストがあるし(ということは2ヶ月に1度はテスト)その間に体育祭やら文化祭やら修学旅行やらの学校行事があり、部活も合宿も大会もあるし、ほんとうにいそがしい。

彼女の学校は毎週土曜日も学校があるので、休みは日曜日のみ。その中で週に1回更新する連載をもち、小3から一度も原稿を落としたことがない(しかも小6までは週2で更新)。すごい。

そんなあーちんは最近、友達とも遊びたいし、あたらしく興味をもってやってみたいことがあっても、なんだか時間がないな ということに気がついてきたようだ。


今だ!と、そのタイミングを逃さず「時間とお金をどこにつかうか」を一緒に考えた。

たとえば部活に時間をつかいすぎて他のやりたいことが何もできないのなら、もし部活をやめた場合どうなるかというと、部活につかっていた部費や合宿費で、まず自分用にmacを買って、クリエイターや美大生のところに月謝を支払ってIllustratorやPhotoshopやペンタブなどの使い方を習いに行くこともできる。

1週間毎日放課後の時間をぜんぶつかって、自分の作品を作ったり、あたらしい技術を学んだり、美術館や展覧会に行くこともできる。

macを使えるようになったら、どこかの会社にインターンのように(月謝を払ってでも)働きにいってみるのもいい。

そうやって「放課後の時間とお金をすきにつかっていいよ」と選択肢をいくつかみせて提案してみた。「あれこれ全部はムリだから、やることを絞って時間の濃度をあげたほうがいい」と言ったら、「そっか、やりたいことができないんじゃなくて、やる時間をつくるのか」と理解していたようだった。


ちょっと前に中学校を卒業したあとの話をしたときにも、なにも考えずにいたらそのまま高校に進んで、その後、大学や美大に行ったり専門学校に行ったりするとして、そこに使う時間とお金をまったくちがうことに使ってもいいんだよ と、同じように話した。

同じように学費がかかるなら、海外に行ってもいい。10代の柔らかい頭で2年もいたら英語が話せるようになるし、いろんな国の友達もできるだろう。せっかく絵という国境のない得意なことがあるなら、今後どこにいってもいいのだから、英語が話せたら選択肢がひろがるし、「英語が話せない」という理由で日本から出ることを怖がることがなくなるのではないかと思う。

または、高校に行きながらも先に仕事に片足をつっこむというのもいい。お金をつかうどころか自分で稼いでくれたら、つかうはずだった学費を別の楽しいことに使える。


話は多少大げさではあるけれど、おとながこどもにできることは、こどもにはわからないことは、「なんでもアリ」だと教えてあげることだ。

わたしもこどものころ「おとなってこういうものだと思ってた」ということがたくさんある。「仕事ってこういうものかな」とわからないなりになんとなく思っていたことも、誰も訂正しない(するタイミングがない)し、誰も教えてはくれなかった(親と先生くらい)。

そんなわたしがおとなになったからといって、今でもわかることはたいしてないけれど、とにかく視野をひろげることで、「なんでもアリ」なんだと思ってほしいと思う。

この時のために、わたしは彼女が小さいころから「ひとのせいにするな」と言い続けてきたのかもしれない。「どうせ〜でしょ」「〜だからできない」と、誰かや環境のせいにしないで、まず自分がどうしたいのかを考えるクセをつけてきた。それでもできない理由はいつもついてくるけれど、そのなかでどうしたらできるか考えればいい。

そして、それを言うかわりに、わたしがシングルマザーだから「お金がなくてできない」というせいにされないように と、がんばってきたのだとも思う。


「みんながやっているから放課後は部活をやる」も「シングルマザーだからお金がなくてしかたない」も、ぜんぶ疑って、解体して、自分で選んで決める。わたしとあーちんは「ほんとにそれで委員会」だから。


さて、今後の彼女の選択はいかに。

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