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山登り人生VOL224県境縦断記(二人だけの記念山行)その5虚空蔵山から桃の木峠・国道へ

長崎・佐賀県境は約107kmの縦断の山旅です。
七日間、N副会長49歳、私34歳の二人だけ山旅でした。 

第四日目No339 昭和58年1月30日 Nと私

虚空蔵山系を縦断する。永尾トンネルまで約18㎞
佐世保駅7:00(国鉄380円)⇒彼杵8:08(バス220円)⇒俵坂峠8:30→9:00P382→9:30P472→10:30P446→鳥兜岩12:00→12:20虚空蔵山12:35→赤岩14:00→林道15:00→15:35P468→桃ノ木峠16:50→国道17:20→17:40ヒッチハイク⇒18:40佐世保駅

グーグルアースより

朝早く家を出る。
今日のコースは約18㎞、
中間の虚空蔵山から赤岩までの登山道は何度か歩いたコースであるが、
その前後はどうなっているのだろうか。
地図を読むと小ピークが連続し露岩のマークも多い。
距離は二日目より短いが、一番激しいコースと思われる。
モーテル横から山道に入り、急登20分で稜線に出るとイバラの路となった。
藪漕ぎの中でもイバラほど悪いものはない。
特にP472mからP446mの間は凄くて、
僅か1㎞ちょっとを一時間以上も浪費させられた。

虚空蔵山を西に望むようになると、露岩や岩峰が連続して現れる。
腕を肩より上に上げると痛いというN副会長には、
ちょっと辛いルートになって来た。
巻くのも大変と木の根やカツラを伝って岩の上に出てみると、
ピナクルがルートを塞いでいたりする。
細引きを使って下り再び岩稜に戻ると、見覚えのある岩峰の前に出た。
昭和56年9月月例山行でM氏が連れて来た岩峰であった。

鳥兜岩

もう虚空蔵山は目前である。
虚空蔵山から赤岩までは登山道で何度か通ったコースだが、
赤岩を登りきった所で間違ってしまった。
これから先は私達を悩ませるコースとなった。
杭の姿は消え尾根ははっきりせず、
コースは小刻みに転進し展望が利かないとあって、
私達の足を何度も引き止めた。
林に入ると薄暗く、コースもはっきりしない時は気も焦ってくる。
こんな時、三角点だけが私達の味方で見つけた時はホッとする。
波佐見町鬼木から伸びている林道を下ろうと思ったが、
すっかり荒れていた。
コースがはっきりしない。
永尾トンネルまであと1.5kmの所で、県境を諦めた。
この藪では日没までに辿り着きそうにもなく、
桃の木峠に逃げて林道に出た。
この林道は県境と並行しているのでと初めての妥協であったが、
満足して下山した。 

N副会長の報告より

1月30日(第三日目)
(俵坂峠~虚空蔵山~赤岩~桃の木峠~永尾トンネル)
汽車とバスを乗り継いで、懐かしの峠に来た。

県境はモーテルの横からであるが、
直ぐ道らしい道もなくなり、低い藪となる。
それに岩場が頻繁に現れるので、なかなか距離が稼げない。
P446m手前で、路が判らなくなった。
読図力を発揮する時である。
地図やコンパスが狂っていると思うことがあるが、
結果的には人間の方が間違いであった。
虚空蔵のピークは県境ではないが、寄り道をして小休止。
ここでも記念撮影。

2023年12月の山頂

後半は岩と藪の連続で時間ばかり経過して、先へ進まない。

2023年12月時の赤岩手前の岩場
途中の登山道より赤岩を望む

ようやく桃ノ木峠17時でホットする。
トンネルのバス停まで大急ぎ。
しかし、一日一本しかバスは停まらない。みんな特急ばかり。
仕方なく歩くことにする。陽が暮れてきた。
今日中には帰宅できるさと割合気楽に考えていたら、
℉君がヒッチハイクしてくれた。地元まで送ってくれた。
自宅はどこかとしきりに聞かれたが、気の毒だったので途中下車。
お金を受け取って貰うように言ったが受け取らないので、
後部座席へ投げ入れて急いで降りる。
地獄に仏とは、正にこの事であった。
皆もヒッチハイクには応じるよう心がけよう。

 

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