2021年 京大入試 英語大問2 第14文

19日目です。前回は長すぎました。今日もまあまあ長いです。

1.本文

This idea about evolution survived opposition, ridicule, refutation; and the reason of this persistence is that the idea harmonizes with one general conception of the world which has been called the monistic because it reduces all phenomena to community, and all knowledge to unity.

2.単語の解説

survived:長生きする ridicule:嘲笑 refutation:論駁 persistence:存続harmonizes with:調和する monistic:一元論 reduces:減らす 
phenomena:事象 community:共同体 unity:まとまり

論駁(ろんばく)なんてことば初めて聞きました。ridiculeはridiculous「バカ笑い」の訳がハリーポッターで有名ですね。
surviveは「生き残る」の意味で覚えている人が多いですが、「〜より長生きする」の訳の方が大事ですね。「surviveの前にいるほうが長生きする」と考えてもいいかもしれません。受動態でよく説明されますね。
persistanceはpersist「固執する」なんて訳が有名ですが、僕は「ずっと続く」と覚えてます。天然パーマは一生天パですから。「くるくる髪が一生続く」ってことです。そっちのほうが応用が聞く気がします。ついでにpermanent「永久的な」も覚えられます。
harmonizeはエヴァを見たことある人だとハーモニクスなんて言葉を聞いたことがあるとは思いますが、それ以外にも「美しいハーモニを奏でる」という音楽の先生とかが言いそうな言葉もあります。調和の取れた音が美しいんです。そうじゃない音は不協和音なんて言ったりしますよね。
monisticはmono(ひとつ)というイメージがあれば大丈夫だと思います。流石に一元論なんて言葉日常で使いませんもんね。community とunityはセットで覚えるとお得です。どちらも「まとまったもの」というイメージですね。コミュニティは人がまとまったものですし。unity はuniverseとかと一緒でuni(ひとつ)というイメージです。monoと同じですが、おそらくラテン語由来かギリシア語由来かという違いだけです。uniがラテン語かな?uno(イタリア語の1)っぽいし。

3.文法の解説

今回文法事項で取り上げるポイントは「前置詞to」のみです。注目してほしいのはreduces all phenomena to community です。toの基本イメージは「方向(ゴール地点)」ですが、そこから「変化」を表すことができます。例文を挙げると、

Five minutes to ten. 「10時5分前(9時55分)」

「5分が10時(というゴール地点)」に向かう→「5分が10時に変わる」→「10時5分前」です。なのでreduce A to Bの意味は「AをBというゴールに向けて減らす」→「AをBに変える」となります。変化のtoはよく出てくるのでこれを機に覚えてしまいましょう。

4.構文の説明

構文解析

         〈This idea about evolution〉 survived 〈opposition,
                                                                                   ridicule, 
                                                                                 refutation〉
; and 〈the reason [of this persistence]〉 is 〈that the idea harmonizes with one general conception[ of the world] [which has been called the monistic]〉
 (because it reduces 〈all phenomena〉 [to community],
                               and 〈all knowledge 〉[to unity]. )

andの並列がわかりやすい様に並べ替えてみました。いかがでしょう?refutation「論駁」なんて知らなくても、oppositionやridiculeからなんとなく推測できますよね。最初の部分は、

「進化に関するこの考えが反論や嘲笑、そして論駁より長生きした」

ですね。考えが長生きするというより、考えがながく残ると考えると良いです。
;よりあとの部分で大事なところは、関係代名詞whichがどこを修飾しているかということですね。the worldだと、「ひとつのものと呼ばれる世界」となりちょっと変です。
なのでその前の名詞conceptionを修飾してると考えると、
「一つのものと呼ばれている考え」これで良さそうです、ちなみにこれ前の部分の
「the two great conceptions of the world that have long ruled, and still rule, the minds of Europe.」の内容の繰り返しです。この部分の訳は、

これが長く残る理由は、一元論と呼ばれる世間の一般的な考えとうまく合ったからである。

the reason of this persistenceのpersistenceをpersistと見て動詞っぽく訳すのがポイントです。

最後のbecauseは、reduce A to Bの訳に注意すると、

この考えが、あらゆる事象を大きなまとまり、そしてあらゆる知識を一つのまとまったもの変えるので

community とunityを辞書のままの意味ではなく「一つのもの」と考えたほうがいい訳になると思います。いろんな知識の土台になったということでしょう。どんな教科もそうですが核心部分を覚えておくといろんな知識に応用できるのはなんとなく実感があると思います。僕も英単語や英文法の勉強をするときは、常に核心をついた勉強をするをモットーにしてます。その場しのぎの小技では結局うまく行きませんからね。
ここらへんの話は理系の方、特に物理が好きな方だと特に納得していただけると思います。僕は物理大キライですが(苦笑)

5.全訳

進化についてのこの考えは、反対意見や嘲笑や論駁を乗り越えた。そしてこれが長く残る理由は、この考えが、あらゆる事象を大きなまとまり、そしてあらゆる知識を一つのまとまったもの変えるので、一元論と呼ばれる世間の一般的な考えとうまく合ったからである。

becauseの入れる部分に迷いました。今日は割とスッキリした解説にできたと思います。この構成が見やすそうなので当分これでいってみようと思います。
最後に復習用の素材をおいておくのでぜひ使ってみてください。
ではまた明日!

6.復習用英文

This idea /about evolution /survived /opposition,/ ridicule, /refutation
この考え/進化についての/乗り越える/反対意見から/嘲笑から/論駁から
; and the reason/ of this persistence/ is that the idea harmonizes with/
そして理由は/これが長く残る   /そのアイデアがうまく合ったからである/
one general conception /of the world /which has been called /
ひとつの一般的な考え / 世間の  /呼ばれている/
the monistic /because it reduces/ all phenomena /to community,/ 
一元論と/なぜならそれは減らす/あらゆる事象を/大きなまとまりに/
and all knowledge   / to unity.
そしてあらゆる知識を/一つのまとまりに

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