見出し画像

散髪するとき考えたこと

昨日半年振りに散髪にいってきましたよ。
散髪する時ってホントに無駄な会話が多いですよね。

お客「・・・やっぱり後退してるでしょ。どう考えてもオデコが広くなった気がするんですよねぇ。朝、生え際を洗顔する時に『いまここで洗顔用の石鹸をつけてしまったら地肌がここまでは顔!と認識してしまう!』と思ってなかなか石鹸つけられないんですよ。しょうがないからシャンプーを薄めて塗ってますけど・・・おまじないみたいに・・・。」

床屋「いやいや、まだまだ大丈夫ですって!ワタシ、ちゃんと危ないときは『アブナイですよ』って言う方ですから・・・無意識に言っちゃうらしいんですよ。お客さんには言ってないでしょ?だから、大丈夫!です。」

お客「どうだかなぁ~?その人にそう言われてから『アブナイ』って言うのを控えているかもしれないじゃないですか。オレだったらそう言われた後は絶対に「アブナイ」って言いませんよ。」

床屋「大丈夫ですって!あ、そういえば風邪とかひくと抗生物質とかで髪が細くなるんですけど、そうすると薄くなった感じはしますよ。お客さん風邪ひいてるから・・・たぶんソレでしょ。」

お客「どうだかなぁ・・・結局キャバクラみたいなモンでしょ。」
床屋「え?」
お客「キャバクラでもそんなコト言いそうじゃないですか。」
床屋「え?私が、キャバクラで?」
お客「いやいや、キャバクラの女の子もお客にそう言いそうだなって思って・・・。」
床屋「その例えはちょっと違うんじゃないですか?」
お客「え?そう?心外だな・・・。」

床屋、無言で髪を切る。

お客「しかし、こうやって鏡を通して髪を切っているのをもう何百回も見ているはずだけど・・・。」

床屋「えぇ、まぁ、そうですねぇ。」

お客「・・・全く自分では切れる気がしないのはなんでだろう?これだけ見ているなら自分で切れそうだけど・・・。」

床屋「・・・・さ、さぁ?」

床屋、鏡の中から客にジーっと凝視されながら、やりにくそうに無言で髪を切る。

床屋「あ、でも自分で切っちゃう人もいますよ。奥さんが旦那の髪を切ったり・・・。」

お客「それはなんかヤだなぁ・・・絶対カッコよくしようと思って切るわけないもん。ただ単に床屋さんごっこを楽しんでるだけでしょ、その奥さん。」

床屋「どうですかねぇ・・・でも後で旦那の髪を見たら、わかりますよ。「あぁ、ここの毛が邪魔だと思ったんだなぁ」とか「こういう風にしたかったんだろうなぁ」とかね。マトモに治すとしたら違う髪型にするしかなくなりますよ(笑)」

お客「あぁ、やっぱりね・・・損して得取れ!ってことですよね。」

床屋「え?あ、はぁ・・・。」

床屋、釈然としない顔で髪を切る。
少し考えて髪を切る手を止めて・・・。

床屋「お客さん、その例えもなんか違うと思いますよ。」
お客「え?そう?心外だな・・・」
床屋「とりあえず一回髪を洗いましょうか。こちらへどうぞ」

洗髪の台へと移動する二人。
床屋、客の髪をシャンプーで泡立てて洗う。

床屋「痒いところございませんか?」
お客「つむじが北極だとしたら・・・。」
床屋「え?」
お客「だから、つむじが北極だったら、ちょうどインドのあたりが痒いです。」
床屋「この辺ですか?」
お客「そこ南アフリカでしょ?」
床屋「え!、あぁ・・・すみません。」
お客「ボク日本人なんだから!」
床屋「え?」
お客「いや、だから!ボクは日本人なんだからヒタイの中央が日本に決まってるじゃない!日本語の巧い外人だと思ってました?」
床屋「いやいや・・・・そうするとこのあたりですね?」
お客「あぁ、、、そうそう・・・・あとアルゼンチンあたりもちょっと痒いかな。」
床屋「このへん・・・ですかねぇ・・・」
お客「あぁ、アルゼンチンはわかるんだ・・・」
床屋「ソレどういう意味ですか?」
お客「サッカー好きでしょ?サッカー好きはアルゼンチン詳しいからね。じゃあノルウェーは?」
床屋「えっと・・・・このあたりですか?・・・そうすると私はオーストラリアとか韓国を洗う事は無いわけですね(笑)」
お客「妙に世界に詳しいね、あなたは・・・」
床屋「いやいや、そういうモンでもないと思いますよ。・・・・あ!」
お客「どうかしました?」
床屋「・・・イラクは・・・ちょっと危ないですね。」
お客「それはダブルミーニングってことですか?」
床屋「いや、すみません。あぁ、だからさっきも言ったみたいに、こんな感じでちゃんと危ない時は言うわけですよ。」
お客「どうしてさっき言わなかったんですか?気づいてたでしょ?」
床屋「いや・・・・言われてからアブナイって言ったら、なんかバカっぽいじゃないですか」

こんなコトを考えながら無言で髪を切ってもらっていたとは・・・
夢にも思わないだろうなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?