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徒然なるラブ

 古来より大学近くの24時間営業のスーパー「イオン」近辺には数多くの幸せオーラ全開カップルが生息していることで知られている。24時間営業を良いことに無防備に深夜に買い物へ行くと、そこは既に幸せオーラ溢れる腐海と化しておりまともな精神状態ではいられなくなる。純粋無垢だった学生が捻くれたモノに変わってしまった、なんて事例を後も絶たない。また、もれなく筆者もその1人であることは否定できない。
 しかし、それも大学生という立場が故だったのかもしれない。大学を卒業し、1人の立派な社会人として振る舞う日々、疲れた体をひきづって煌々と輝く24時間の看板に吸い込まれて感じるのはただただ安心感である。こんな時間まで空いていてくれる稀有さを大学生は知らないのだ。社会人にってようやく気がついたその有り難さを噛みしめれば、店内でいちゃつくカップルなど可愛いモノなのである。
 ただ、今日の店内は明らかに雰囲気が違った。モラトリアム臭漂う大学生のソレではなく、未来を見据えたカップルのそれであった。つまり、私は〇〇氏とそのご伴侶の幻影を見た気がしたのである。しかしそれはあくまでも幻影だったのかもしれない。果たしてその女影が何だったのか、私は知るよしもない。
 私は芋けんぴをそっと胸に抱えて再び暗闇に消えていった。


仕事終わりに近くのスーパーに寄ったら、たまたま最近できた彼女とイチャイチャ買い物をする友人を目撃したので、その旨を送ったラインです。恥ずかしいので長文にしてごまかしました。本当は話しかけてみたかった。え!?別にイライラしてないですよ。

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