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私が見たドイツでの動物との付き合い方

改正動物愛護法の改正案の問題点

本日、浅田美代子さんらが開催した改正動物愛護法の数値規制を国際的な動物福祉にかなうものにする必要性について訴えたオンライン院内集会をYouTubeにて拝見しました。

昨年、動物愛護法が改正されることが決まったのですが、その内容を決める検討委員会がペット業者や獣医師のみで、動物保護団体などが入っておらず、現在出されている改正案の数値があまりにひどく、下手をすると現状より劣悪なものとなり、現在はびこる悪徳業者にかえってお墨付きを与えてしまうものになる可能性があるそうです。

それを改善しようと「犬猫殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」が後援となり、動物愛護の精神に叶った具体的な数値を盛り込んだ改正案を杉本彩さんの動物環境・福祉協会Evaなどが環境省に提出しましたが、一般の我々はその行方を見守るしか術がないとのこと。。

私たちにできることは環境省やその委員会のメンバーにハガキやメールを送るアクションを取ることとのことなので、さっそく環境省にメールしました!

そのYouTubeライブを見ていて、「ドイツのように生体販売をなくしたほうがいい」とのコメントがありましたので、私の知るドイツの動物に対する状況をお伝えしようと思います。

ドイツは動物愛護先進国?

ちなみに環境省のHPに「ドイツにおける動物保護の取組みに係る調査報告書」が掲載されており、めちゃくちゃわかりやすかったので興味がある方はぜひ!

あくまでこの記事内では私が見聞きした範囲内についてのみ言及します。

まず、ドイツに生体販売はないのか、という点についてはペットショップにいけばすぐわかります。残念ながらあります

確かに犬や猫がペットショップで売られていることはまずないのですが、うさぎやモルモット、観賞魚などは普通に売られています。日本のように何もないただ狭いケージに押し込められているということはなく、悠々とケージの中で遊んだりご飯を食べたり、トイレができるスペースがあるようです。

ドイツ語の先生曰く、うさぎなどは子供向けのペットとして人気があり、まずうさぎなどを飼うことにより、動物のお世話を覚え、それから犬猫を飼うとか。またジビエとして一般のスーパーでも兎肉は売られており(しかもわりと姿がしっかりとわかる…)、食用と愛玩用の区別の付け方がある意味凄いな、、と思ってしまいます。。一方で菜食主義の方も全体の10%ほどいるそうで、だんだんと小型の哺乳類に対する感覚も変わってくるのかもしれません。


ドイツのBIO事情

食事の話が出たので、BIO製品についても。ドイツではBIOマークの付いた製品が多くあり、日本の感覚で言うと有機栽培等になるのかなと思いますが、この製品は野菜だけに限らず、お肉や卵、化粧品や加工済み食品などにもつけられており、BIO製品だけを集めたBIOスーパーもあります。

何をもってBIOとするかはそれぞれの食品ごとに規定があるのですが、お肉に関しては、飼料や飼育環境、ひいては絞め方にも規定があるとのこと!要は食用となる豚や牛、鳥もなるべく自然に近い環境で、化学物質を加えずに育て、苦しまない方法で殺すということですね。

卵はさらにすべてのパックにナンバーが振られており、BIO、外で放し飼い、平飼い、ケージ飼いに分けられ、生産地やエリアコードなどもパッと見ただけでわかるようになっています。

もちろんその分、BIO製品は高いのですが、そもそもお肉の値段が日本と比べて安いので、BIO製品であっても日本のお肉と同じくらいかちょっと高いくらいのイメージです。大きいスーパーだとBIOコーナーが別にありますが、たいていのスーパーでは一般の商品に混ざってBIO製品も売られている感じです。


ドイツでの犬猫の飼い方

話を戻しまして、ドイツでは犬猫の生体販売はなく、ティアハイムという動物保護施設から譲り受けるか、ブリーダーさんのところへ直接伺って購入するか、と思っている方は多いですが、最近はインターネットでの販売も増えてきているそうです。

もちろんブリーダーさんの登録が多く、こういったサイトでブリーダーさんを探して購入するということが一般的ですが、実態として劣悪な環境で育てられた仔を良い環境のように見せかけて売るということも中にはあるとか。日本と比較したら法整備も進んでいるので数としては少ないと思いますが、どこでも天国ではないということですね。。

また動物を飼うにも厳しい規定があり、一匹当たりの必要占有スペースが決められていたり、犬では1日あたり3時間以上は散歩しなければならない、8時間以上(6だったかな…?)一匹で留守番させてはいけないなど、このあたりはさすが動物愛護先進国だなと思います。

街中のカフェやレストランも犬可のところも多く、テラス席では足元で寝ているワンちゃんを見かけることも多々。そしてやはり家が広いからか、日本より断然大型犬を見る機会が多いのも特徴かなと。

全体の飼育数では猫のほうが多いらしいですが、ほとんどが完全室内飼いのため、一階の家で外の観察をしている猫ちゃんをたまに見かけて嬉しくなるくらい。私の住んでいるところでは見たことはないですが、野良猫はいるみたいですね。ペットショップで野良猫の保護活動をしているチラシを見かけたり、他の在独邦人の方がネットにあげているのも見かけます。

ドイツというかEUらしくて面白いなと思うのが、予防注射を受けたペットはEUのパスポートが発行されます。これがあれば、犬や猫を連れての旅行もできちゃいます!

日本では猫は狂犬病の予防注射を打つことはないですが、こちらでは狂犬病を完全に予防することはできないので(このあたり陸続きの国だなと)、猫も狂犬病の予防接種を受けます。特に日本に持ち帰る場合、狂犬病の予防接種規定があるので年に一回必ず打つか、抗体ができていることを証明しなければなりません。


長くなってきたので次回はティアハイムに行った話を。