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サビアンシンボルから見る、蠍座サインの誤解

蠍座というサインにどのようなイメージを抱いていますか?
蠍座サインは「執念深い」とか「死と再生」というキーワードで語られることが多く、「蠍座イコール怖い」というイメージを抱く人は多いかもしれません。しかし、誰のチャートにも12サインの要素が存在しています。サインの性質そのものには良い・悪いの区別はないので、サインの性質を理解することでポジティブに活かせる可能性がグンと広がります。

サビアンシンボルはさまざまな度数を通じてそのサインの性質を映し出す、万華鏡のようなモノです。サインの基本的な性質を表す1度、潜在的な性質を表す2度を中心に、蠍座サインの原点について考えてみます。

※この記事は旧ブログ(http://aries29-sabiansymbols.net/scorpio-misunderstood/ ※閉鎖)で2017年12月に公開したものを編集しています。

蠍座サインの原点

蠍座1度は「A sight-seeing bus.(観光バス)」。「sight-seeing(sightseeing)」は、観光のことです。Cambridge Dictionaryで英語としての意味を調べてみると、「the activity of visiting interesting places, especially by people on holiday.(特に休暇中の人々によって行われる、興味ある場所を訪れる活動)」と説明されています。ここでは“興味ある場所”という部分がポイントです。

次にバスに注目してみます。サビアンシンボルが考案された1920年代当時、既にアメリカでは長距離の大型バスが走っていたので、蠍座1度に登場する観光バスも大勢の人を運べるタイプと考えてよいでしょう。トロリーバスであればおそらく「trolley bus」と書いていたはずです。

蠍座1度に登場する観光バスを通じて示されているのは、“自分が興味を持つ対象への接近”とそれに付随する“集団性”だと思います。蠍座サインの最終目標は対象物との融合、そしてその後に訪れる自己変容です。融合するにはそれに値する対象物を見つける必要があるので、蠍座サインの原点はまず、“対象物に価値を見出すこと”、さらに “融合する対象物を見つけること”と言えるのではないかと思います。

融合するので、当然ながら対象物に深く入り込むことになります。
例えば、寝食を忘れるくらい特定の誰かに夢中になる(アイドルの追っかけとか)、一生を賭けて何かを追求する(芸事とか)、会社に忠誠を尽くして猛烈に働く(高度経済成長期のサラリーマンとか)……これらは蠍座サイン的性質の表れと言えます。
芸事の場合は自分自身の感覚を捨てて師匠の真似をすることから始まるので、技を極めることで別の自分になれる(=自己変容)のは、とても納得できる結果です。

蠍座1度が持つ裏側の意味

何年も前の話になりますが、テレビのニュース番組で小さな島の様子が紹介されていました。

ヨーロッパは夏のバカンスシーズンを迎え、ある小さな島には長い休日を避暑地で過ごそうとする人々が大量に押し寄せていました。その島には普段から観光客が訪れていますが、バカンスシーズンになると普段の何倍もの人々が島を訪れます。ビーチも道路もアイスクリーム屋さんもカフェも、至る所人、人、人……人で溢れんばかり。島の混雑ぶりは島の住人の日常生活に支障をきたすほどでした。

インタビューを受けた島の住人曰く、
「観光客が来るのは嬉しいけれど、“息が詰まりそう”だよ」と。

その時、蠍座1度のサビアンシンボルが思い浮かび、もしかすると、この“息が詰まりそう”という感覚こそ、蠍座サインの性質が強い人と接した時の圧迫感かもしれないなぁ……と思ったのでした。
観光客側と観光地に住む住人側の感じ方の違い。島の住人のコメントに蠍座1度の裏側を見た思いでした。

周囲への影響力

蠍座2度「A broken bottle and spilled perfume.(割れたボトルとこぼれた香水)」では、姿を見せずに存在を感じさせる性質が示されています。実体を持たない香りは、見たり(=視覚)触ったり(=触覚)することができません。嗅覚で感じとります。鼻から入ったニオイは嗅上皮に溶け込み、嗅細胞から嗅神経・嗅球を経て、脳の中でも本能・感情・記憶をつかさどる領域に直接伝達されるのだそうです。そのため、嗅覚は人間の心身に影響を与えやすいといわれています。

サビアンシンボルの2度はそのサインの思考や行動の源泉となる性質を表しています。蠍座2度では実体の役割を持つボトルが割れ、周囲には香水の香りだけが漂っています。その香りは、それを嗅いだ人の本能や感情、記憶に何かしら影響を与えるかもしれません。
蠍座サインが怖いイメージを持たれてしまう理由は、蠍座2度に表れている性質にもありそうです。

また、サビアンシンボルの25度はサインの性質が過剰に発達した状態を表し、蠍座25度「An X ray.(X線)」では対象の深い部分まで入り込む性質が示されています。深い洞察力と言ってもよいでしょう。しかし、相手の心を深く読むことは、時に厄介事を引き起こしてしまうので、このへんもまた(またですね……)蠍座サインが誤解されやすい理由の一つかもしれないなぁ、と思います。

誰もが持っている蠍座サインの性質

蠍座サインは融合による変容が最終目標なので、「対象」を必要とします。誰もが自分自身の中に蠍座サインの性質を持っていますが、自分で意識するとしないとでは大きな違いがあります。
特に蠍座サインに天体がある場合は、ポジティブな意味で没頭する対象を持つと自分が大きく成長できるだろうと思います。出生の天体がない場合、トランジットの天体、特に木星を利用すると、何かきっかけがつかめるかもしれません。

この記事はもともと別のブログで2017年の12月に書いていたものです。書くきかっけとなったのは、職場のチームにいた人が、占いの話が出た時に「蠍座だってあまり言いたくないんだよね」と言ったこと。そして、メンバーの1/3が蠍座さんという偏った編成のチームだと知ったことです。

image photo : by pixel2013(pixabay)

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