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クリスタで漫画を描く:線画以降の仕上げ

どうも! 絵が下手なくせにクリスタの機能とクリスタのアセットにある大量の素材に頼って推しカプを錬成しているオタクです!(自己紹介)

今回は「線画ができたけど、あとトーンとか、背景の効果とかどうするか」みたいなやつを書きます。線画まではできるけど、漫画っぽくするにはどうしたらいいんだろ? みたいな人向けです。

基本的に「早くできてそれなりに見える」という話をするので、
自分でなんでも描きたい人、背景を描き込みたい人には向いていません。

線画の前に

使うペンなど

こういうのを仕上げで使っていますの一覧です。他にも色々使っているので逐次紹介しますが、必ずしも同じ素材ではなくても、似たような素材があるんで、たとえば髪なら「金髪」「ツヤベタ」とかで検索して、自分に合ってるのを探せばいいと思います。

描きたくないものは素材で描く

これは「香水瓶を並べている」というシーンなんですが、香水の瓶なんか面倒で描きたくないので(意識の低い絵描き)、「香水」でクリスタアセットを検索して見つけたブラシで描きました。
で、それじゃあ絵柄に線の太さが合わねーよ! と思うので、「線修正」ツールの中にある「線幅修正」を選び「指定幅で太らせる」を選択、ブラシ状になっているので、それで太くしたいところをなぞって太くします。

線画ができたら…

下書きから線画はがんばるしかないのでがんばって線画までやります。

マジで修羅場のときはフキダシを表示してその下は描かない手もあるんですが、今回はフキダシで隠れるところも描きました。えらい。

で、もう処理決めてるコマは描いちゃいます。
今回はお花の3コマめと、黒ベタをちょっと削った最後のコマ。

漫画って「セリフだけのコマ」「効果だけのコマ」とかってあっていいと思うんですよ。
全部のコマに本気絵を入れる作家さんもいるんで好き好きなんですけど…
俺はともかく「推しの様子さえ伝われば良い」ので、たいへん意識低くやってます。

タッチを入れていく

線画とは別に、斜線とかそういうタッチをいれていきます。
線画とはちがうレイヤーをつくっておいたほうが何かと便利です。

まずは刈り上げ。刈り上げ部分を選択し(Shiftキーを押しながら選択で複数選択できます)クリスタデフォルトでも入っている「斜線」でがしがし埋めます。

次は金髪。
こういう線、手で描いたほうが綺麗な人は手で描くほうがいいと思うんですが(原作はたぶんアナログなので手描き…)俺は自信ないので素材に頼ります。この「髪線ブラシ」は有償なんでほかに良いのがあればそっちでも。

こういうブラシあるあるなんですが、描きはじめや描き終わりがグチャッとなりがちです。クリスタの仕様っぽい。
なので、大きめに描いてあとでいらないとこ消すのがいいと思います。

このキャラは髪の根元にベタが入っているのに原作を履修して気づいたんで(アニメでは濃い色だった)それらしきベタをいれます。原作だともっと髪束が細かく描いてあってそれに沿って筆みたいなタッチが入ってるんですが、俺の絵だと髪束の流れが適当なのでそれらしくなればヨシ。

「ラクツヤペン」は元々黒髪のツヤベタを入れるブラシですが、若干癖があるので乗り換えるかもです。

で、髪の毛を選択しているついでなんで、髪の柄トーン(砂目)を貼ります。これは前の記事で紹介した「柄トーンを全面に出しておいて全体をマスクしておく」という準備をしてあるので、「選択範囲を塗りつぶし」で一気に塗れます。
前髪のちょろんとしたのは選択できてないので、選択範囲を解除して塗りつぶしツールで塗っておきます。

タッチをいれているレイヤーに戻ったら、赤面しているキャラに赤面ペン。
このペンはマジでデレてる赤面ですが、わりと色んな人が色んな「顔面にちょっと細工してかわいく見せる」ペンを配布しているので、「赤面」とかで検索して良いのを見つけておくとよいでしょう。

トーンを貼る

次に漫画のグレー部分、トーンを貼ります(塗ってるんだけどいにしえのオタクだから貼るって言っちゃう)。
これはグレーでやりたい人はトーン化はしなくていいです。
同人誌の原稿でも、今はグレーの原稿でも印刷してくれる印刷所があるんで無理にトーン化しなくても大丈夫。

とりあえずトーン用のレイヤーをつくって、それにグレーを塗っていきます。
「カラーセット」にグレーばっかり置いてるセット(これは自作ですが、「グレー カラーセット」とか「モノクロ カラーセット」で検索するとそういうパレットを配布している人がいます)を出しておいてそれで塗り。

あと離れ業なんですが、「カラーで塗っちゃってそのレイヤーをトーン化」する手もあります。(トーン化すると自動で白黒になるので)完成形が見えづらいのであんまおすすめはしないですが、グレーだと間違えるんじゃ!
という人は試してもいいかもです。

塗ったトーンをふわふわさせるには「カケアミ削り」などのブラシを透明にして使うんですが、こういうブラシをあえてグレーで使ってふわっとした表現をすることもできます。今回は瞳のなかに使いました。

効果背景をつくる

背景の効果を描いたり貼ったりしていきます。
背景用のトーンレイヤーをつくってそれに描きます。
今回使ったのはフルカラー用のブラシセット「なつのゆめ」ですが、グレーにしてもかわいいのでグレーで「もりぺん」と白で「あとからひかり」をいれました。

俺はこの素材作家さんが好きすぎて使ってるだけなんで、もっといい感じのふわほわブラシ持ってるぜ! さがしたぜ! っていう人はそれで全然いいです。

もう一気にやっちゃったぞ。

1コマめみたいに半円でキャラ囲んで上のほう塗る処理は俺がよくやります。上手い人なら白背景でもいいようなコマなんですけど、俺の絵だと寂しいので隙間埋めです。

テーブルなどの「モノ」にはグラデをとりあえず貼っておくといい感じに。

真っ黒ベタにしちゃうのはなんか寂しいけどベタにはしたいコマは「アナログでざくざく塗った風なブラシセット」でざくざく塗って埋め。

もういっこキラほわ背景なコマは背景部分を選択して、ダウンロードしておいた素材を貼り付けただけ。ちょっと寂しかったんで、デフォルトで入ってるキラキラブラシを白にしてキラキラを描き足しました。

パースのついた背景について(参考程度)

俺パース定規苦手オブ苦手なんですよ。

なのでこの項は参考程度に…
えっと、このコマは3Dモデルをラスタライズしたレイヤーを下敷きにして描いたコマなんですが(詳細は前記事)、ラスタライズしたり移動したりしても、3Dモデルについてくるパース定規は生きてます

なんで、その定規だけをつかんで(画像右側参照、レイヤーのなかにある三角形の定規のマーク)、パース定規を使いたいレイヤーにドロップします。
するとその移動したレイヤーでパース定規が使えるようになります。

で、ペンを定規にスナップさせて(画像参照)、パース使うっぽいとこを描いていきます。この程度なら直線ツールでもいいんですが参考に…

で、これはベッドなので、パース定規のいらないおふとん部分とかは定規を表示オフにするなり削除するなりして手で描きました。奥は適当なカケアミブラシ(ダウンロードしたやつだけどデフォルトでもいろいろ入ってるはず)で埋めました。

あと香水部分にトーンはるの忘れてたので新しくレイヤーを出して塗ってます。これは塗ってからちょっと透明色にしたカケアミ削りで削るなどし。

全体の影をつける

ここまででもう絵柄によっては完成でもいいんですけど、俺はちょっと顔面とかに影をつけたいので、新しく「影」レイヤーをつくって塗ります。
グレーでも構いませんし、俺の場合は黒一色で塗りたいのでトーン化したレイヤーの濃度を10%にして使ってます(わかる人向け:これでみんな大好き「60線10%」トーンのはずなので)

どんなペンで塗ってもいいですが、入り抜き(線の描き始め・描き終わりが細くなる)のあるペンだと髪の毛の影とかが便利です。また、大きいところは「投げなわ塗り」を使うこともあります。

コマ全体の効果

影をつけ終わったらだいたい完成ですが、一応1コマ「想像図」的なコマがあるんで、そいつを加工しておきます。
といっても、四角形選択ツールでコマをおおまかに選択して素材を貼っただけです。同じ効果をトーンでやるならレイヤーの合成モードを「乗算」にしてグレーを塗るでもいいです。

ホワイト

最後に白でハイライトや後れ毛などを描きます。また白い点々とかでキラキラ表現や、差し込んでくる光とかの表現をしたいときもここでやります。
俺は「ホワイト」レイヤーを「レイヤーカラー」で白にしてやっていますが(こうしておくと何色で塗っても白になるので)、別にふつうに白で描いていっても構いません。

これで漫画の作業はおわりです! 
フキダシレイヤーなど、作業用に非表示にしておいた必要なレイヤーを表示しなおします。

書き出す前に塗り残しなどないか確認しておきましょう。

書き出し!

とりあえず今回はTwitterとかpixivに公開することを想定して書き出しをします!
「ファイル」→「画像を統合して書き出し」で「png」を選び(jpegでもいいけど劣化するのでpngがいいです)画像のような画面を出します。

設定は「トンボの内側まで」。
今回はモノクロなので「グレースケール」(二値でもいいですが一部線がガタったりするのでグレースケールおすすめ)。
出力サイズはそのままだとちょっと大きすぎるので適宜。
俺が横を1440pxにしているのは、スマホの画面がたいてい横1440pxだからで、深い意味はないです。
一番下「コミック向け」にチェックを入れて、書き出します。

完成!

できた!!!!!

あとはこれをTwitterなりpixivなりにあげればパーフェクト。
しかも今回の一連の記事では印刷できるサイズで作業しているので、元データを消さずに持っておけば、いつかまとめ同人誌も出せます。やったね!

おわりに

とりあえずこの記事は仕上げだけなんで、過去記事とあわせてごらんください。マガジンにまとめています。

クリスタで推しの漫画を描いてくれ(クリックでマガジンに移動)

次はオススメ素材を紹介しておわりです!
みんなクリスタで推しカプを描こう!