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『淵となりぬる』 校了しました。
ようやく、よし!一応これで最終稿! と言える原稿をupしてきました〜。
予約販売の場合、発売日の72時間前に提出しないといけないので、それまでにちゃんとした原稿提出してね! 締め切りまでは、あと何日何時間何分だよ! と常時カウントダウンされているので、いい感じ?にプレッシャーが掛かります。。。
さて、今回の『淵となりぬる』は、「水のない川」の三巻目。聖ステファノ学院シリーズの五巻目にして完結編になります。
って、ちょっとわかりにくいですよね。このシリーズ設定。
なので、通りすがりというか初めての方のために、まずは少し説明を。(知ってるよ!という方はとばして下さいね)
聖ステファノ学院シリーズって?
これまでずっと、ちまちまと、一応リアリティ重視(一応です、一応。そもそもBLはファンタジー)でBL小説を書いてきた私ですが、ある日突然何を思ったのか、「あーこってこての王道学園ものが書きたい! それも全寮制の男子校で、生徒会もの! そんで財閥の御曹司とか出てくるやつ!」と妄想が爆発し、その勢いのまま書き始めたのが、この【聖ステファノ学院シリーズ】なのです。
最初は、いばら姫こと生徒会長の茨木馨(訳あり御曹司で不眠症)と、それを支える副会長の御堂廉(こっちも御曹司※実は闇深め)の友達以上恋人未満な恋物語。的なお話を、「不眠症のいばら姫」シリーズとして書いてたんですよ。
なので、その馨くんが主人公のお話が「不眠症のいばら姫」として、Kindle本『円い夜空』(不眠症のいばら姫Ⅰ)、『paradise lost』(不眠症のいばら姫Ⅱ)に収録されています。
で、次に。
そこに出てきた馨くんの友達で京都の老舗和菓子屋の息子・水無瀬慎一(実は祖父が政財界のフィクサー)と、学院のOBで天然タラシ、恋を知らない遊び人・高嶋幸成(イベント企画会社社長)の腹の探り合い(?)的なすれ違い恋愛模様(あれ、そんな話だったかな……?)を描いたのが、「水のない川」です。
なので、Kindle本『水のない川』は慎一が主人公です。そしてその続きが『やきもち焼きの恋人』(水のない川Ⅱ)。その次が、今回の『淵になりぬる』(水のない川Ⅲ)となります。
最初は番外編のつもりで書き始めたの慎一くんのお話。書いてるうちにどんどん、思い入れもお話の分量も、番外編じゃなくなってきてしまいまして。。。
じゃあもう、登場人物も時系列も被ってるし、両方とも「聖ステファノ学院シリーズ」にして、続けちゃおう!となったのでした。
ちなみに、学院シリーズの順番としては、『円い夜空』『水のない川』『Paradise lost』『やきもち焼きの恋人』『淵となりぬる』です。
一応、時系列順に(多少は前後しますが)なっているので、この順番で最終巻『淵となりぬる』まで読んでいただければ、ところどころで馨サイドのお話と慎一サイドのお話がリンクしながら、二つの恋が、それぞれの卒業を迎えるまでの物語。となっています。
馨視点・一人称のプラトニックな生徒会学園もの「不眠症のいばら姫」と、三人称・高校生と年上の大人の男との恋愛「水のない川」は、リンクはしつつも別のお話です。
なので、まずは好みのタイプのお話の方を最後まで読んでみる。→なんかもう片方のカップルのお話も気になるなぁ。となったら。→もう片方のお話も読んでみる。
という順番もありかな。と思います。
もし興味を惹かれましたら、↓からどうぞ。unlimitedでも読めます。
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そして淵となるまで
本当なら、聖ステファノ学院シリーズは、いばら姫(馨サイド)と水のない川(慎一サイド)、二冊ずつで終わる予定でした。
「不眠症のいばら姫」に関しては、書き始めた当初から、卒業式まで書いたら完結。と決めていて、ラストシーンも、一話目の「君はロックを聴かない」を書いた時にはもう頭の中にありました。なのでこっちは予定通り、二巻目の「paradise lost」で、最初に思い描いていた通りのラストシーンが書けたかな。と思っています。
が。
「水のない川」は、そう綺麗には終わってくれてなくてですね。。。
実を言うと、「水のない川」は連作短編集のいばら姫と違って、本編は一巻目で完結しているのです。
でも、こちらのお話のラストは、卒業式じゃなくて三年生の九月。――ということは。。。
え、じゃあ、まだ続編書いていいよね? いばら姫はまだ終わってないし。慎一サイドは慎一サイドで、高嶋と両思いになってからのイチャイチャ、書いていいってことだよね? と、欲望の赴くままに続編を書き始めてしまった次第です。
そうして、ちょこちょこ書いていた続編と、書き下ろしの「You are my Valentine.」を収録して、水のない川2『やきもち焼きの恋人』を発行。
――はい、ここで賢明なみなさんはお気付きかと思いますが。
そう、『やきもち焼きの恋人』は、2月のバレンタインデーのお話で終わっているんですね〜。
馨サイドは卒業式まで書いてるのに、慎一サイドはここで終わりなん?
中途半端やのう……。(←関西人ならわかるイントネーションでお読みください)となりますよね、やっぱり。
いや、別にいいんですよ? そもそも『やきもち焼きの恋人』は、作者の自己満的続編集というか、安定のイチャイチャを書きたいだけの欲望充足パートだったし。
一応、王道()男子校もので、生徒会ものでもあった「いばら姫」と違って、「水のない川」は年上の社会人との恋愛だったので、あまり学園もの色は強くなく、「卒業」にこだわる必要はないといえば、ないですし。
でもでもやっぱり、相手が社会人とはいえ、慎一の卒業は一つの区切りとなる重要なシーンだしなー。(←自分が書きたいだけ)
よし、短編でいいし、どっかに卒業のお話は書こう!エブリスタさんと、ここに投稿すればいいし。
と、書き始めてみれば。
せっかくだからあれもこれも、と書きたかったシーンをほぼほぼ全部突っ込んでしまい、気がつけば「花の下」合わせて10万字。……もうこれでKindle本一冊分あるね? と、そのまま発行の運びとなりました。^-^;
ま、何はともあれ、慎一サイドでもようやく卒業まで行き着き、この巻で聖ステファノ学院シリーズは完結となります。これまでお付き合いくださった読者の方々、本当にありがとうございました!
――ただ、ですね。
一つ心残りがありまして。
慎一サイドは、最後まで相変わらずのイチャイチャっぷりなのですが、馨サイドは…………(/ _ ; )
なので、少し先になりますが、いつか社会人編を書きたいな。と思っています。そうして大人になった二人が再会し、その時には彼らなりのハピエンが迎えられたらいいな。と思っています。
となると、そこには当然慎一たちも絡んでくると思いますし、慎一サイドの続編もまたちょろっと書くかもしれません。(書きやすいし、好きなんですよ。このカップル)
そのための布石?的な意味もあって、今回の『淵となりぬる』は、二人のイチャラブシーン以外も割と多めです。おじい様とのお話とか、あと例のアイツが出てきたり。。。
あと生徒会メンバーや長谷川との絡みとか、慎一視点での「paradise lost」とリンクしたシーンもあるので、学園色も今までよりも強めかな。
で、ラストは卒業式の後の。。。(あ、ネタバレしすぎた……)
巻末収録の番外編「花の下」は、初出時(二年前の春に突発で書いた卒業後のお花見編……)のままだと、辻褄が合わないというか足りないので、内容自体は変えずに、「淵となりぬる」に入りきらなかったエピソードを足したりして、加筆修正しています。
ただ、改稿前のお話も、細かい背景が書き込まれてない分、短編としてこれはこれとしてありかな。と思うので、エブリスタさんの方はそのまま残しておきますね。
ちょっとどんな感じが読んでみたい。と興味をお持ちの方がいらっしゃればどうぞ。ネタバレにはなってませんし、本編知らなくても、お花見短編?として楽しめるかも。
タイトルについて
このお話で一応完結だし、最初の「水のない川」と繋がる感じがいいなーと思い、このタイトルになりました。
「水のない川」というタイトルも、古今和歌集の「ことにいでて 言はぬばかりぞ みなせ川 下にかよひて 恋しきものを」の、「みなせ川」からきたタイトルで、今回の「淵となりぬる」は、後撰集の「筑波嶺の 峰より落つる みなの川 恋ぞ積もりて 淵となりぬる」の、結句をそのまま拝借。
この短歌は百人一首にも入ってるので、かなりメジャーな和歌ですよね。
特に下の句の「恋ぞつもりて 淵となりぬる」は誰しもが、なんか聞いたことある〜。となる感じの。
最初は、メジャーすぎるかなぁ。ヒネりが無さすぎるか? とも思ったのですが、内容的には、ドンピシャだし素直に使わせていただくことにしました。
水のない川から始まって、淵になって終わる。というのが良いな、と。
あとはタイトル負けしない内容になっていることを祈るばかりです。
それでは、長々と裏話、というか宣伝(^-^;) にお付き合いいただいてありがとうございます。
もしお読みいただけましたら、ご感想、レビューなどもいただけるととても嬉しいです。
どうぞよろしくお願い致します。(*´꒳`*)
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