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2023/01/07─「変わる」2作品

あけましておめでとうございます。

今年の目標は健康に生きることです。


正月のあいだ、家でゲームをしながらPrime Videoで積んでいた作品を観るなどしていました。

具体的には、「DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT」(以下:デススト)のトロフィー収集をしながら、「ドライブ・マイ・カー」を見たり「ぼっち・ざ・ろっく!」を全話見たりしました。
結果、デスストはトロコンもでき、素敵な作品にも出会えました。

ここでは正月に観た2作品の感想を記しておこうと思います。

※注意※
以下、分析力も考察力も無いため間違っていること、言うまでもないような簡単なことも多数あるかと思いますが、目をつむっていただけると幸いです。
また、他作品含め、ネタバレには配慮せずに書いていますのでご注意ください。


ドライブ・マイ・カー

先に見たのは「ドライブ・マイ・カー」。
アカデミー賞、カンヌなどで受賞もした有名(かつ今更)すぎる作品。

作品で伝えようとするテーマと、そこに至る過程の描き方がかなりよかったです。
おそらくアカデミー賞の「脚本賞」というのも、ここが評価されたのだと思います。違ったら恥ずかしい。

そしてそのテーマは「辛い過去(=大切な存在の死)と向き合う」というもの。
以前みた「すずめの戸締まり」が「ほぼドライブ・マイ・カー」と評されるくらい似たテーマを扱っていたこともあってか、びっくりすることなく正面から受け止められたような気がします。似たシーンもすぐわかった。

妻の死から目を背けていた主人公が、周囲の人々との交流を経て徐々に心を開き、過去と向き合うようになる。

要約してしまえばそんなものかとは思いますが、なんというかその過程がとにかく丁寧に描かれていて、とても引き込まれました。
もともと概要欄などで見られるあらすじに妻を失うことは記載されているのですが、その死まで3時間のうち1時間弱を使っていてびっくりしました。でもそのぶん、その悲しさについてもあまり他人事に感じることなく捉えられたような気がします。

少し余談ですが、以前、物語を類型化した物語論について聞いたことがあります。
うろ覚えですが、以下のような分類がされていたと記憶しています。

大体の物語は「あっち」と「こっち」という2地点を行き来するものと説明ができる。
「こっち」である陸から「あっち」の海に行ってまた帰ってくる浦島太郎のようなもの、「あっち」から「こっち」に来たかぐや姫がまた「あっち」に戻る竹取物語のようなもの、そして、「こっち」である過去の状態から、「あっち」である未来の状態へと変化していくものがある。

それで言うと、「ドライブ・マイ・カー」は、過去から目を背けていた「こっち」の状態から、過去に向き合いちゃんと悲しむ「あっち」の状態に行くと言えそうだと思いました。

こういう変化こそ、色々な物語のストーリー部分で面白がられる理由になるのであって、それがあまり無いものが「日常系」と称されるのだろうと思いました。ソースは自分です。

あと不真面目な感想も言っておくと、この作品は一言で言えば「車とタバコと死とセックスの話」だと思いました。
車とタバコがやたらとカッコよく描かれていて、ちょっと憧れの気持ちが湧いてきたのはたぶん狙い通りだろうし、大体の観客はなってたと思います。
死については言わずもがな。自分が殺したわけではないのに自分に罪悪感を抱いてしまう、とかなかなか描かれることはない感情なのかもしれないと思いました。
あと、冒頭がベッドシーンから始まったり、俳優の高槻耕史が性行為でしか対話できない(誇張してるかも)って言ったり、ドライバーの渡利みさきの母が水商売をしていたことであったり、なんか「性」を色々なところで感じる話だと思いました。

総じて、3時間を全然長く感じない、とても良い作品でした。
あまり爽快な物語ではありませんが、こういった作品からこそ得られる視座はあると思います。


ぼっち・ざ・ろっく!

その次に見たのが「ぼっち・ざ・ろっく!」でした。
もともとなんとなく気にはなっていましたが、絶賛ハマっている友人に「ゆるキャン△、NEW GAME!あたりが好きなら好きだと思う」と言われたこと、佳境だったトロフィー集めのお供として気楽に見られそうだったことをきっかけに見ることにしました。

サイコ~!言いたいこと多ッ

まず言っておくと、自分はリョウやきくりさんみたいなキャラが好きです。
ゆるキャンではしまりん、シャニマスでは浅倉透さんが一番好きなので、なんか理由がわかるような気がします。
6話(初登場回)のきくりさん、ふざけた部分に真面目なところが見え隠れするのが本当に最高。ギターを1日で辞めたって言われて「諦めるのはもったいない」って声色を変えて言ったり、ぼっちちゃんの才能と課題に気づいて文字通り一肌脱いだり、でもバッキバキのスマホを使っていたり。最終話でもあのシーンであんな顔するの、反則

個人的にも、なんとなく調べた評判でも最終話の評判がめちゃくちゃ高いっぽくて、できればネタバレしないで見てほしいっていう気持ちが正直あります。ネタバレしないほうが作品を楽しめそうって人はできれば回れ右をしてPrime Videoなり配信サイトに飛んでいったほうがいいと思います。

あとパロディーの多さ。流石にポプテピピックには及ばないけど、それに匹敵するようなパロディーと、パロディーでなくてもコメディ要素がふんだんに含まれていて、ちゃんと笑いながら見られる作品だったのもよかったです。
真面目/不真面目問わずMADもたくさん作られててうれしい。

そして先述の最終回。

練習の成果か楽しんで演奏できている喜多ちゃんもよかったし、「よくわからないけどすげー」ことをしているぼっちちゃんもよかった。テンパって奇行に走るぼっちちゃんもそれを笑う2人も面白かったし、それに姉妹がそれぞれ引いてるって言われててホントだ~ってなると同時に笑いました。

そしてアジカンのカバー!良すぎる!!!!!
もともと知らない曲だったんですが、最終回の特殊エンディングとして申し分ないエモさを醸成してくれていました。

最後、購入したギターにワクワクする構図は一緒でも、「今日バイトか~」という独り言を言う姿は、氷風呂に浸かっていた最初の頃とは大違い。というのも良かったです。(言われて気づいたけど)


全12話を通して描かれたのは、「成長」という変化だったと思いました。

ぼっちちゃんの根暗な部分は完全には無くなっていないものの、それでも最初のおっかなびっくり行動していた頃に比べるとかなり変化していると思います。
その変化はゆっくりすぎて順番通り見ていてもなかなか気付けない(と自分は思う)のですが、1話と12話を比べると、本当に違いが顕著にわかります。

そして成長したのはぼっちちゃんだけではなく、喜多ちゃんもライブを楽しめるよう成長してきたと感じました。いっぱい練習したんだな~

総じて、ロックとそれを演奏するアーティストが好きになる良い作品でした。来年度の軽音部は安泰でしょうね。


そしてこの2作品……

「ドライブ・マイ・カー」
「ぼっち・ざ・ろっく!」

似てません?字面が。
「自立語・付属語・自立語」っていう属性まで共通しているんですよ。

あと真面目に言うと、周囲の人に触発された結果として変化した様子を描いているところも共通していると思いました。
正直多くの作品に当てはまってしまいそうですが、この変化が魅力的に描かれていた点が、多くの人が惹かれた理由のひとつだと思います。

自分自身、いつもと違うことをするのは抵抗があります。たぶん多くの人がそうなのではないでしょうか。
でもだからこそ、自分と違って「努力 未来 A BEAUTIFUL STAR」できる姿に魅力を感じるのかもしれませんね。

まとめ

「ドライブ・マイ・カー」よかった。見てください。
「ぼっち・ざ・ろっく!」よかった。見てください
アルバム「結束バンド」を聴いてください。

以上です。

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