読書メモ ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか (ディスカヴァー携書)

はじめに

年末年始の休み中に書いたので、だいぶテンションがキマッている。

排ガス規制許せねぇ!

ユーロ5とか許せねぇと憤りのあなた、わかります。
sdgsとか言っているけどどう考えても日本メーカーを狙い打ちにした内容ですねコレは。
ルノーの会長とか思いっきりまた勝てるとか行っているし。
いや、本当に勝てるのか知らんけど。

とはいえ、なんで欧米人は平然とルールを変えるのか? それが許されるのか? 
気になりますねぇ! 
ということで適当に検索してでてきたのが この本。

おーええやん。ということで購入しました。

著者について


元ホンダの営業マンらしい。イギリス、オーストラリアの駐在経験など、各地の販売網を立ち上げた経験あり。
あっちが立ち上がったらこっちも立ち上げて、結構苦労されたらしい。うーん、会社だとよく聞く話。

プリンシプルとルール

世界ではプリンシプルとルールの2つの考えがあり、ルールを作るときはプリンシプルとごった煮にしないことが大事。

プリンシプル→哲学。美学的なもの。「柔道の一本の美しさが~」とかそういう奴。個人、国家、民族によって様々。
ルール→絶対的な法律。ただ、必要に応じて適宜修正を加えるのが一般的。

プリンシプルとルールをごっちゃにしているのが日本。プリンシプルは国や個人によっても考え方が異なるので、コレを他国にもそのまま押しつけることはできない。というか戦争になります。

ルールの変更に対し、日本国民は消極的でお上にお任せするという文化が根強い。
一方欧米人はこのルールの作成、修正に対して積極的になる。

何でルールを変えるのか

この本だと、次の理由でルールが変わるらしい。

①市場の健全化のため。一人勝ちを防ぐため。
例;windows 自動車産業、航空機のボーイング
一人勝ちされると競争原理が働かないので、製品の質がいまいちになる。航空機のシートベルトが2点どめなのはおかしいと著者は言っている。いわく、食いこんで痛いそう

また、スポーツも一人勝ちされるとおもしろくなくなり、エンタメとして成立しなくなる。
柔道や本だのエンジン禁止令等もそれ。

②ルール自体が古い。
→日本だと高速の最高速度制限とか

フェアなルールを作るため、各社、政府等が意見をぶつけて適切なルールを作り、適宜修正を加えるのが大事。程々に喧嘩して、使いやすいルールを作りましょう。

ルールの変更で本当に勝てるの?

ルールを有利なように変えられて悔しい。
実は日本いじめというルールも後で見たら適正なルールにしていただけのケースもある。
また、自分たちが独占したいだけの楽なルールづくりは長い目で見ると自分達の首を絞めるだけになる。
ビッグ3の日本車に対する輸出規制活動。乗用車の競争力を高めることを怠り、結局リーマンの時に破綻。

成功例はハーレー。自分たちの弱点を分析し、ロビー活動で猶予してもらっている間に豊田の看板方式を導入。
生産効率の低下。生産品質の低下。ユーザとのコミュニケーション不足。

ハーレーとビッグ3の違いはルールを変える目標をしっかり設定したこと。当然どちらも時間稼ぎはしていたのだが、その間にハーレーは品質改善等の対策を打った。一方ビッグ3は対策にそこまで本腰を入れなかったせいで、徐々に日本メーカーの現地生産モデルなどにシェアを奪われれ、リーマンショックで大きく破綻した。

じゃあどうしたらいいのさ?


社益と公益を一致させることが大事。
者益だけだと一時の売り上げは上がっても、業界を衰退させる原因になりかねない。
公益だけだと現実味がなく、無理なルールばかりとなる。この落としどころを探すのが大事。

程々にルールがあった方が明確な目標が立てられ、成長の種にもなる。

あと割と理不尽なルール変更は少なくともアメリカと日本の間には起こりづらくなったらしい。日本も倍アメリカン条例を出されるとすぐアメリカ政府に抗議する様になったので。言うこと大事ですね。


最後に

長年の疑問が解決し、非常に勉強になりました。大変おすすめな本ですね。

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