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わたしの10冊

#読んだ本が人間性に影響するらしいのであなた人生のベスト10を教えて
というタグがTwitterで流行っていたので、うちも考えてみた。

『つめたいよるに』江國香織
 センター試験の現代文が江國香織さんの『デューク』だった。高校生までは全然本を読まん子やったので江國香織さんのことも知らんかってんけど、『デューク』がいい話すぎて試験本番中に号泣。うえ〜ん、と泣きながら感情移入どっぷりでセンター試験解いたおかげで現代文は点良かったけど、その後の古文はぼっろぼろやったわ。試験終わったその足で『デューク』を買いに。店員さんがこの文庫の中に入ってると言うんで買ったのが『つめたいよるに』やった。
 『つめたいよるに』は短編集で、短い話がどんどん入れ替わり立ち代わりで入ってくるのがおもしろかった。本っておもしろいねんな、って思うようになったきっかけの一冊です。感謝しかない。

『きいろいゾウ』西加奈子
 大好き西さんの本の中でも一番好きなのはこれ。何回も読んだけど、読み返す度に愛!!って思う。愛って何?って聞かれたら『きいろいゾウ』って答える。もともと結婚願望はあったけど、『きいろいゾウ』を読んでますます結婚したくなったし、ツマとムコさんは永遠に憧れの夫婦やなー。夫婦のはなしなんやけど、愛と言うても夫婦間のことだけじゃなくて、近所に住んでるひとやったり、犬やにわとりやら、すべてに対する愛がある。博愛。

『任意の点P』佐藤雅彦
 眼鏡がついてて、覘いたら立体的に見える。って書くとそれだけ?って思われそうやけど、眼鏡なしで絵を見たときと、眼鏡を覘いて絵を見たときでは、全然違う発見があるように工夫されてあってすごい。よくある風景写真とかやなくて、この本で見られるのはただの立方体が並んでるだけの絵やったりするねんけど、「まさか〜こっちが前に出てくるとは〜!」みたいな裏切りをいっぱいしてくれる。佐藤雅彦さんは、頭いいということの理想形みたいな人やと思ってる。

『ツインクル』冬野さほ
 「かわいい」を絶対的に大好きにさせてくれた漫画。あまりにかわいいのでこういうイラストを描きたいと思ったし、今ちょっと読み返したらうちめっちゃ影響受けてたんちゃうかな……って思う。漫画に出てくるこどもたちがとにかくかわいくて、絵も台詞もコマ割りもフリーダム。アメリカに自由を求める、みたいな感じで、『ツインクル』に自由を求めて読みまくった。

『Instant FUTURE 大阪万博、あるいは1970年の白昼夢』都築響一
 大阪万博の写真集。記録が目的の写真集じゃなくて、1970年の大阪万博という独特の時代性を、特別で不思議で実在したのかどうか怪しい……というような雰囲気の写真と構成でまとめた一冊。高校生のときにNHKでやってた大阪万博の記録映画を見てから万博に夢中になって、本屋さんで見つけて速攻で買った。他にも万博の本あったやろうに、なんでこんな怪しげなやつ買ったんやろ。

『ドラゴンクエストⅣ公式ガイドブック』上巻/世界編・下巻/知識編
 うちはあんまり攻略本を見てゲームやるタイプじゃないねんけど、ドラクエⅣの攻略本だけは大好きやった。特に下巻の知識編。武器や防具、アイテムまでイラストで描いてくれていて、ファミコンでは超荒いドット絵やのに、というか武器防具は画面に反映されへんにも関わらず、ちゃんとイラスト付きで説明があるのがすごすぎやった。まどろみの剣とか!ドラゴンキラーとか!大人になってから懐かしくて古本買い直したはずやのに、どこいったんやろ。

『17歳のヒット・パレード(B面)』伊藤たかみ
 さっき『ツインクル』に自由を求めて……って書いたけど、『ツインクル』が表現的な自由やとしたら、こっちは精神的な自由。若者のロードムービー的な小説なんやけど、この本を読むとどこへでも行ける気分になってしまえるドラッグみたいな一冊。単行本の表紙は薬の写真やしな。社会人になってから読んだんやったと思うけど、これを読むと若さが帰ってくる感じがする。危険。

『小学生日記』hanae*
 華恵さんのエッセイが大好き。エッセイって他人の個人的な話ばっかりで、読んでなにがおもろいねんって思っててんけど、華恵さんは自分をしっかり持ってるけど謙虚なところもあって、まわりに優しくて、でも自分では自分勝手って思ってたりして、そういう人間性に惹かれてるから華恵さんのエッセイが好きなんやと思う。この本は小学生のときに書いた作文らしいねんけど、もう文章が普通におもしろくて、文章力カスのうちとしては衝撃的やった。華恵さんのエッセイみたいに文章書けたらいいのになー。

『かようびのよる』デヴィッド・ウィーズナー
 カエルが好きっていうたら高校の美術の先生が紹介してくれた絵本。絵を描くときの構図の参考になるということで教えてくれてんけど、あまりにかっこよくてウィーズナーの絵本好きになった。うちこどもの頃あんまり絵本とか読んだ記憶なくて、そのくせ絵本は小さい子が読むものっていう思い込みがあってんけど、大きくなってから読む絵本は発見がいっぱいあるな。同じ作家の『3びきのぶたたち』も遊び心がすごいのでおすすめ。

『歌集 男の眼』奥村晃作
 歌集ってめっちゃおもろいやんって思った一冊。歌集を読むことを「勉強になるから」とか「短歌を作るならこの歌人は読んでおくべき」とかいう意見に疑問があって、それを言われる度に歌集というものをうさん臭く思っててんけど、『男の眼』を読んで、歌集だってただの読書でええんやってことがわかった。多分勉強にはならんけど内容がおもしろいし、このおもしろさを表現する手段が短歌であるというのがすごい。奥村さんの歌集全部読みたいなー。

なんか大切な本を忘れてる気がしないでもないけど、とりあえずこの10冊で!

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