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タイでの営業リード(見込み客)の獲得マニュアル

タイで自社製品を売りたいときの「営業リードの獲得方法」を公開します。

B2Bの場合

①タイ商務省(DBD)のデータベースで企業検索する

タイでは株式会社であれば、上場・非上場の別を問わず、決算書・取締役名簿・株主構成が公開されています。

👉https://datawarehouse.dbd.go.th

売込み先となる企業の「業種」「キーワード」でデータベース検索をして、対象企業をソートしてください。

検索ワードは、タイ語または英語が使用可です。

営業リードのリストを作成する際は、Googleスプレッドシートの利用が便利です。

【リスト項目】
✅検索ワード
✅企業名
✅Registered No
✅所在地(県名)
✅設立年
✅直近売上高
✅所在地(詳細)
✅電話番号

をDBDデータベースから転記します。

「Registered No」は登記番号で、Tax IDと共通です。

該当企業を見つけた際の「検索ワード」も記録しておくと、あとあと便利です。

さらに、Google検索でホームページを探して、
✅ホームページのURL
✅企業概要
✅会社ロゴ(画像)
✅Eメールアドレス

もリストに転記(貼り付け)しておきます。

中小企業では、Facebookページをホームページ代わりにしている会社も多いです。

SNS経由の方が連絡しやすい場合もありますから、SNSアカウントもメモしておきましょう。

✅SNSアカウント

売込み先の優先順位は、やはり「直近売上高」が重要となります。

売込み先候補を絞ったら、実際に電話をかけてみます。

(Eメールでもよいのですが、反応がにぶいことが多いです)

担当者に取り次いでもらい、売込みが可能かを確認します。

たとえば、「系列取引しかしておらず、外部からは仕入れない」といったケースは諦めます。

電話をしたら、

✅担当者の名前(ニックネーム)
✅担当者の連絡先(LINE)
✅担当者の対応言語

をリストに追加しておきます。

「担当者の連絡先(LINE)」というのは、タイでは会社のメールアドレスではなく、担当者の個人用LINEで直接やりとりすることが多いからです。

英語や日本語のわかるスタッフの名前を聞いておけば、さらに心強いでしょう。

②話好きの担当者から話を聞く

前述で電話した担当者が話好きで、こちらの相談に乗ってくれた、ということは、タイではしばしばあります。

「こういう製品をタイで売りたいんだけど‥‥」と訊いてみると、思わぬ情報を教えてくれるものです。

ときには、売込み先として、競合他社の情報を教えてくれることさえあります。

さすがは「ナムジャイ」(人情)の国ですね。

電話をかける人の話術や人間力が要求される調査方法です。

(当然ながら、レギュレーションの厳しい大企業にはまったく通用しません)

③競合他社のツイッターを見る

タイで競合となる企業のツイッターアカウントの「フォロー」と「フォロワー」を見てください。

フォロー:競合企業が売込みたい相手
フォロワー:競合企業に興味を持っている人

である公算が大です。

法人であれば、前述の①の方法で、DBDデータベースから企業情報を収集してください。

競合研究は、営業の出発点です。

着眼点は、競合企業の

✅ターゲット
✅差別化ポイント
✅ドル箱製品


となります。

④Google検索する

DBDデータベース検索の補完手段として行います。

DBD検索だけでは、どうしても漏れが生じてしまうので、取りこぼしをGoogle検索で拾うわけです。

「検索ワード」の記録をお忘れなく。

⑤輸入卸のカタログに載せてもらう

リスト作成をすっ飛ばした、手っ取り早い売込み方法です。

いきなりタイマーケットの土俵に上がることができます。

これで結構売れてしまうのが人生(笑)

輸入卸を探す際は、やはりDBDデータベース検索が有効です。

輸入卸には日系とローカルがあります。

⑥ローカルの業界誌を研究する

タイローカルの業界誌で、競合他社の広告を見つけたら、しめたもの。

競合の売り方(プライシングやオファー、セリングメッセージ等)を、じっくり研究しましょう。

⑦日本語フリーペーパーを研究する

売込み先が「在タイの日系企業」に絞られてしまいますが、B2B案件の広告も結構見かけます。

PDFやKindleなどで、全誌面をオンラインで読めるフリーペーパーも多いですので、一通り目を通しておきましょう。

👉https://www.wisebk.com/magazine/

⑧工業団地の管理事務所を訪問する

売込み先が工場の場合、工業団地は得意先候補の密集地帯といえます。

管理事務所に行って、売込み可能な工場を教えてもらいましょう。

管理事務所では、基本的に何でも教えてくれますが、多少の人間力は必要になるかもしれません。

あとは、工業団地内の売込み先を、ローラー作戦で1軒ずつ回ります。

タイでは「水をぶっかけられてでも売る」というような根性論が、まだまだ通用します。

まれに工業団地の「工場リスト」の電子ファイルが手に入ることもあります。

その場合、工業団地内で『得意先向けセミナー』(ランチまたはティータイム付き)を開催して、招待状をEメールアドレスに一斉送信すれば、結構人が集まります。

⑨展示会に出展する

日系企業の「タイ入門」として、長らく定番となってきた方法です。

現地の人脈づくりなどの副次的効果も含めて、その費用対効果には賛否両論があります。

⑩飲みにケーション

1つ得意先が獲得できたら、先方の担当者と一緒に飲みに行きます。

タイ初心者の頃は、貴重な情報源になります。

⑪アリババに出品する

実は、アリババは、タイにおける最大のB2Bマッチングサイトとして機能しています。

自社製品をアリババに出品してみましょう。

B2Cの場合

⑫LAZADAに出品する

B2Cであれば、アリババよりもLAZADAの方がよいです(同系列ですが)。

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