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ゴートフォーマット(当時のTCG)ルールと日本(0409~0503)ルールとの相違点

はじめに

こちらはオンラインではなく、紙(リアルカード)を用いたゲートボール及び、そのイベント時におけるルールについて記載します。

最初に触れておきたいのが、ゴートフォーマット(以下GF)の基本的なルールの80%は、日本の当時のOCGルール(0409~0503)と同じであるという事です。(起動効果の優先権等)

過去環境ゲードボールに触れた事のある方であれば、基本的には問題なくプレイ出来るフォーマットです。ご安心ください。

残りの20%程度の、日本の0409・0503環境との差異に関して、下記で詳しく解説致します。

何故下記のような日本(OCG)と異なる処理になるのかというと、当時は 悪名高き海外販路を司るアッパー〇ック社がずさんと言わざるを得ないルール管理を行っており、細かな点で日本とのルール共有が出来ておらず、このような処理・ルールで行っていたからとしか言えません。

そしてGFのルール制定をしたプレイヤー達が、我々ゲートボール民と同様、当時のルールを重んじる方達であった為、このようなTCGの当時の処理をフォーマット上で定めたそうです。

GF解説サイト

https://ygoldschool.com

───遊戯王オールドスクール  メタポch様より

GF公式サイト(翻訳閲覧推奨)

GF使用可能カードプールについて

カードプール一覧・禁止制限リスト

※海外型番の為、参照時注意してください

使用不可のカード一覧

0503formatと異なり
CRVのカードが全て使用不可です
0503においては使用可能も、GFでは使えないカード
※採用が検討されうるものから抜粋した為、これ以外にも多数あり

より詳しく知りたい方は、カルピスさん作成のこちらの記事をご参照ください。リンクもあり、とてもわかりやすい記事となっています。

相違点一覧

①メインデッキ及び融合デッキの枚数について

本家のGFにおいては、双方のデッキ枚数が無制限の、当時を尊重したルールが採用されています。

しかしながら、運営の管理や円滑なイベント進行の都合上、日本でのイベントの際は
⇒メインデッキ40枚以上60枚以下
⇒融合(エクストラ)デッキ0~15枚以下
が望ましいでしょう。

筆者(さばえ)主催イベント時は上記の対応と定めます。

②サーチ効果の空打ち可能

《サンダードラゴン》《増援》等の空打ちが可能です。

その場合、デッキを確認後、相手に対象不在の事を伝え、双方のプレイヤーどちらかが望めばデッキをシャッフルします。
※この際、デッキの確認は基本的に行いません。また、相手プレイヤーが同意すればシャッフルは省略しても構いません。

このルールに抵触するのはサーチ効果のみであり、《神秘の代行者ヴィーナス》等の特殊召喚効果は、対象がデッキ内に存在しない場合は発動出来ません。

空打ち不可の原則のある日本のルールに馴染みのあるプレイヤーは少し混乱するかも知れません。

《増援》の空打ちが有利に働く事は殆ど無いでしょうが、《サンダードラゴン》の効果をメインフェイズ中の任意のタイミングで手札から切り、墓地に光闇を揃えるプレイはわりと頻出しますので覚えておきましょう。

③攻撃力0同士の戦闘

日本の裁定においては、攻撃表示の攻撃力0同士が戦闘を行っても、過去から現在まで、双方戦闘破壊されません。

しかしながらGFにおいては、攻撃力0同士で戦闘を行った場合、双方戦闘破壊されます。
※片方が守備表示の場合はこの限りではありません。

《強制転移》で羊トークンを攻撃表示で相手に送り付けた際など、ごく稀に発生します。その場合、自分フィールド上の別の羊トークンも攻撃表示に変更し、相殺した方が良い場面もあるでしょう。

④モンスターを装備するモンスターの弱体化

主に《サクリファイス》《サウザンドアイズサクリファイス》が該当します。

これらのモンスターは、通常であれば特殊召喚成功時には即優先権を使い、相手に妨害されたとしても相手モンスターをすぐに吸収し1アドバンテージ確定させるのが日本でのセオリーです。

※日本並びに現行のルールにおいては、召喚無効を除き、何らかの妨害を受けた場合でも、効果処理時の《サクリファイスモンスター》の状態や場所に問わず1度行使した効果は誘発します。

効果処理時に《サクリファイスモンスター》が裏側になっていた場合や、破壊されていた場合は装備対象不適切となり、吸収モンスターは墓地へ行くのが当時から現代に至るまでの日本での処理です。※最低1アドバンテージ獲得

GFでは、優先権で効果使用こそ可能ですが、《サクリファイスモンスター》が相手モンスターに吸収効果を使用した際、その効果を発動した《サクリファイス》《サウザンドアイズサクリファイス》が効果処理時にフィールド上に表側表示で存在しなければ、装備という行為そのものが不可能という裁定が当時出ており、その吸収効果は不発となります。

つまり、《サクリファイスモンスター》の効果起動に対し、チェーン《月の書》《サンダーブレイク》《強制脱出装置》等により、間接的に吸収効果を無効にする事が出来ます。

《サクリファイスモンスター》を使うプレイヤーにおいては、かなりの手痛い弱体化といえるでしょう。

⑤表示形式変更における召喚酔い無効が起こりうる

いきなり何を言ってるんだ、という話ですが、ここで言う『召喚酔い』とは、遊戯王の大原則における、モンスターを通常召喚・セット・反転召喚・特殊召喚した同一ターン中は何らかの効果を使わない限り、表示形式は変更出来ないこと、を指しています。他TCGにおける攻撃が行えない事ではありません。

GFにおいては、ここに奇妙な例外ルールが存在します。

自分のターン中に、何らかの効果によって相手が自身のフィールド上に特殊召喚したモンスターには、同一ターン中に、自分にも隠された表示形式の変更権が存在します。

再び、何を言ってるんだ、というお話ですが、具体例を上げて説明します。

ターンプレイヤーA
非ターンプレイヤーB

例❶
A:《サイクロン》発動。
B:チェーン《スケープゴート》発動。チェーンなければ処理し、羊トークンを4体守備表示で特殊召喚。
A:チェーンなし。処理後、《強奪》発動。対象羊トークン。
A:奪った相手の羊トークンを攻撃表示に変更。

例❷
A:《浅すぎた墓穴》を発動。自分の墓地から《青眼の白龍》を裏側守備表示で特殊召喚。Bさんも何か選択してください。
B:《聖なる魔術師》を選択します。裏側守備表示で特殊召喚します。
A:それでは処理後、《精神操作》発動。今裏側守備表示で特殊召喚された《聖なる魔術師》を選択。コントロールを奪います。
A:そのまま反転召喚。効果発動。

この2例がまかり通ります。目にするケースは稀だと思いますが、実に奇妙な処理となります。覚えておきましょう。

ちなみに、相手のカードによって特殊召喚が行われるカードに《おジャマトリオ》がありますが、こちらは初めから自分フィールド上に特殊召喚されるため、その時点で表示形式が固定されるため、同一ターン中に表示形式変更権は行使できません。

あくまでも
❶自分のターン中
❷自分・相手の使用したカード関わらず、相手フィールド上にモンスターが特殊召喚される
❸そのモンスターのコントロールを得る
上記三点を満たした場合に限定されます。

⑥ダメージステップ

現在の遊戯王及び日本の0503フォーマット等では、ダメージステップの「ダメージ計算前」に無制限にチェーンを発動することができます。(1つのチェーンブロックを処理した後、再び別のカードを別のチェーンブロックで発動・処理が出来る)


A:モンスターで攻撃時、ダメージ計算前、自分モンスターを対象に《突進》発動。
B:チェーン《神の宣告》。無効で。
A:処理後にもう1枚《突進》発動。
B:チェーンありません。

上記の例は全て同一のダメージ計算前に行われます。

これらのチェーンは通常、モンスターの攻撃力や守備力を変化させる「スペルスピード2」の効果を含んでいます。

GFでは、まずダメージ計算の前ではなく、ダメージ計算の間に攻守増減効果を発動しなければなりません。

つまりダメージステップのカード発動タイミングが、従来の『ダメージステップ入ります。ダメージ計算前、〇〇発動!』から『ダメージステップ入ります。ダメージ計算時、〇〇発動!』となります。
細かな宣言の違いとなりますが、カジュアルイベントではこちらは大きな問題ではありません。

1番重要な点が、ダメージ計算中に発生するチェーンは原則1つだけとなっていることです。
※ただし、チェーンの解決によって他の効果が誘発する場合を除きます。

したがって、モンスターの攻撃力を増減させるスペルスピード2の効果がカウンター罠によって無効化された場合、その増減スペルをプレイしたプレイヤーは、スペルスピード2の効果をさらに発動する機会を失います。

上記の《突進》の例ですと、ターンプレイヤーAは2枚目の《突進》を発動するタイミングを失います。その為、元々相手モンスターの攻撃力の方が高ければ、例え2枚目以降の《突進》を持っていても、発動タイミングを失い、自爆特攻という形になってしまいます。

その為、従来よりも、GFではダメージステップにおけるカウンター罠のバリューが高くなっているといえるでしょう。

⑦手札とデッキの確認について

一般的なゲートボールにおいては、《マインドクラッシュ》や《撲滅・抹殺の使徒》によって効果処理を行う際、公開エリア情報や禁止・制限リストの知識等から、正しく解決されたかどうかを確認するのに十分な情報がある場合でも、正しく解決されたかどうかを確認するために手札やデッキを公開する必要がある効果は常に双方のプレイヤーが確認して処理を行います。(ピーピング)

対して、基本的にGFはPC上のオンラインで行われています。
その為、後でリプレイ等で不正が無いかの確認が出来たり、スクリーンショットで相手の1度公開した情報を全て保存するといった荒技が存在するため、ピーピング効果発動時、その処理を相手プレイヤーの良心に委ね、正しく解決されている前提で、相手の情報を確認しない事が一般的となっています。

紙で行う場合は、基本的に主催や当日のジャッジの指示に従うのが良さそうです。

筆者は1度GFの大会を開いてみて、ワンキル等が困難な分プレイング介入の幅が大きく、裏を返せば思考時間・試合時間がかなり間延びしやすい印象を受けました。

少しでも時間短縮に繋がるような働きかけは行うべきという意見も聞かれた為、こうした相手プレイヤーの非公開領域で何らかの処理を行うカードは、本家GF同様、反則行為は無い前提で、一律で対戦相手の処理に任せる事も検討出来るかと思います。

※日本でも2016年以降は、《マインドクラッシュ》なども事実上ピーピング不可、あるいは対戦相手と協議を行い処理をする裁定へと変わっています。

※《撲滅・抹殺の使徒》はカードテキストに『デッキの確認』の処理までが明記されている為、効果の続行を何処まで行うかは賛否両論あります。

⑧《王宮の弾圧》等の任意の起動系効果を持つ永続罠における先張りの原則

リアルアラサー杯及びその関連イベントにおいては、これらのカードは処理が非常に難しく、当時の裁定もかなり揺れており照合困難な為、特例で現代遊戯王の裁定を活用しています。

その為、《王宮の弾圧》においては、セット状態から相手の特殊召喚及びそれを含む効果発動時、チェーンして表にし、同時に800ライフポイントを払う事で無効にする事が出来ます。
※起動効果系の永続罠はルール上、効果を使用せずともチェーンしてカードの発動のみ行うことが出来ます。

しかしながらGFでは、現在の遊戯王とは異なり、起動系効果を持つ永続罠は、表向きにしたタイミングで、同時に起動系効果を使用することはできません。

その為《王宮の弾圧》や《血の代償》《死霊の巣》といったカードは、セット状態からでは、モンスター特殊召喚時や、特殊召喚効果にチェーン発動して表にしても、その効果自体を発動できません。
その場合、初回はただ表になるだけです。

既に表側表示であらかじめ存在していた場合のみ、初めて改めてチェーンして効果を使用できるようになります。※見えていないのが強いカード達なので、かなり弱体化といえます。

一度表側表示となった後は、基本的には日本同様に使用することが可能です。

⑨《サイバーポッド》の効果が不発になることが稀にある

このカードも稀に特殊な挙動があります。

再録時にテキスト整備され、効果欄に『その後』という一文が追加されました。(エラッタではありません)

下記Q&Aをご参照ください。

Q:このカードの反転召喚時の効果発動にチェーンして、《激流葬》を発動しました。これにより、逆順処理でフィールド上のモンスターが全て破壊され、このカードの一連の効果に見える『フィールド上のモンスターを全て破壊する。その後~』の前提条件をクリア出来ませんでした。この場合、その後の処理は行いますか?

A:遊んでいるフォーマットや時代により異なります。

▶2005年9月以前のフォーマット
⇒前提条件のクリアの有無に関わらず、通常通り処理を行います。よって《激流葬》の発動は無意味です。
※その後は2006年3月より禁止カードとなった為割愛。

▶Goatformat・現代遊戯王⇒
『その後』の一文は一連の効果と見なされます。
効果解決時に《サイバーポッド》自身も含めて、1枚以上このカードの効果によってフィールド上のモンスターが破壊されなければ、その後の処理は行えません。

よって《激流葬》や、(フィールド上にサイバーポッド単体しか存在しない状態での反転召喚時の)《強制脱出装置》による《サイバーポッド》対象等のチェーン発動で、効果処理時にフィールド上にモンスターが一体も居なくなる為、間接的に無効にする事が出来ます。

終わりに

海外発祥のフォーマットであり、筆者・主催のさばえも100%の制度で理解しているわけではありませんが、ある程度は把握しております。

カードプールの確認や、不明点のあれこれなどありましたら、どうぞお気軽にいつでもXの方へDMやリプライくださいませ。

有識者各位
間違っている所や追加事項ありましたら優しく教えて頂ければ幸いですm(_ _)m

さばえ

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