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『FINAL FANTASY XVI』人が人として生きられる場所を作る前に※ネタバレあり

遊んでいる間の巨大な違和感

2023年6月12日に全世界同時発売となった「ファイナルファンタジー16」。正直全く遊ぶつもりはなかったが、コンバットディレクターがデビルメイクライシリーズなどを手掛けていた鈴木良太さんということを発売二日後ぐらいに知り、DMC5が大変好きなため、それは買うしかない!走って!と周回遅れで購入。それから何だかんだと文句をダラダラ言いつつ、一週目メインストーリーをようやくクリアした。そしてあまりにも巨大な違和感、文句、モヤモヤが渦巻いているため、ここに吐き出しておく。というわけで、文句ばっかです。よろしく!

終焉に向かう大地「ヴァリスゼア」
唯一の加護は「マザークリスタル」
ヴァリスゼアに生きる人々はクリスタルから供給されるエーテルにより魔法を生み出し、
日々の暮らしを成り立たせていた
しかし、限りあるその加護は国家による奪い合いも生み出した……
各国はマザークリスタルを求め、
召喚獣の力とその力を宿す「ドミナント」を使役し戦を始める
ロザリア公国の第一王子「クライヴ・ロズフィールド」もまた、
マザークリスタルをめぐる戦乱へと巻き込まれるのであった
過酷な運命を背負ったクライヴは、やがて世界の真相を知り、
マザークリスタルの破壊を目指していくことになる……

『FINAL FANTASY XV』公式サイトより

ストーリー概略

物語の舞台はヴァリスゼアと呼ばれる架空の大陸。そこではマザークリスタルと呼ばれる巨大なクリスタルが大陸全土に5つ存在し、そのクリスタルから供給されるエーテルと呼ばれるエネルギーを使用し、様々な魔法が人々の生活レベルにまで浸透していた。魔法を一般の人が行使するためには、小さなクリスタルを携帯し、消費する必要がある。
また、生まれながらにクリスタル無しに行使できる人々が存在する。その人々は顔に刻印をつけられ『ベアラー』と呼ばれる奴隷階級として、文字通り道具のように扱われている。これはヴァリスゼア全土に存在する全ての国で協定が結ばれており、どの国で生まれても速やかに管理され、全く同じ刻印がなされる。
ヴァリスゼアは東西に風の大陸と灰の大陸に分かれており、風の大陸には主にロザリア公国・鉄王国・ダルメキア共和国・ザンブレク皇国の4つの国と、クリスタル自治領と呼ばれる中立地帯が存在する。灰の大陸はウォールード王国の一国のみ。現在は大地が黒く変色し、その場所では一切の魔法が使役できなくなる<黒の一帯>という現象がいたるところで発生しており、かつマザークリスタルの付近では黒の一帯が発生しづらいということもあり、戦火が激化しつつあった。
現在のヴァリスゼアの戦争は現実の世界で言えば、中世ヨーロッパの甲冑を身にまとい、剣や槍、斧で武装して馬を駆け、一団と一団がぶつかり合うような戦闘が一般的だが、そこに魔法も加わる。しかし、一番の勝敗を決める要素は、『ドミナント』と呼ばれる、『召喚獣』という巨大なモンスターや騎士に顕現できる存在である。ドミナントの扱いは各国によって異なり、権力を握る者もいれば、権力者の傀儡となる者、ベアラーと同じく奴隷として扱われている者もいる。ドミナントもベアラーと同様、生まれながらにしてドミナントであり、その出生の多くは謎である。

今作の主役であるクライヴ・ロズフィールドは、ロザリア公国の第一王子として生まれたものの、ロザリア公国の王の血筋に長年生まれるフェニックスの力を有していたのは、病弱な身体のクライヴの弟・ジョシュアであった。そのことで自身も劣等感を感じており、ドミナントに生まれなかったというだけで、実母であるアナベラはクライヴの存在を認めず、ジョシュアを溺愛している。しかし、フェニックスのナイトとしてジョシュアから祝福を受けており、その力の一部を使役できる。それもあってかクライヴは剣の修行に日々勤しんでおり、王である父親を始め、ジョシュアとも仲が良く、ロザリア公国に和平の証として実質人質として送られた北部一族の娘、ジルもまた本当の家族の一員のように過ごしていた。頼もしい犬(狼?)であるトルガルは最高の相棒だ。
そんな中、鉄王国との本格的な戦争を前に、フェニックスゲートと呼ばれる場所で宴が行われた後、謎の一団に襲撃を受け、父親・エルウィン王は死亡、そのショックで暴走したジョシュアがフェニックスへと顕現、またそこに現れた謎の召喚獣イフリートとの激しい戦いの末、フェニックスはイフリートに倒される。それを眺めることしかできなかったクライヴは、弟を失った後悔とイフリートのドミナントの殺害を胸に誓う。謎の襲撃者は、実母であるアナベラが手引きしたザンブレイク皇国軍であった。クライヴはそこでザンブレイク皇国に捕まり、ベアラーの刻印をつけられ、暗殺部隊として、13年の月日を過ごす……

〈以降は製品版の結末に至るネタバレをしています。注意〉

その後クライヴは、同じく13年前の事件をきっかけに召喚獣シヴァのドミナントとして覚醒し、鉄王国に奴隷として扱われていたジルと再会、ベアラーを保護し『人が人として死ねる場所』を作ろうとしている召喚獣ラムゥのドミナント・シドと出会う。
風の召喚獣・ガルーダの力を吸収したことをきっかけに、自分自身が憎き仇のイフリートであるという真実を知り、深い絶望に苛まれ、そこから自身がイフリートのドミナントであるということ、弟を殺したことを受け入れ、シドの『人が人として死ねる場所』という考え方に影響を受け、『人が人として生きられる場所』を作ろうと奮闘することを決意する。
その方法として、シドが長年考えていた、黒の一帯の原因はマザークリスタルにあり、マザークリスタルを全て破壊すれば、黒の一帯の進行は止まるという計画に協力することになる。それは、同時に世界から魔法がなくなるということを意味するが、ヴァリスゼアが死の大地と化すことを阻止し、戦乱の原因も消える……
ドレイクヘッドと呼ばれるマザークリスタルを破壊するため、所有国であるザンブレイク皇国に潜入したクライヴ・ジル・シドの三人。まんまとドレイクヘッドの破壊に成功したと思ったのも束の間、謎の存在アルテマが突如出現。アルテマの狙いはクレイヴの特異な召喚獣を吸収するその身体のようで、クライヴをミュトスと呼ぶ。シドはアルテマにより殺害される。シドからラムゥの力を託されつつ、全く歯が立たないアルテマに対し、死を覚悟した二人だったが、死んだと思われていたジョシュアが成長した姿で現れ、アルテマをフェニックスの力でジョシュア自身の体に封印する。ジルは既に気を失い、クライヴもまた意識が途切れゆく中、成長した弟の姿を確かに見る……

それから5年の月日が流れ、クライヴはシドの名を継ぎ、二代目シドとしてマザークリスタルを破壊した大罪人としてその名を世界に知らしめていた。タイタンのドミナントに急襲されたシドのアジトも場所を変え、今や一つの組織となり、「人が人として生きられる場所」を作るため、二つ目以降のマザークリスタルの破壊に取り掛かろうとしていた。そして、弟・ジョシュアとの再会も期待していた。また、ベアラーの刻印は、特殊な死の危険を伴う手術により、ただの傷跡と化していた。

次々とマザークリスタルを破壊していく中で、タイタンのドミナント・裏切った母との決着、ジョシュアとの再会、バハムートのドミナントとの死闘、ジルとの恋仲の発展とシヴァの力の譲渡、オーディンのドミナントの圧倒的な強さの前に1度は敗北するも、最終的に勝利するなど、数々の戦いと仲間との絆を通して、成長していくクライヴ。

物語も佳境となり、アルテマがこの地にマザークリスタルをもたらした存在であり、そのアルテマも黒の一帯の脅威からは逃れられず、自身によく似た存在である人間を作り出し、その中から召喚獣全ての力を吸収したクライヴ=ミュトスが現れることを長い間待ち望んでいたこと、ミュトスが完成した暁には、全てのマザークリスタルのエーテルを自身に戻し、ミュトスの身体と一体となり、究極魔法をもってこの不完全な世を作り変え、創世を成すことが目的だったことがわかる。

また、マザークリスタルの正体が、アルテマの同胞であり、マザークリスタルの破壊もアルテマの計画の内だったとわかる。つまり、ジョシュアが封印したアルテマもまたアルテマの同胞だった。すべてのアルテマの同胞がアルテマと一つとなる中で、ジョシュアは完全に封印を破られ、クライヴにフェニックスの力を完全に譲渡し、死亡する。

クライヴは号泣するが、心は全く折れない。完全体となったクライヴとアルテマは激しくぶつかり合い、クライヴは完全にアルテマを凌駕する。アルテマを倒したクライヴは、吸収したアルテマの力を持って、アルテマが作った世の〈理〉を破壊し、打ち捨てられた海岸で、月を眺めながら力尽きる。その同じ月をジルもまた眺めており、クライヴがこの世にいないことを悟り、涙を流す。

エンディング後、どこかの牧歌的な森の中の家で、幼い子供の兄と弟が遊んでいる。兄が母親に火おこしを頼まれ、中々つかない火をみて、こんなとき魔法があればと嘆く。母親はそれは大昔の話だ、またあの本を読んだのかと返す。火をおこした兄は、弟と召喚獣ごっこに興じる。フェニックス、イフリートとという単語が飛び交う中、家の中にはジョシュアが著作の本「ファイナルファンタジー」が置いてあった……

どうしても呑み込めない二つの設定

上記が超ざっくりとした『ファイナルファンタジー16』(以下FF16)のストーリーだが、あまりにも超ざっくりとしている反面、やたら細かいとこは細かい概略となっているように思うが、まさにその感覚がFF16を遊んでいるものだった。説明してほしいところはどうにも吞み込めない話で押し切られ、そのほかの設定は本当に細かい……このアンバランスさが、FF16という作品の全体的な印象だ。

細かい設定は、今回語り部と呼ばれるキャラクターに話すことで、メインストーリーに入りきらない膨大な設定を閲覧することができて、そこでいくらでも見ることができる。ムービー中も「アクティブタイムロア」と呼ばれる、そのムービー中に関連のあるワードや人物の解説がすぐに見れるというシステムが存在し、確かにこれは、特にお話の全体を掴めていない序盤などは重宝した。また、中盤からは現在の世界の情勢を説明してくれるキャラクターも登場し、人物相関図なども見せてくれるし、敵の船がどのような動きをしたかまで、事細かに説明してくれることもあった。これは全て、絶対にストーリーをクリアしてほしい、という作り手の気持ちの表れに他ならない。現に、各所のインタビューでとにかく、ストーリーに自信があり、ビデオゲーム初心者でも必ずクリアできるような難易度調整がされていると発言されている。
その点に関しては素直にグッとくるところだ。しかし、問題のストーリーの設定で、どうしても吞み込めない点が2点ある。その前に、その他細かい首をかしげる点を先に挙げておけば、
・生きていたジョシュアがクライヴに接触してこなかった理由がよくわからない
・全てを知っているような雰囲気だったジョシュアが、いざ会って話してみれば殆ど何も知らなかったこと
・サブクエストの順番によってはパーティーに存在する仲間がいたり、いなかったりすることが非常に不自然に感じる瞬間が多い。
・ドミナントから召喚獣に顕現するためのルールなどがふんわりとしているため、いまいち盛り上がりに欠ける。召喚獣戦の映像や演出は凄い。
・魔法を酷使しすぎたベアラーやドミナントに石化が進むというが、これもどのくらい使用すればどれくらい石化が進んだり、どういう治療をすれば進行を遅らせられるかなどが、主にサブクエストのテキストでしか薄く言及されず納得しづらい
……等々が挙げられるが、この辺は根幹のストーリーにさえ乗れていれば、ささいなことだと処理できたかもしれない。しかし、下記の2点については完全に描写不足、説明不足だと思った。

・マザークリスタル破壊という大罪を犯したことによる影響の描写不足
一点目として挙げられるのは、マザークリスタル破壊というクライヴの序盤以降の目的に対する、納得のしづらさである。そもそもマザークリスタルを破壊すれば、黒の一帯の進行が止まる、という根拠は初代シドが長年調べてきた、ということだけが根拠である。これは流石に根拠薄弱としか言いようが無いが、この点についてはジルからも言及があり、それでもシドを信じるかどうか、というお話の起点になっていると思うので、そこは吞み込んだ。

しかし、そもそもマザークリスタルと人々の生活の関係が、テキストベースだけで描写不足であり、具体的にどのようにマザークリスタルから人々が使用する小さなクリスタルにまで運用が為されるのか、あるいはもっと違う形でエーテルが流通しているのか、という説明が無さすぎるため、どうにもマザークリスタルを破壊すること=大罪という感じがしない。これは大きな問題だと思う。
特に、最初のマザークリスタルを破壊したのち、5年の月日が流れるが、それによって、ザンブレイク皇国はエーテルが枯渇し、地獄と化しているはずだ。最低でもそのあたりの描写だけでもされていれば、クライヴがやったことが大罪である、ということが利いてストーリーに重みが出たのではないかと思う。現状だと、とても世界の大罪人には見えず、一面的なヒーローにしか見えない。或いは、あまりに生々しい描写を入れてしまうと、大きな目的のためには犠牲も仕方がない、という点が前面に出てしまうため、あえてその辺りを描いていないのかもしれないと邪推してしまう。そうだと仮定すれば、それはかなり卑怯な手段だと思う。そうではなく、単に描写不足だとすれば、やはり世界が薄っぺらく見えてしまう。いずれにせよ、ここの描写はストーリーの大きな核を担う部分なので、しっかりと描写して欲しかった。

・「ベアラー」を通して描かれる、「差別」に対する描写・考え方
もう一点は、「ベアラー」と呼ばれる、生まれながらにクリスタルを使用しないで魔法が使えるため、差別を受けている人々の描写である。結論として、あまりに差別ということに対して不誠実ではないかと思った。
まず第一として、5年の月日が経ち、自身の組織を大きく拡大させたクライヴの頬には傷跡があり、ベアラーの刻印は消えていた、という描写が最初に提示されたとき、悪い意味の驚きがあった。もしその刻印が消せるものなら、本当に多くのベアラー達が刻印を消しに走り、頬に傷のある人々ということで、また一つの差別が生まれているのではないかと思ったが、その後、ベアラーの刻印を消す手術は材料が稀少で高い技術を要し、死を伴う危険なものだという説明があった。本当に多少ではあるがフォローがあったことで安心はしたものの、それにしてもやはりまた別の社会問題が生まれているはずではないかと思った。
ベアラーの刻印を消す材料は闇市で高値で取引され、手術を行う闇医者が存在し、死を厭わないベアラーが少なからずいて、頬に傷跡がある人については、ある種の緊張感が走る……少なくともこの設定と題材ならば、それくらいの描写を行わなければ、不誠実だと感じた。基本的に差別とは、絶対に変えられない/変えるのが困難な、その人が望む望まないに関わらず、生まれ持った属性によるものが大半だ。それを手術をしたから行動範囲が増えた、ありがとうと言ってただの設定として流すことは、「差別」自体の矮小化に繋がると思う。それは絶対にあってはならないと思う。

ベアラー関連の描写は細かいところでも首をかしげることが多いが、遊んでいて一番酷いなと思った描写は、このサブクエストの顛末だ。

このサブクエスト、「茨根ざす砂原 後編」は、「茨根ざす砂原 前編」に続く、終盤のサブクエストだ。それまでメインストーリーで協力してくれた各所に存在するキャラクター達の根幹に関わるようなお話が、終盤のサブクエストでは展開される。
ダルメキア共和国のダリミル宿場を裏で監視し、守る役目を果たしていた砂漠の耳《ルジェナ・ダリミル》ことルボルのエピソードが展開される。それまで、野盗に対する対応の仕方を巡り、ダリミル宿場が支援団と自警団をという形で二分した際、クライヴの力も借りて仲介役を果たした、というようなお話が展開されていた。
しかし、ルボルが刻印の無いベアラーだったことが発覚し、一転して宿場の大人たちから差別的な扱いを受け、宿場を出ようと決意したのが「茨根ざす砂原 前編」の内容だ。
「茨根ざす砂原 後編」では、再び宿場近くに魔物が出現したことをルボルがいち早く知り、宿場の人間に避難を呼びかけるも、ベアラーが何を言っている、といった調子で全く耳を貸す大人がおらず、それでも必死に呼びかけるルボルに対し、物理的に石まで投げる大人たちが出てきた中、宿場の子供たちが、ルボルはこれまで必死にこの場所のために働いてきた、ルボルが何か悪いことをしたのか?と懸命に訴えることで、再び宿場はルボルを中心に団結、魔物も無事撃退に成功し、そして遂にルボルがダリミル宿場の首長に選ばれる…というのが後編の概要で、上記ムービーはその最後のやり取りの部分だ。
問題にしたいのは、この最後のルボルと、町の支援団と自警団のリーダーとやりとりだ。ルボルは、首長になる条件として、支援団と自警団が一つになることと、ベアラーを不当に扱わないことの2点を挙げる。その際、ルボルの口から、何も(ベアラーを)人と同じようにしろってわけじゃない、という発言がされる。そうして、大切なのは町を想う気持ちだ……というような結論で会話が終わる。それを聞いた瞬間、そこは、人と同じようにしろ、というのがこれまでの流れだし、大切なのは差別をやめろ、ということで、それが作品としても肝の部分がではないのか……と遠い目になった。
もちろん、ルボルはベアラーであるということがいかに差別的な扱いを受けるのか、重々承知していため、顔の刻印をなんとか逃れこれまでやってきたというようなキャラクターである。そのルボルだからこそ、こうした物言いをするし、宿場を一番に考えるキャラクターだからこそ発言だ、というような捉え方は可能だ。
しかし、これはゲーム終盤のサブクエストで、その直前に、サブクエストにしては非常に力のこもったムービーで、子供たちが石を投げられるルボルを庇い、大人たちにてめぇら、それでも人間か?という趣旨の熱い説教をかました後である。つまり、ここでベアラーを、「人として」扱え、と条件を提示しても違和感は無い。それは大きな飛躍ではないか、という意見もあるかもしれないが、今まで散々様々なプロットホールを見せられてきて、この一番大事なところは、飛躍でもプロットホールでも良いので、差別は許さない、というメッセージを提示して欲しかった、という気持ちがある。また、被差別者のキャラクターにこうした発言を言う、ということの意味や重大さを考えて作っているようには、残念ながら感じられない。
さらに残念なのは、この時のクライヴの対応である。ルボルがそういったキャラクターであり、何もベアラーを人と同じように扱ってくれと言ってるわけじゃない、と発言したとき、それは違うと横槍を入れて欲しかった。というより、ベアラーは人だと考え行動してきたクライヴならば、ここで口を挟まないのは非常に不自然だと感じた。
会話が終わり、クライヴはルボルに告げる。「みんなと一緒に、‘‘人‘‘として生きてくれ」…それを聞いた時、思わず苦笑してしまった。実に空虚に響く一言だ。

基本的にお話が雑で、どんなに矛盾点があっても構わないが、差別という非常に残酷かつ複雑で誰もが加害者になってしまうような重大なテーマを扱うならば、そこに関してはしっかりと考えて物語に取り入れてほしい。

その他雑感

その他色々思ったことを並べると、
・アクションは全体として完成度は高く、特に技が当たったり成功した時の気持ちよさは素晴らしく、演出も軒並み良かったが、召喚獣アクションが全て○ボタンが起点ではなく、全て異なる操作にして、さらに全ての召喚獣をリアルタイムで切り替えて遊びたかった。トルガルを操作アクションに組み込むのではなく、召喚獣の切り替えに当てればより面白かったと思う。

・召喚獣バトルのバカさと勢いに振り切った感じは面白かった。

・GOTの影響下にあるという話なら、アナベラのキャラクターはより複雑で多面的にするべきだと思う。

・血がかなり吹き出すような表現が多く、死んだことがわかるのはとても良いと思った。クライヴがそんなに強くない序盤などは、ムービー中もある程度の緊張感があった。

等々です。ざっくりまとめると、人が人として生きられる場所を作る前に、人が血が通った人だと思えるような描写を徹底してほしい。

2週目の高難易度モードは、他の皆々様方、頑張って下さい!


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