ひとり旅が好きというか、ひとりで旅する姿しか思い浮かべられないからなだけで

ひとり旅というと、15年くらい前は『変わってるね』と言われ、10年くらい前は『すごいね!』と言われ、最近では、『流行ってますよね』と言われるようになった

本人の心持ちとしては何も変わっていないのだけれど、時代や世間の感覚というのは変わっていくものなのだなーと

15年前も、今も、1人で夕食を食べに地元の店に入るのにさほど抵抗も無い
一人だからと言って、特別に愛想よくしたりもしないし、聞かれない限り旅人アピールもしない

だいたい、1人で常連でも無い人間が入ってくれば、店主なり、カウンター席に座る主から聞かれるし
話しかけられれば、幼少期から磨き上げた、外面を遺憾無く発揮して、失礼のないように、ただし、2件目のスナックに誘われない程度に会話をして翌日のオススメの場所を仕入れる

15年くらい前は、女のひとり旅は何かあったのかと勘繰られたり、危険はないのかと心配されたり、はたまた、早まるな的なお言葉をいただいたりとなったけど、早まるほどの事情が欲しいくらい凪な日々で苦笑いしかできなかった

ひとり旅のキッカケなんて単純で、趣味の合う友だちが皆無で、それでもタイミングを逃したくないからとしただけで
ひとりで仏像と庭をじっと眺める時間に妙に満たされてしまってそこからは、人を誘うという難問に頭と時間を使うくらいならとひとり旅

ひとり旅=メンタル強い女でも、オトナなわけでもなく、誰よりもワガママで自分勝手なのだと思う

道端で立ち止まってマンホールじっと観たり(ご当地マンホールは面白い)、何の思い入れもない少年野球眺めたり(誰の保護者でもない)、噂話とタバコの煙に溢れた喫茶店入る(だいたい、近所の誰かの悪口言ってる)とかに付き合ってくれる友だちはいないのだから仕方がない

ひとり旅したら人生観が変わるとかもない
たぶん、そういう人は、旅に行かなくても人生観変えられる人だと思う
元から、柔軟なのよ、心も頭も

ただ、人生観は変わらないけれど、ひとりを悲観することは減るかもしれない
自分で決めて、自分で考えて、何にも考えなくても、結果は自分にしか影響を与えない
電車逃して、何もない駅前で呆然としたとしても、自分しか解決する人はいないから、ひとりなんだとか考えている場合じゃないし

まぁ、元から、それに腹括れるタイプだからひとり旅してるのかもしれないけれど
それに、国内なら、近所の散歩の延長くらいの感じだし気を張るものでもない

ひとり旅を誰かに勧めようとも思わないし、『ひとり旅サイコーだよ!』とも言わない

心地よい方法で、旅したら良いじゃない
なので、わたしのひとり旅も放っておいて、ただそれだけなのである


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