声を励ます

ある本を読んでいて、「声を励ます」という言葉に出会いました。

普段あまり使わないからか、心をトントンとノックされた気がしました。ので、拾います(笑)。

声を励ますとは、声をひときわ大きくして話すことです。何かを確信を持って言うとか、誰かに乗じて声高々に述べるとか。そんな時に使われていますね。

声を荒げるではなく、声を上げるでもなく。なんだか違う心地よさがあります。

そこには、何かを切実に伝えようとする姿や、自分を奮い起たせて言葉を発する様子が浮かんできたのです。

ところで、冒頭で述べた「ある本」なのですが…

葉室麟さんの『蜩ノ記』です。

時代物なのですが、情景の描き方が本当に素晴らしいと思いました。五感で伝わる素敵な行間を、旅をさせてもらいました。

知らない漢字や言葉が結構あったのですが(お恥ずかしいですが)…一つ一つにこめられた言葉の美しさに惹かれ、初めて知った言葉たちがこの作品での出会いであったことがとても喜ばしく思いました。

拾う人、たまには文学もするのですよ(笑)。

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