コミュニティマネージャー紹介 梅木玲奈
今回の「SAAI note」では、社外出向制度を利用し、3月末までゼロワンブースターのコミュニティマネージャーとして活躍された梅木玲奈さんにお話を伺いました。
プロフィール
ーーSAAIのコミュニティマネージャーになったきっかけを教えてください
2021年に新型コロナウイルス感染症の影響を受け、勤務先の日系航空会社内での外部出向募集に応募したことがきっかけです。
外部出向の機会は大変めずらしく、何かしらの経験を積んで今後の業務や自身の成長にも活かせたらと募集情報を見ていたところ、ゼロワンブースターのアクセラレーターサポートのワードに目が止まりました。
当時はまだ、“アクセラレーター”という言葉に馴染みがなく、ゼロワンブースターの事業内容について詳細をみると、イノベーション施設の運営とも記載されており、ますます興味を持ちました。
同様にコミュニティマネージャーという職業についても当初は詳しくは知らなかったのですが、コミュニティに関わる仕事だということを直感しました。
あらためて考えると、客室乗務員の仕事は運航中の保安業務や接客サービスだけではなく、会社の想いや理念をフロントラインとして伝え、お客様と会社を繋ぐ役割も兼任しているとも言えます。
そのため、人と人、人と企業とを繋ぐサポートをするコミュニティマネージャーの経験を通して得られる知見や視野は、今後の業務においても活かせると思いました。
ーーSAAIではどのような業務を担当されていますか?
主な業務は、有楽町SAAIの会員さんをサポートすることです。
それに加えて、社内起業を応援するイントラプレナーアクセラレータープログラム(以下、IAP)のコミュニティイベントの運営、そして仙台市の皆さんと一緒にオンラインコミュニティの運営を行いました。
IAPのコミュニティでは、企業や事業会社に所属しながら社内新規事業を始めようとしている方に向けたイベントを開催したり、すでに新規事業を立ち上げた経験のある方とこれから始めようとしている方を繋ぐような取り組みをしました。
また、仙台市さんと共に運営している事業創造に資する東北と全国の皆さんが繋がる、オンラインコミュニティ「TOHOKU STARTUP BIOTOPE」では、オンライン上でのコミュニティマネージャーを担当しました。
千葉県出身で都内から地元が近く、帰属意識が生まれにくかった自分にとって、この事業に関わることは非常に大きなチャレンジでもあり、離れていても繋がり、お互いに励まし合える皆さんの絆にコミュニティの力を感じています。
ーーIAPのコミュニティ事業に携わるようになって、どのようなことを学びましたか?
IAPのコミュニティイベントの企画は、「SAAIコミュニティのなかで、企業で事業創造をしている人と繋がりたい」というSAAIの会員さんたちの声から始まりました。
ニーズがあるなかでソリューションを作ることは、事業会社から出向している自分だからこそ熱量高く取り組めることなのではと思い、IAPを担当している社内の事業ソリューション部のメンバー全員にヒアリングをすることから始めました。
その際には、集客はできるのか?需要があるのか?という声も少なからず挙がり、不安もあったのですが、周りの方々が支えてくれたことで実現することが叶いました。
事業ソリューション部だけではなく、ゼロワンブースターアルムナイ、取締役やコミュニティ開発部をはじめ、なかでも食品メーカーで社内新規事業の立ち上げを経験された、会員の日置さんが力になってくださったことがとても大きいです。
社内新規事業を進める上で必要な要件について大変親身に相談に乗ってくださり、イベントへの登壇をご快諾いただくなど、日置さんのご協力があってこそだと深く感謝しています。
いざ始めてみると、既存の事業や業務だけに満足せず、新たな付加価値を創造しようと主体性を持って活動している皆さんの姿を間近で拝見し、私自身も刺激を受けました。
そして、SAAIに集う皆さんは、やりたいことに向かってスピード感を持って自発的に動く行動的な方ばかりで驚きました。
モヤモヤしている方の背中を押す役割ができればと考えていたところ「今こういうことをしている最中で…」と、すでに一歩踏み出している状況だったんです。
社内起業は業種に関わらず、所属している企業の環境によって、事業化やコミュニティへの参加可否が明確に分かれる傾向にあります。
新規事業もまた流動性が高い領域なため、SAAIのイベントを通して緩やかに繋がっていくことで、そこから良い流れが生まれたら嬉しいですね。
イントラプレナーの皆さんと接しているうちに、出向元に戻った後も社内のイノベーションや、新しく始める事業には積極的に関わっていきたいと思うようになりました。
挑戦することを畏れないマインドや新しい流れを作る重要性など、IAPを通して学んだことは、本業の仕事でも活かしていきたいですね。
ーー梅木さんにとってSAAIはどんな場所ですか?
SAAIは個人で活躍する方々が集う場所です。
さらに、コミュニティマネージャーの存在や「Bar変態」など様々な仕掛けがあることで、多様な考えの方と繋がることが可能です。
思い付きを言葉にして発信することで、自分の想像力では到底思いつかないことが選択肢となり、自分にとって重荷になっていたものの存在に気がついた結果、ストッパーを外すことができました。
繋がることが怖かったり苦手だったりする方も、SAAIならコミュニティマネージャーや会員さんが背中を押してくれます。
心理的安全性があるからこそ「一歩踏み出す勇気がもらえる場」だと私自身の実体験からも感じています。
ーーSAAIを通じてご自身が変化したこと、成長につながったと感じたことがありましたら教えてください
以前は自己肯定感が低く「自分は人と繋がっても期待に応えられない」と、他人と一緒に計画をたてることを避ける傾向にありました。
正義感が強いところもあり「中途半端に約束はできない」と可能性を狭めたり、やると決めたら全部ひとりでやり切らなくてはならないと思い込んでいたりしたんです。
一方で「このまま殻に閉じこもっていては、せっかくの人生が楽しくないし、周りの人も面白くないだろうな」と、心の中では感じていました。
しかし、SAAIで多種多様な方々と関わる中で意識が変わりました。
一番大きかったのは、皆さんが「失敗を恐れない」ことです。
コミュニティマネージャーの必読本と推薦された『成功する起業家は「居場所」を選ぶ 最速で事業を育てる環境をデザインする方法』という書籍にもありますが、「許容可能な損失」を常に計算にいれていて失敗した時のために必要な余白を、皆さんがちゃんと持っているんです。
やってみてベストを尽くして、ダメだったらしょうがない、と。
皆さん、私がくよくよしていたら、あっという間にもうその場にいない。
見えないくらい、もう先に進んでいます。
同時に、人に頼り周囲を巻き込むことで、そこから何かが生まれることもあると気づくこともできました。
正確に言うと本当は気がついていたのですが「自分が声をかけることで上手くいかないのでは...」と、周囲を巻き込むことがとても怖かったんです。
そんなときに会員さんの「もっと気軽に人と人を繋いでみてもいいんじゃない?」という言葉から、自分に自信がなければ、自分の中に留めておくこと自体がリスクなのでは?と考えるようになりました。
”周囲を巻き込むことで可能性が広がる”
そこに気がついてからは、会員さんとの雑談に積極的に周囲も巻き込めるようになりました。
今では、どれだけ多くの会員さんを巻き込みワクワクをシェアして広げられるか?が楽しみになるほど、マインドセットが変わりました。
SAAIの皆さんに変態させてもらい、本当に感謝しています!
※本文内でいう「変態」は生物学的メタモルフォーゼの意。
これまでの価値観や像に捕われず、形・状態が大きく変化することを表す。
ーー最後にSAAIの会員さんに向けて一言お願いいたします
いつも明るくワクワクしている皆さんとSAAIで会い、それが広がって形になるところをみることが、日々の喜びでした!
関わってくださったすべての皆さんが、私にコミュニティマネージャーの楽しさを教えてくださいました。
1年8ヶ月の間、本当にありがとうございました!
今年も開催を予定しているSAAI主催のビジネスプランコンテスト「01Start」。
スタートアップの皆様だけでなく、社内起業家、地方で活躍する方々も挑戦できます。
ぜひチェックしてみてください!
※現在は応募受付期間外となります。第6期の募集開始までお待ちください。