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SAAI会員紹介 山本健太郎さん

今回の「SAAI会員紹介」では、山本 健太郎さんにお話を伺いました。

プロフィール

山本 健太郎(やまもと・けんたろう)氏
大学3年時に公認会計士試験合格。大手資格学校 公認会計士講座 財務会計論講師となる。2015年に全会連を設立、会計ビギナー交流会、アカリクなど数百人規模のイベントを展開。2016年に日本公認会計士協会準会員会 代表幹事に就任。2017年、株式会社アオイエに入社。太陽有限責任監査法人に非常勤スタッフとして入社。2018年、株式会社アオイエ取締役CFO就任。全会連を一般社団法人化し代表理事に就任、ユメオト事業を開始。2019年株式会社アオイエを退職し、株式会社SoVa設立。代表取締役CEO就任。

始まりは「バーチャルヤマケン」


吉村:
まずは山本さんのバックグラウンドについてお聞かせください。なぜ、会計士を目指そうと思ったのですか?

山本:
僕は慶應大学の商学部で、ダンスサークルに所属していました。当時のJ Soul Brothersのがんちゃんがいたサークルで、ダンサーを目指していたんですけど、全くのダンス初心者だったので死ぬほどセンスがなかったんです。(笑)そしたら先輩から「勉強の方が向いてるかもね」と言われました。さらには生協の人から、「商学部だったら会計士じゃない?」と言われて、その勢いのまま勉強してたら大学3年で受かったって感じなんですよ。だからぶっちゃけ当時は何の高尚な概念もなかったですね。(笑)

吉村:
すごいですね。僕も商学部なんですけど、周りの友人がたくさん勉強してても間にあわないって焦ってますよ。(笑)

山本:
当時は周囲に負けたくなくて勉強を始めたので、やると決めた以上はやり切ろうと同級生たちと一緒に頑張りました。基本的に公認会計士は受かったら監査法人に行くんですが、当時は監査をやりたいわけではなかったんです。会計士の合格者平均年齢が26歳なんですけど、僕は21歳で受かったので5年間ぐらいは好き勝手しようと思っていました。

吉村:
5年も早く受かられたんですね!まずは何からはじめたんですか?

山本: 当時会計士予備校の講師に誘われました。夜6時半から9時半までの
講義時間以外は、友達の会社をボランティアで3〜4社手伝っていて、その内の1社にCFOとして参画しました。多くの企業からバックオフィスやファイナンスの相談を受ける中で、ある人に「いろいろ相談したいけど毎回聞くのは申し訳ないから、バーチャルヤマケンみたいなものが欲しい!」と言われました。バーチャル上で僕の頭脳を持ったものがあって、聞いたら何でも答えが返ってくるみたいな。このアイデアを基に、僕ら専門家のサービスを全てデータベース化し、みんながアクセスできるサービスを作りました。それが「バーチャル会計事務所SoVa」です。

※「ヤマケン」とは山本氏のあだ名

自分の世界を広げて、多様な価値観に
一つ一つ向き合う経営

吉村: 山本さんは昔から「人と関わる」仕事や取り組みをされていますが、人と関わる上で意識していることはありますか?

山本: 人脈を広げることを意識した時代があります。私は毎年、年初のタイミングで今年1年のテーマを決めています。自分の地平線を広めるという意味で、「Broaden My Horizon」というテーマの3年間がありました
人脈を広げていき、見える世界も広げていく
ことを意識して、いろんなことをしましたね。

吉村:
ちなみに見識を広げようと思ったきっかけはなんでしたか?

山本: 会計士に受かってから日常生活の中では会計士としか接しなかったんですよ。偶然、前の会社が運営していたシェアハウスに遊びに行ったときに、生き方も、性格も全く違ういろんな人がいて、世界には自分が出会ったことない人がいっぱいいるんだなって、当たり前のことに気づきましたね。その後は、片っ端からいろんな人に会いにいこう、みたいなテンションで、カンファレンスとかたくさんの機会を利用してあっちこっちに足を運んでいましたね。

吉村 :
その経験を通じて、山本さんなりに世界が広がったことで起きた変化はなんですか?

山本:  一番の変化は自分の常識を押し付けなくなったことです
自分が当たり前だと思っていることでも、他の人からすると意外と違ったりするんですよね。良いプロダクトを作ることに命をかけていて、休みなんかどうでもいい人もいれば、家庭とのバランスが大事な人もいたりとか、矢印が向いてる方向がいろいろあるんですよね。
その人がどこに矢印を向けているのかを見て、コミュニケーションが取れるようになることがとても重要だと思っています。

気づいたら、その人に合わせたコミュニケーションがとれるようになっていて、相手なりに大事にしていることを一つ一つ理解するようになりました。今の会社経営の中でめちゃめちゃ活きています。僕のスタイルで大人数を経営するためには絶対不可欠です。

吉村: 自分も今インターン先で、他のインターン生達をまとめるリーダーの立場なんですが、とても参考になります。1人1人考えていることが、自分とは違うことを理解した上で向き合うことが大事なんですね。

有楽SAAIの提携施設でもある有楽町の「micro Food&IDEA market」にて開催した
SoVaのお客様が扱う商品をご紹介するポップアップストアの様子。

士業業界における、日本で最高かつ最大のプロフェッショナルファームへ


吉村:
株式会社SoVaがこれまでにないイノベーティブなサービスを提供している価値の源泉は何でしょうか。

山本:これはあくまで僕個人のミッションでもあるんですが、
自分がいる世界といない世界を比べたときに、「いる世界の方が幸せな人の数が多くてその度合いが深い」ことですかね。つまり、自分がいる世界といない世界の差分を見ています。

SoVa以外のサービスも含めて必ず、他の人がやっていないサービスを私たちは作っています。株式会社SoVaが在ることが世の中の人を幸せにしてる、という確信が持てる事業しか作らないスタンスを我々は持っています。だからこそ、自然とサービスがこれまでにない新しいものになってくるんですね。

吉村:
株式会社SoVaが近い将来、目指している目標はなんですか?

山本: 「専門知識のアクセシビリティを高め安心して挑戦できる社会を作る」というのが今の我々のミッションです。会社のミッションを全部作り直して考えました。通常だったら専門家にしか紐づいてない専門知識を私たちのプロダクトを使っていただき、アクセスしやすくすることで、

「これなら私でも会社作れるかも」
「これだけバックオフィスを任せられるなら、もっと事業に集中できる
など、この新しいミッションを通じて、多くの人が安心して挑戦できる社会を作り上げることを目指しています。

吉村:
 山本さんが目指す、株式会社SoVaの未来の姿はどんなものですか?

山本: 私たちが目指してる大きなビジョンは日本最高かつ最大のプロフェッショナルファームになることです。現在は目下の目標としてメンバー10名以下の小規模企業にとって、最高の会計事務所になるために頑張っているところです。まずはクオリティの追求をして最高の品質のサービスを届けることができたら、次は最大の人に届けていくことを目指しております。

吉村:
山本さんは自分のみならず、どのように会社としての専門性を保っているのですか。経営者としてお考えをお聞かせください。

山本: クオリティに関しては、特に専門家チームは自身の専門性に対するプライドを持っている文化があります。最近の資金調達もあって、我々はこの業界のリーディングカンパニーになるという意識が、かなり根付いてると思います。私たちが中途半端な仕事をしたり、良いサービスを作れなかったりすると、今後の士業業界の未来をより良くできない、という使命感を持っていますね。だからこそ、クオリティに対する意識は社員が主体的に備えているものですね。

コミュニティマネージャーが形成するSAAIという場所の価値


吉村:
山本さんとSAAIの関係性についてお聞かせください。どうしてSAAIに入会されたのでしょうか。

山本: SAAIを知ったきっかけは、知り合いが開いた交流会で、SAAIのコミュニティマネージャーの方と出会ったことですね。その時に「01Start」(※)に出てくださいって言われて、そのままの勢いで申し込んだら、採択いただいて、SAAIに入会することになりましたね。
※SAAIが主催しているビジネスプランコンテスト

吉村 :
そんな意外な出会いがあったんですね。(笑)山本さんは他にもコワーキングスペースを利用されていますが、SAAIならではの魅力や、価値はありますか?

山本: SAAIにはとてもすごいことが1つあって、それはコミュニティマネージャーがいることなんですよ。もちろんアクセスが良い有楽町にあって、わくわくするような建物作りになってるっていう場所の良さもあります。
しかし、場所という空間に対する価値はだんだん下がってきていると思います。
日本の土地の面積は変わっていないのに、人口が減っているので、空間や場所はこれからも余っていくと思うんですよね。働ける場所としてのコワーキングスペースがあるだけでは、相対的に価値が低くなると思っています。
この空間や場所自体に意味付けを持たせることが重要です。例えば、ディズニーに行ったときに、アトラクションはシンプルなのに、乗ったらすごく楽しいですよね。それは空間にそれだけ意味付けがされてるからこそ感じられる価値だと思います。

SAAIもそこがすごいうまいですよね。建物としてのデザインもそうだし、コミュニティマネージャーの人たちによる空間への価値付けができていると思います。彼女たちの、SAAIの会員さんたちをエンパワーメントしていこうという、会員さんたちへの向き合い方の姿勢が桁違いですね。

吉村 :
コミュニティマネージャーの重要性をひしひしと感じます。山本さん自身、具体的にどんな場面でコミュ二ティマネージャーの価値を実感しましたか。

山本: SAAIのコミュニティマネージャーはみなさん、悩んでることを話したときに、「これどうですか?」という提案をたくさん言ってくれるんですよ。普通は何か困ってたら、これやってくれませんかっていうお願いをしなきゃいけないんですけど、SAAIではそうじゃないんですよね。例えば私の場合だと、SAAIに入りたての頃はお客さんの獲得に悩んでいて、その時にコミュニティマネージャーの方にラフに相談したら、その緩い段階で、外部の方が集まるイベントに出れるように交渉して下さったりとか、興味のある人を集めるために、SAAIの会員さん向けイベントを企画して下さったりしていただきましたね。提案してもらったたくさんのことをやったというのもあって、SAAIの会員さんの中には私たちのお客さんも結構いらっしゃいます。

SAAIのイベントで会員さんのご相談にのる山本健太郎さん

コミュニティマネージャーが持つ会員への強い愛情とその源泉となる「Giveの精神」

吉村: やはりコミュニティマネージャーの存在がSAAIというコミュニティにとって非常に大きいんですね。

山本: その通りです。。だからSAAIのコミュニティマネージャーがなぜ価値があるかをちゃんと言語化して、属人化させずに他の人に広げていくことができれば最強ですよね。まだこの能力は属人化していて、この人だからできるという部分が強いですよね。なぜSAAIの方たちにできて、他の会社の人にはできないのかという差分が言語化できて、DNAとして受け継がれていけば、向かうところ敵なしですね。

渡邊(コミュニティマネージャー):
山本さんに褒めちぎられて泣きそうでした。(笑)そう思ってくださる方がいるだけでも、私達すごい励みになるので、本当にありがたい限りです。実際、コミュニティマネージャーってどう思います?って私たちも直接聞けないじゃないですか、ドキドキしちゃうので(笑)

山本: 明日香さんたち、めちゃめちゃすごいですよ。むしろ明日香さんとか思わないのかなと思うんですけど、起業初期の人は基本的にわがままなはずなんですよ。創業期はすごく追い込まれるから自分のことだけしか考えられないっていう発想になりがちで、それは仕方ないんですよね。そんな人たちと毎日接してたら本当はもうちょっとひねくれていくのが普通だと思うんですよね。そこであの愛情をずっと出し続けて、何年もそれを再現性高く続けているというのは相当すごいと思います。

渡邊:
ありがとうございます。山本さんのように、SAAIの会員さん達は自分たちのやりたいことを体現するための努力はもちろん、周りの人たちを元気付けてくれるような”Giveの精神”に溢れた方がたくさんいます。

SAAIは「コミュニティスペース」だからこそ、多種多様な人たちと話す中で刺激を受けあって、お互いが切磋琢磨しあえるような関係性を会員同士で築いていると感じます。ライバルでもあり、仲間でもある、そんな認識を持って、自分のやりたいことを叶えるために、SAAIを全力で使っていただきたいです。そのお手伝いを私たちがさせていただいている感じですね。すごいのは夢に向かって全力で頑張る会員さんです。私もいつも会員さんからパワーをいただいています。会員さんが頑張れる環境を作るためにも、山本さんもおっしゃってた空間への価値付けというところがとても大事だと日々痛感しています。

イベント後にSAAIコミュニティマネージャーと


今回、インタビューを受けてくださった山本健太郎さん。志高く物事に取り組む、山本さんの誠実さがインタビューを通じてひしひしと伝わってまいりました。現在も大躍進を続けている山本さんの、今後のさらなるご活躍を応援しております!

バックオフィス業務に困っている方、ぜひ、SoVaをチェックしてみてください!↓

・インタビュー・執筆:吉村龍二(よしむらりゅうじ)