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『天使にラブ☆ソングを ~シスター・アクト~』

『天使にラブ☆ソングを ~シスター・アクト~』 /東急シアターオーブ


人間にとって得意なこと、得意じゃないこと、できること、できないこと、色々あるけれど、音楽はだれもができる。
文字が分からなければメロディーを。リズムが取れなければ手拍子を。目が見えなければ耳を。音が聞こえなければ目を。五感、身体中のどこか1つでも生きていれば。誰もが体感できる楽しめる物。それが音楽。

劇中、歌がバラバラだったシスターたちが、デロリスの一声で少しずつまとまっていき、最後は素晴らしい華やかな歌声が響きわたる合唱に。バチバチ関係だった修道院長とも仲良しになれた。

カーティスによって「仕事として下品な歌」(♪ Take me to heaven)にされた歌も、シスターたちと出会ったことで、洗礼された美しい音楽に。小さな声しか出ず、自分の意見を持つという概念がなかったシスター・メアリー・ロバートは、♪ Raise Your Voice で大きな声を出せて、自信が持てた。
音楽には、「人が楽しむ/楽しませる」力、「人と人を繋げる」力、そして「勇気を出す」力を出せ、自信が持てた。

ロバートが歌った ♪ The Life Never Led(私が生きてこなかった人生)。違う生き方をしたらどうなっていたのか、まったくわからない。今の生き方でも未来はわからない。人は生きていくのに、誰の力も借りないなんてことはできないし、だからって他人に応えを求めることは違う。人生という名の料理に正解はないのだ。失敗したって良い。もし成功したらその時は自分をほめてあげよう。わからなくなったら周りの人にスパイスを入れてもらえばいい。ロバートがデロリスに勇気をもらったように。

私もいつか、音楽や舞台で人の心を動かし、晴れやかにし、華やかな日々を送るためのちょっとしたスパイスを与えられることをしたいと思った。

音楽を通して出会えるすべてのモノたち。それは何ものにも代えがたいモノになる。
音楽を愛する者よ。音楽に救われた者よ。その出会いはきっと一生の宝物だ。

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