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『悪魔の毒毒モンスター』

『悪魔の毒毒モンスター』/よみうり大手町ホール


悪いチンピラにヘドロ缶にぶち込まれて、ヘドロまみれのドロドロ・ベタベタ・クサクサな怪獣になってしまったメルビンが恋をしているのは、目が不自由な少女・サラ。
そんな2人からは、「人を見た目だけで判断してはいけない」というメッセージが伝わってくる。活発な少女だと思ったサラが、本当はエロいことばかり考えているとか、本当に色んな意味で(笑)。

ただそれ以上に今回感じたのは、この作品を2020年3月という時期に上演できてよかったということ。キャストもお客さんもすべての人が不安に包まれ、不安しかないなかでの公演。でも劇場にはいつものミュージカルと笑いがあった。コロナ禍という見えないものとの闘いの日々に、たくさん笑える変わらないそれにひどく安心した。
ボケとか下ネタとかそんなくだらなさが、心が疲れきっていた私たちにとって、丁度よかった。

結果的に大阪公演は中止になってしまった本作。その後、次々とエンターテインメントが中止となっていく。そしてこの秋(2020年秋)から、完全とまではいかないが復活し始めた。長かった。
そんな状態に入る前の、最後の作品が毒毒モンスターでよかった。こんなにもくだらなく笑えることが嬉しくて、涙が出そうになったことを、私は忘れない。

「悪魔の毒毒モンスター」
そこには、笑いの“魔”法があった。


・チャラ男とロレンツォとたまにサル巡査と、パブロがたくさんいた。
・林くん歌がうますぎるけど、それ以上に内容が面白い。しょっぱなから林くんの美声で舞台が始まるのに、まさかお埃っぽくて咳き込んでじゃうフリ。
・林くんとのぶにぃのコンビネーションが最高。
・ジュディがただただかわいい。ダイアンがもはや女性。ドレスの上にカーディガンを羽織ってて背中向けられると、身が細すぎて女性だった。
・フォークシンガー・林、オチ要員。
・東京楽、演出家(池田テツヒロさん)とプロデューサー(可児さん)が登壇するカテコ。

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