わたしが 部首名を教えなくなった理由

仕事関連の本を読んで、新しく知ったことは早く誰かに伝えたいと思ってしまいます。伝えることで忘れにくくなるし、余計なお節介精神があるからです。大体、本に書いてあることは専門用語で難しいものです…。

私が子供の頃、学校で漢字を習うときに部首名も教えてもらいました。書き順も読み方も熟語も。部首名は基本なので、先生も当然の知識として教えてくださいました。新人の頃の(いえ、しばらく)私は同じことを日本語学校でしていたと思います。

「それ、いつ使う?」

そう思ったのは日本語教師になって、数年たったころでした。学生に覚えてほしいと思うのは部首名ではなく部首が持つ意味だと気づいたんです。「イ」はにんべん…ではなく「人に関係がある」と伝えれば、語彙としての「にんべん」は覚えなくてもいいもの。2年であいうえおから原稿用紙1枚程度の文章が書けるようにしないといけない方々の負担を減らせると気づきました。それからは「へん」はさっと触れても意味にポイントを置いて漢字学習に役立つように授業を展開しています。

そしてまた今日、気付いたことがあります。

「活用形の名前を教える必要がある?」

今年、担当している学生さんは活用形のミスはないのですが、どうやら「~形」ということばを知らないまま学習を進めてきたようです。動詞もまあまあ知っている(初級レベルにしては)方に、わざわざ…?何かの機会で活用形をまとめるのはいいかもしれないけど、「~形」と教えるかどうかちょっと考えたいと思います。

これらのことばを知っていたら、自分で学習するときに本やネットで調べても意味が分かりやすくなるとは思うんですけど、卒業するまでの期間が決まっているので負担は削っていかないといけない…かな。

本音を言えば、ボランティアでも日本語学校でも日本語の先生だと名乗る人に教えてもらったんだったら最低限の文法用語は教えておいてほしかったー!!(笑)

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