近況&検定教科書について思うこと

 猛烈に忙しかったころが懐かしくなるぐらい、落ち着いた日々を送っています。授業以外の業務はどれも慣れないものばかりですが、学校教育現場で覚えたことば等は本当に役に立っています。

 2年前、少しスケジュール的に厳しいと思いながらも定時制高校の非常勤講師を引き受けたことで、今の職場では転任者扱いとなり、経験が生かされると判断されたようです。実際、日本語教育的に言えば中級を担当した後に初級を持つと教えるポイントがわかるように、進学先にいた立場から見て現職でできることというのは分かる気がします。

 定時制では教科と日本語の私の持ち時間は8~9:1ぐらいでした。(多いほうが日本語)
 カリキュラムがないことはないのですが、かなり融通が利くので、現代文の教科書から未習でかつ分かりやすいものを選んでいましたが…使用教科書は当然学齢相当の高校生を中心に作られている(と思います)ので、未来について考えたり少し恋愛要素が入ったお話だったりするものがあったわけです…。でも目の前にいる生徒さんで熱心に勉強しているのはほぼシニア世代。そんな生徒さん達に「このお話を読んで、みなさんの将来について考えましょう」とは言いにくく、どうしようと悩んだことは1度や2度ではありません。
 
 今も国語科にいますが、2クラスのうち1つのクラスは全員日本語が母語ではないみなさんで、もう1クラスは会話はバッチリだけど書くのはかなり難しいみなさんです(識字教室的?)。前の学校のように教科書を使用するのは無理です。教科書の内容に一部触れることはできますが…💧
 そんなみなさんが、他教科も日本語だけで授業を受けています。すべてやさしめではありますが、日本語学校とは違って教科学習もあります。もう少し生徒さんそれぞれに合ったカリキュラムが組めたらいいのに。初級の間だけでも集中して日本語の授業を受けられたらいいんじゃないでしょうかね?

 教育を受ける機会がなかなかなかったみなさんと関わってはじめて知ったことですが、漢字テストだったら(  )内に漢字を書く・読み方を書く、文章を読んで答えるもので抜き出せとかかれていても抜き出せない、傍線部の漢字が読めずに何をしたらいいか分からないというのはどのクラスでもあることです。試験では授業でやったことそのままを出さないと点が取れません。

 でも、学校に行くことを本当に待ち望んでいた方が多いので、いつも笑いは絶えませんし、あたたかい空気が流れています。

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