日本語指導が必要なこどもが日本語を勉強するということ

ある研修会に参加して、おそらく日本語教師だと思われる方が、講師に質問されていました。

「児童生徒への日本語指導があまり行われていないようだ。どうすれば支援できるのか」といった内容でした。
私も留学生や大人の方へ日本語を教えていたころ「子どもの日本語教育は手つかずの状況で放置されているんじゃないか」と思っていました。

でも、実際はそうじゃなく、学校現場で日本語指導が既に行われていました。良かったー!と言いたいところですが、そこは違います。

最初に私が日本語教師として生徒と関わるようになったところでは日本語は国語や社会の裏(取り出し授業)として行われていましたが、担当者はボランティアか空き時間の教員。日本語教育の教材をほとんどご存じでない方が担当者になっていました。
あとは、教頭先生だったり教務主任の先生、教員を定年退職し、ボランティアとして関わられている先生…日本語を教えることを仕事にした方はほとんど見たことがありませんでした。

今日の研修の講師もボランティアとして児童生徒に関わりたいのならお住まいの自治体の教育委員会等に問い合わせてくださいっておっしゃっていました。

指導できる場所や機会はあるかもしれません。が、知っておいたほうがいいことがあります。

教員免許がない方が1人で日本語指導ができるのは、授業時間外だと思います。こどもたちは学校で放課後に日本語の勉強をする…ということになるパターンです。つまり参加自由。

日本語学習が必要な子どもたちが通常の授業内で日本語を勉強したいと希望したら、教員免許を持っていて日本語指導の経験がある方が関わるのがベストです。(制度的に考えた場合は…ですよ)

学校で授業に入り込みや取り出しで教えることができた場合、当然ですが教科の知識が0では何もできません。やさしい日本語でかみ砕いて説明するにはそのまわりの知識も必要。教科を教えるのではなく、日本語の指導でもないってどうすればいいのか私自身まだよく分かりません・・・。

日本語教師の方で、児童生徒の日本語学習のサポートをしたいという方は多いと思いますが、具体的にはどのようなサポートでしょうか。
教科学習?生活日本語?
かわいいからではサポートできないのが現状です。
学校で教えるのなら教科のことは切り離しができないし、かといって生活の日本語指導ばかりすることも難しいと思います。
もしいつか子どもへの日本語指導をしたいと思われたら、もう少し具体的なイメージをもったり、親の都合で日本に来た子どもたちの現状や、お近くの学校の様子を知るなどして近い将来につなげられたらと思いました。

ニュースでよく言われているように、教員不足なのは事実です。
熱心な先生方が子どもの日本語指導をしてくださるのは学校現場もきっと喜ばれると思います。
しかし、気持ちだけではできない現実もあることをこっそりお伝えしておきます…。


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