贔屓球団が炎上した

贔屓球団が炎上した。
ちなみにこれは8回裏に10点取られて逆転されたとかそういうグラウンド内のことではない。グラウンド外での話だ。
それまではファンは少ないし知名度も低かったのに一気に知名度が全国区になってしまった。

この2年間、チームを応援してきて自分なりにいろいろ頑張ってきたつもりだ。
大好きで尊敬してた亀澤さんを選んでくれたチームだから行った初日にがんばって全員分の写真撮って紹介ツイートをしようと思った。結局全員は無理だったけど、いろんな選手の写真を撮って名前と顔を覚えてたくさんの人に知ってほしくてたくさんツイートはしてきた。それを向こうがどう捉えていたかはわからないけど。なるべく変な風に捉えられないように、なるべく面白いと思って貰えるように頭は使ってきた。
それはなによりもたくさんの観客の前でプレーをする、応援されることを選手たちに味わってほしかったからだ。たくさんの人がひとつのプレーを固唾を呑んで見守り、手のひらを合わせ、拳を握りしめて勝利の瞬間を祈る。
NPBでは普通の光景を彼らは知らなかった。
観客なんて顔が覚えられるほどしかいない客席じゃなくて顔も見えないほどの客席を、知ってほしかった。
一ファンでありながらそんな夢を見て、微力ながらにできることはやってきた。ツイートするときはなるべく検索に引っかかるような単語を入れたりタグをつけたり、自分の性別や年齢といったものがバレてしまったらどんな属性を持つにしろ嫌悪感を抱く人間はいるだろうからそこの気配も消した。

パブサをガンガンにして内容読んでリツイートだったり広めてもいい記事だったらツイートしていたし、本来は公式ツイッターがやるべき仕事だったと思うのだが公式ツイッターがあまりにも常識とかけ離れていた部分があったためお節介ながら担っていた部分はある。
その公式ツイッターに対してだっていろいろ考えてツイートしてきた。これまでのツイートの傾向を見る限りは発信に問題はあるがそれを指摘されるとブロックしてしまう、そういった繊細な面があった。私というたかがファンの立場だからどれだけ応援していても簡単にブロックされるだろうことは予想できたし、どれだけ腹が立ったとしても向けちゃいけない言葉はある。だからなんとか少しでも話を聞いてくれるように言葉は選んできた。どれだけ発信が下手でもこの人が唯一の公式ツイッターだから、私まで酷い言葉を向けたらそれに便乗していくらでも叩く人間がいるから。もしも選手がチームの公式アカウントを覗いたときにそこにかかるコメントが応援するものよりも悪いコメントばかりだったら気が滅入るだろうし、自分の好きなチームをそんな治安の悪い状況にするわけにはいかなかった。たとえツイッターの片隅の公式アカウントでも私にとっては一緒に頑張りたかったチームの一部だった。

これは私一人が考えてやってきたことで、向こうにとっては迷惑だったかもしれないけど、私は心の底からチームが大切だったしチームのみんなが大切にされてほしかったから、とにかくそれだけを考えてやってきた。

そんなチームがあるときにあるきっかけで炎上して全国区になった。私としては、チームのどの選手のことも応援してきたから野次馬根性覗かせて誰がどうだとか真実がどうとかいう気持ちは浮かばなくて、みんなの体調やメンタルが心配で毎日更新される陽性者の人数に心を痛ませていた。このときに私にはツイッターを鍵垢にしてほとぼりが冷めるのを知らない顔で待つ選択肢もあったけどそれはやらないことにした。だって、2年間も応援してきて今黙り込んだら次どんな顔して選手を応援していいのか、と思うから。穏便に生きるのが楽だけど、私は辛くても好きなチームを堂々と応援していたかった。
それまでは選手の名前出して写真載せたりしていたが、炎上した以上は球団の選手名鑑から名前を見つけて検索をかけて、こちらの意図と違った形で取り上げる方がいることも想像できたのでそれに当たりそうなツイートも削除した。
公式ツイッターにも監督にも自分なりに言っておきたいことはしっかりと伝えた。まだまだ言いたいことは球団だけではなく、それまで記者パスもらって近くで選手を見てきたはずなのになんにも言わない人たちにも言いたいことはあった。でもそれぞれの立場もあるだろうし、立ち向かってるのは自分の勝手だし言わなかった。真剣に応援していたからこれまでの向けてはいけない言葉は向けないスタンスは崩さずに貫いた。 

そこから怒涛の流れで選手がBCリーグに派遣されたり大量退団があったり引退もあった。
本当だったら花束を渡されて引退をするはずの選手もいたし退団後に夢叶わずユニフォームを脱いだ選手もいた。
それらすべてが彼らが喜ぶものではないのかもしれない。でも彼らが真剣に野球に向き合い現実に立ち向かった結果に得たものだから貴いものだと思う。

本当は…本当だったら、私の応援するチームで笑っていてほしかったけど、退団後の背中を押す形でしか力にはなれなかった。それがただ悔しかった。悪かった。もうちょっとなんかやり方があったのかな、といまだに何回も考えてしまうぐらいにはまだ好きだった。  


とりとめもない文章になってしまったが、在籍していた選手はみんなの顔を知っているし今後、どこの世界に行っても大変なことはたくさんあるだろけれど、やっていける程度の幸運とこれまで積み上げてきたものが大切にされる環境であればいいなと願っている。

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