「この人は私達の守護天使だから」
タイトルは、私がいまだに許せない台詞。
これを聞いたのは、私が当時働いていた福祉施設の入所者さんの葬式に行った時だった。その台詞を吐いた彼女は、さめざめと泣いており、一見すれば故人を想う善良な人だった。
でも、私はそうは思わなかった。
彼女は、そして、故人の家族たちは、年に一度ほどの面会頻度だった。こういった施設では、特に不思議でもなんでもない、「施設に全てを任せている人達」だった。
そんな彼女達は、自分らの守護天使とやらが亡くなった途端さめざめと泣き出した。
何か理由はあるだろう。仕事が忙しいのかもしれない。家が遠方過ぎるのかもしれない。本当は心の中では、いつも想っていたのかもしれない。
だが、私は若かった。そして、今も成長なんてしていない。見ていた一面でしか判断できない。そんな私からだと、あの台詞はとても許せたものではなかったのだ。
私がこうやって、ネットの海に自分の思考を垂れ流し始めたのは自分の色々なものを整理して、捨てていくためだ。でも、この出来事だけは、どうしてもいつまでも整理できないまま終わってしまう気がしている。
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