魚
記録
魚みたい。焼き魚の身をほぐすように丁寧に。今までの必死に集めた情報を体に纏った、頑張った自分を解くように。環境を移してからぽろぽろ「私」の骨が見えてきた。
指先から爪先から。
上手く出来ない悔しさも未熟な経験値も味わえるようになってきてる気がする。
とろけてく。あとちょっと。爆発。
気持ちを映し出すのがこんなにも気持ちいいなんて。
あー存在しててよかった。
自分の生活ができてきて本当にギリギリだけど保ててきた。あー好きだな。
冬の冷たい空気も。植木に落ちた葉も。道端のたんぽぽも。踏みしめる足も。水も。肉も。私の好きは最強なのだ。これが私なのだ。苦しかった。身がほぐれてきてやっと息が出来てる。魚としては出来損ないだけど
私としては上出来な見事な骨なのだ。
土葬。
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