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余白と口紅
こんな時でも心に余裕のある大人を見てると、目の前のことで必死になってる自分が途端に恥ずかしくなる。し、とてもちっぽけだなあと思ってしまう。
こんなときだからこそ、自分自身を見つめ直せたら。
大学の授業は嫌だけど、友達には会いたい。当たり前に電車に乗りたい。映画館にも行きたいし、友達と待ち合わせてお買い物もしたい。いきたいお店は尽きないし、本屋さんだとかカフェだとかでゆっくり時間が流れるのを楽しみたい。その土地にしかないものを買って食べ歩きたいし、旅行も行きたい。ただ当てもなく街に出るとかもしたいし、大好きな人にも会いにいきたい。
そして、大好きな音楽を「ライブハウス」で聴きたい。鼓膜だけでなく私の全てが動くような音を全身で浴びたい。濃厚接触なんて言わない世界で、同じものが好きという気持ちだけで集った誰だか知らない人と、隣同士でぐちゃぐちゃになりながら、音に身を委ねたい。
でも1番やりたいことはなにか?を考えると答えは一択。
その人の感じてることをマスク越しじゃなく、顔全部で理解したい。そのリップの色可愛いね、って言いたい。
これだけ願望が募ったのだから、私はまだまだ死ねないな。
冬に買って、まだ封を開けていない春色を唇に纏って誰かに見せられる日はいつ来るんだろうか。
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