地元に2万人を連れて舞い戻ってきた[Alexandros]というワタリドリ
初めましてギオンフィールド。初めまして相模原駅。
[Alexandros]が主催フェスTHIS FESを相模原で開催するとのことで始発で遥々向かった。
そんな1日目の感動を綴ろうと思う。
ユニバーサル味の強いアーティスト紹介映像。
「[Alexandros]」のロゴがでかでかとモニターに映った時、この日1番の歓声が上がる。2万人がドロスを待ってる。わたしは前方エリアにいたから余計に歓声が周囲全方位から飛んでくる。
そこからBurger Queen。野外なのもあるけれど、今から何が起こるのかとドキドキさせてくれる。珍しく勿体ぶって登場、フルバージョンだった。
"Hello Hello Hello 〜"
"以前どこかでお会いしましたか?"
会場にいる全員での大合唱、そしてこの場にいるみんなへのご挨拶。まさかのAdventure始まり。
イントロがなると同時に画面の[ ]に四分割でメンバーの顔が。4人の表情がとっても晴れやかでぐっときた。「今この瞬間、地元で音を鳴らしているよ」ととっても誇らしげに。もともとステージに設置されていた[ ]にバンド名が入るだけで画になる。
言葉はなくとも「我々が[Alexandros]だ!」と突きつけられた。ロックスターすぎる。
"雨が降る街の中"でも"晴れ渡る10月の"のどちらでもないお天気だったけれど、野外で聴くAdventureは格別だった。"いつだって僕たちは君を連れて行くんだ"の歌詞の通り、こんなにいい景色を見られるところまで連れてきてもらった。次はどこに行けるのかな。
"アリトアラユル問題"も、"タビカサナル困難"も、何があっても[Alexandros]と一緒なら何にも怖くない!今のわたしには強すぎる味方だった。
トリ前のGLAYが演っていたから急遽セットリストに入ったのかもしれないDracula La。
"GLAYから奪い去りたい"と嬉しそうに言う。会場にいるドロスのために集まった2万人を独り占めして、でもわたしたちからも"あなたの虜にして?"と返す。
頭の先からつま先の先までこのバンドに溺れた人たちからの壮大なラブレターだった。
[ ]が泡で染まる。starrrrrrrのMVの映像と重なって、やはり夜が映えるし大きな会場での魅せ方も上手すぎるバンドだなあと。関西人のわたしからすると少しばかり思い入れの強いこの曲に対して、別の場所で聴くことに何か思うのかなと思ってしまったが、勝手に1つ願望を生み出しただけだった。
「あのバンドをトリ前に、そして大トリでstarrrrrrrが聴きたい」
新しい場所でフェスを開催する、誰も経験したことのない大きな挑戦。それが成功したのは、"どこまでも私は私だから"
"貫いて誰に何を言われようとも"な[Alexandros]だったから。
この場所で己の歌を刻んで行く姿に心を打たれたし、繋がって、連なって行く夢の続きを今この場所から一緒に見続けていたいと思った。日常をまた生き抜いて、もっと新しい景色を一緒に見せて欲しいなと。
戦闘力高めセットリストなので、炎が上がる中でのkick&spin。いつもはどん底から這い上がるためのエネルギーをチャージしてくれる曲だけれど、この日のキクスピは決意表明みたいだった。
"stay alight,stay alive" が主催者としての存在感を示し、そんな地元でフェスを開催できたことに対して"光る街、眩し過ぎた街ももう怖くなかった"と力強く言ってくれた。
決して交通の便が良いとは言えない相模原という街に、このバンドが好きというだけで集まった人々。1日中[Alexandros]に染まり、溺れられた特別な時間が醒めないでとは思いつつ、でも今を目一杯楽しむ。そういう意味でなのか、"朝へと繋げて今はただ踊ろう"がいつもと違う聞こえ方をした。
念願の、1日目はこれを楽しみにしていたと言っても過言ではないVansireとの日々、織々。Panasonicの帽子を被り、(リハなしのぶっつけ本番だったらしい)鳴らす音は10月の野外だととっても心地が良かった。オリジナルバージョンもライブではあまり聴けない曲だからこそ、この良い音の中で出会えて特別な記憶になった。
そしてGirl A(:D)。ライブハウスだと頭空っぽになるくらい音圧に全身丸ごと包まれて、自分もこの曲の一部になったような錯覚を覚える大好きな曲なのだが、野外だと夜を割くようなレーザーがどこまでも伸びていて、[Alexandros]とならどこまでも行けそう!と思わせてくれるような、圧巻の演出力が本領を発揮するので大好物。(:D)になった時点で原曲とは結構違うのに、また更に変えてきていたよね?
待ってましたBoy Fearless。先月相模女子では聴いていたけれど、野外ではまた聞こえ方が違った。ホールでは身体全体にあの重低音が響き、迫ってくる感覚だったけれど、野外だと夜で暗いし、周りも森みたいだったしでとってもおどろおどろしかった。
例えるなら何か出てきそうな映画Cloudの予告のような、そういう不穏な感じ。全国のファンが集まった日だったから、この曲をいかに楽しみにしていた人が多いかをとっても強く感じた。みんなが耳を澄ませていた小声の"click"はこの日も大優勝!
「イヤモニ外してもいいですか!新曲だけど歌えますか!」からのBackseat。ドロスは失恋の歌も歌えますずるいよね。みんなで大合唱する切ないラブソング。
"時々、夜の冷たい風の匂いが舞って、絡まって"な秋の涼しさ。それも相まって切なさ増し増しだった。
全員で合唱する"愛しい人よ"がとっても良かった。2万人からの愛の歌。ちゃんと届いたかな。
そしてドロスのライブの醍醐味、セッションからのイントロクイズ。月の映像が出て、納得だったムーンソング。曇天で、生憎ステージ上の映像でしか月は確認できなかったけれど、[Alexandros]の秋といえばこれだね。個人的に2番のtheoryが大好きなんだけれど、1番も2番もmemoryだったのがちょっと悔しかった。一緒に行った友達と同じ感性だったみたいで、2人でちょっとキレ気味に笑いながら「メモリーしかなかった!セオリーは!」と言ったのも思い出。
閃光の待ってました感もすごかった。ライブ終わりが見える曲だから少し苦手なんだけれど、この日の閃光はあまりにも真っ直ぐ日本語詞が刺さってきて、初めてあんなにもじっくり歌詞を追うことができた。
"あどけない夢掲げた"のも、"認めたくない過去を思い出した"のもこの相模原だとして、2代目ドラマーが櫓で見守る中で、3代目ドラマーと初めて作った曲をここで鳴らすことにどれだけ大きな意味があるのか。それが"気付けば新しい世界に染まり出して行く"に全て詰まっている気がした。
"これ以上泣かないで、羽ばたけるように"と歌う声が優しくて、歴史を知っているファンが多いからこそ、この4人で進んで行く決意表明を改めてしてくれたというか。
そういう意味でも改めて[Alexandros]はわたしにとって"一筋の光"なんだな、と。
そして最後はみんなで大合唱。
相模原から飛び立ったバンドが主催フェスを掲げて帰ってきた。ワタリドリは代表曲だからこそ、凱旋のためのテーマソングになっていた。
地元に2万人を連れて、[Alexandros]という群れを成して戻ってきた"故郷(まち)は一層輝いて"見えていたんだろうな。
"ありもしないストーリーをいつかまた会う日まで"
大型フェスのヘッドライナーだって務めた経験もあるのに、ラスト一曲でこの景色を噛み締めるように演奏していた4人の表情があまりにも印象的で。
こんな素晴らしいフェスが地元に根付き、愛され、ずーっと続きますように!
そして帰る場所、戻るべき場所として相模原があり続けられますように!
こんな特別な、歴史が動く瞬間に立ち会えたわたしは幸せ者だ!!!
夢の国だったよ、世界一のロックバンドありがとう。