190911フラワーデモアイキャッチ

「性暴力を許さない」今まで見えなかった声をあげるために 津田沼でのフラワーデモ

性暴力を許さないという声を上げる運動「フラワーデモ」が全国各地で広がっている。

フラワーデモは今年の3月に相次いだ性暴力に関する裁判の無罪判決が言い渡されたことをきっかけに始まり、毎月11日に開催されている。
例えば3月12日の福岡地裁久留米支部では、お酒を一気飲みさせられた女性と性交した男性が準強姦罪に問われていたが無罪になった。女性が酩酊し抵抗が難しかったことを認めたものの、明確な拒否の意思表示をしなかったために女性に許容されていると男性が勘違いしていたと判断された。
3月26日には父親による当時19歳の実の娘への準強制性交等罪も娘への性的な虐待は認められたものの、抵抗できない状況ではなかったと無罪(名古屋地裁岡崎支部)。

❝声をあげた性暴力被害者へ、声をあげられない被害者へ、そして私たちは性暴力を許さないという声を上げ続ける、そのために共にいる#WithYou の思いを込めた花を、それぞれが身につける❞

(フラワーデモ公式HPより)
https://www.flowerdemo.org/

そのような思いをもった人たちが4月11日に東京で集まり、性暴力被害のことや性暴力への判決の甘さ、ジェンダー不平等といったことに声をあげており、9月にはフラワーデモの開催場所は全国21箇所に広がった(雨天で4箇所が中止になった)。

今回は9月11日にJR津田沼駅前で行われたフラワーデモ@ちばにお邪魔した。その様子をレポートする。

声をあげなければ社会は変わらない

190911フラワーデモ①

6月から始まったフラワーデモ@ちばは今回で4回目の開催であり、15人ほどが集まった。
ジェンダーやフェミニズムに関することだと女性だけが集まっているのでは?と思う方もいるかもしれないが、男性の参加者もいた。

開催に携わる女性は「私たちの社会は性暴力を大目に見る傾向があります。一方的に力のある者が力のない者を性暴力・力で支配することは、強姦やレイプだけでなく痴漢やセクハラも同じ構造で、性的な嫌がらせを含めるとほとんどの人が経験していると思います。今までは力の弱い人が我慢をしてきました。いつまでも我慢していたら社会は変わらないので声を上げ始めました。」と話す。

伊藤詩織さんの事件からジェンダーの問題や法律のことを調べ始めたという女性は「男性も性暴力の被害に遭うこともあります。子ども同士で無理やり服を脱がせ、性器を露出させるという行為も性暴力です。男性は想像してみてください。屈強な男性や上司に無理やり服を脱がされたり下半身を触られたりしたら、はっきりやめろと言えますか?もし言えると思っても実際には『自分より力の強い相手だから殴られるかもしれない・殺されるかもしれない』上司が相手なら『クビにさせられるかもしれない』という考えが頭をよぎり動けないと思います。性暴力の被害者が抵抗しないのは同意したからではなく、怖くて身体が動かなくなるからです。少しでもいいから興味を持って調べてみてください。」とスピーチを行った。

実際に経験した性暴力被害について話す人もいた。

「朝早く駅のホームにいました。周りに人はいなく、近くに寄ってきた男性が突然下半身を露出しました。この人は露出するだけでなくもっと酷いことをしてくるのではないかと思い、怖くて声も出なく体が動かなくなりました。露出狂でもとても怖かったので他の性暴力だったらもっと怖いと思います。」



フラワーデモは性暴力を許さないという思いのある人が集まれる場所

190911フラワーデモ②

「声を上げないと社会は変わらないですが、少しずつ声をあげれば社会は変わっていくと考えています。声を上げなければ力のある人に有利な社会のままです。フラワーデモの思いに共感したらスピーチをしてみたり、話すのが難しければ一緒にスタンディングしたり、フラワーデモのことを友人に話してみてください。」(フラワーデモ@ちば参加者)

フラワーデモでは被害に遭ったことを話したければ話してもいいし、話したくなかったら「性暴力被害者の味方です」という思いのある人たちと一緒に立つだけでもいい。

フラワーデモは3月11日まで毎月開催を続ける予定である。

※写真は全て筆者が撮影