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"シビックテック x プロボノ" チームのプロジェクト推進について

みなさま、はじめまして。白石と申します。

接触確認アプリ「まもりあいJapan」でPMOとしてプロジェクト運営を担当しております。普段は、下記のnoteを書かれた河津さんの会社のCEOを務めております。

これまで「まもりあいJapan」メンバーが、プロダクトの概要やこれまでの経緯、またUI/UXやプロダクト名称にこめた思いについてお話させていただきました。

今回は、私達がどのようにしてプロダクトを作り上げているのかをお話したいと思います。

プロジェクトの成り立ちと文化

先日の接触確認アプリ勉強会で代表の関さんよりお話させていただきましたが、このプロジェクトは、3月末、Code for Japan の関さんが、都立駒込病院の黒川医師より、海外のコンタクトトレーシングアプリの事例と日本での可能性について相談を受けた事から始まります。

丁度同じ頃、Blockhiveの日下さんがシンガポール政府によるTraceTogetherの事例を日本でもできないだろうかと模索しておられて、同じ志でしたら一緒にやりましょうよという事で、Code for Japan を中心にプロジェクトを立ち上げました。

それから1ヶ月半。有難いことに志に共感いただける方々に恵まれ、50名を超えるチームに成長しています。

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この50名を超えるプロフェッショナル達は皆、Code for Japan と「まもりあいJapan」の思想に共感して、プロボノ(様々な分野の専門家の有志)活動として参加して下さっています。

新型コロナという未曾有の危機に対して、自分たちも何かできないだろうか。黙って待つのではなく、自ら行動を起こす事で、事態を少しでもより良い方向に向かわせる事ができないだろうか。

そういった志を持ったメンバーがCode for Japan という場所に集まり、「まもりあいJapan」というアウトプットを生み出しています。

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まさに、シビックテック x プロボノ によって成り立っているプロジェクトであるという事です。

チームの行動原則

私達は、プロジェクトとして立ち上げた際に、行動原則を定めました。今回のような志が重要なプロジェクトにおいては、迷った時に一人ひとりが立ち返る場所が重要です。

私達の行動原則の一部を抜粋します。
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・我々はなぜここにいるのか
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎ、一人でも多くの人の命を救う
医療関係者の負担を減らし、拡大防止のための有用な情報を提供する
利用者のプライバシーを守り、皆でコロナウイルスへ立ち向かうためのツールを提供する

・アプリケーション構築にあたっての行動原則
プライバシーを守る/Protect privacy
成果を重視する/Focus on outcome
専門家の意見を尊重する/Respect experts
関係者の全体最適を重視する/Optimize whole stakeholders’ value
社会への影響を真摯に考える/Care social impact
透明性を保つ/Be transparent
人々とともにつくる/Build with people
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本当は行動原則の各センテンスに対して詳細な定義があるのですが、長くなるのでここでは割愛します。

要約すると、自分たちが作りたいものを作るのではなく、専門家の意見を聞いた上で、社会に対してより良いものとは何かを模索し、多くの人の協力を仰ぎながら作り上げていくという考えです。

プロジェクト運営について

「まもりあいJapan」がシビックテック x プロボノというスタイルで、行動原則を意識しながらプロダクト開発をしているという事をお話しました。

ただ、一般的にシビックテックやプロボノは、その活動の主旨からしてもアウトプットの量(時間)に対するコミットメントはし難く、ベストエフォートでの活動になりがちです(皆さん本業がありますから)。

しかし、このプロジェクトは新型コロナ対応という性質上、プロダクトの信頼性と同じくらい、一日でも早くリリースする事が重要であると考えていました。

そこで、私達はプロジェクト全体としてマイルストーンを設定し、スケジュールや品質のコミットメントをチーム単位に求めるというスタイルをとる事にしました。

こう書くと一般的な階層構造のプロジェクト組織と同じように聞こえるかもしれませんが、あくまで関係はフラットです。プロジェクトメンバーそれぞれが自身の役割に対してコミットメントする事によって、高いアウトプットを実現しています。

そしてこれを実現する為の大事なポイントは、皆が、チームの仲間一人ひとりのプロフェッショナリズムに対してリスペクトし、コミットメントに対して感謝する事です。

やってくれて当たり前ではなく、アウトプット一つひとつに対して、ありがとう。流石だね。と言い合える関係が持続する力になっています。

まもりあいJapan のプロジェクト体制

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チームを大きく分けると、プロジェクト推進・プロダクト・渉外・ブランディング・広報という役割があります。

「まもりあいJapan」の特徴として、プロダクトの体制だけでなく、渉外や広報・ブランディング・セキュリティ・プライバシーといった領域の専門家がいる事があげられます。

このチームの働きによって、医療関係者や政府との密なコミュニケーションを重ね、メディアの皆様とも適切なリレーションを築く事ができています。

コミュニケーションについて

会議体としては、チーム単位でのデイリーの他に各チームのリーダが集まるリーダーズミーティングを毎日21:00から開催しています。

PMOが事前にアジェンダ兼議事録をGoogle Docs上で作成し、各チームリーダが記載した上で、会議に臨んでいます。

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このミーティングは、敢えて無料版のZoomアカウントで開催しています。強制的に40分で終わるので、集中した議論ができています。

熱量があるメンバーばかりなので議論は盛り上がりがちですが、プロジェクト推進としては、課題がきちんと収斂するようにファシリテーションを心がけています。

リーダーズミーティングは、プロジェクトフォルダに議事録と一緒に録画映像を保存しており、メンバーは誰でも見ることができます。

ツールについて

・ドキュメント類
Gsuiteを活用しています。Google Drive、Google Docs、Googleスライド、スプレッドシート等。全てのミーティングは議事録を書いて、全員が閲覧できるようにする事を心がけています。

・コミュニケーションツール
Slackを中心に、開発チームはDiscordも使い密に連絡をとりあっています。コミュニケーションはチャットが主体ですが、深い議論が必要だなという場合や、合意を早くとるべきだと判断した場合は、柔軟にZoomで集まって話し合う事を心がけています。

・コラボレーションツール
UI/UXやプロダクト企画が中心に、FigmaやMiroを用いてプロダクトをビジュアライズしています。アウトプットを分散させない事で、アップデートされないドキュメントが増えないようにしています。

・コード管理
Githubです。プロダクト開発の詳細はきっとエンジニアが解説してくれるはずです(^^)

最後に

長くなりましたが、今回はプロジェクトとしての「まもりあいJapan」についてお話させていただきました。

日本のシビックテックとして、これだけの人数の多様なバックグラウンドのメンバーがコミットメントを持って作り上げた例はまだ少ないと思います。

「まもりあいJapan」が新型コロナ対策に少しでも資する事ができればというのはもちろんですが、これを期に日本のシビックテックが盛り上がってくれると、私達にとってもこれほど嬉しいことはありません。

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