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新型コロナワクチンを1回で止めたらどうなるのだろう(4)

ワクチン接種が遅れた理由(言い訳?)の続きです。


⑦ 職場でワクハラを受けて腹が立った

記者の仕事は人と接する仕事です。そのためコロナ禍では対面取材が激減し、Zoomなどのオンラインツールを使った取材が増えました。それでもやはり対面取材をしなければならない時があります。

医療従事者や接客業の方々の多くは、自主的にではなく、職場から言われてワクチン接種をしたかと思います。

私も7月の末頃に取引先から、早くワクチン接種を済ませるようにと言われました。

日本でのワクチン接種は表向きは「任意」です。それを「強制」すれば、おそらく大手メディアが黙ってはいないでしょう。しかし海外では、報道機関に勤める人がワクチン接種を拒否した結果、解雇される事例が出始めていました。

<参考>

7月といえば、ワクチンが最も足りなくなっていた時期でもありました。

<参考>

そこで取引先には「ワクチン情報をありがとうございます。まだ受けられていない人がたくさんおられるようですので、今回は急いでいる方にお譲りしようと思っています」と返事をしておいたのです。

そこで話を終えておけば良かったのですが。

ライターや編集を生業としている人は、一度怒りに火がつくと、ボキャブラリーの豊富さが災いして、相手の心をえぐるような言葉を使って責め立ててしまう悪い癖(職業病)があると聞いたことがあります。

私も取引先からあまりにしつこく勧められましたもので、「他人を押しのけてまでワクチンを受けることに抵抗がある」と本音を語ったところ(この表現がそもそも悪かったです…反省)、相手の逆鱗に触れてしまいました。良かれと思って接種を勧めたにも関わらずそんな風に言われて、向こうは向こうで腹が立ったのだと思います。

そこからの取引先の「口撃」はすさまじかったです。そのあたりはさすがに編集者。「接種するまで会社に来て欲しくない」「スーパースプレッダーになりかねない」「そういう人をフリーライダーと呼ぶ」など、ひどい言われようでした。挙げ句の果てには「8月○日○時の分に予約してください」と、接種日時まで指定され…。

こちらはこちらで「社員でもない私にそこまで言うか?」と反発。「接種しないと言っているわけではなく、正当な順番が来た時に受けると言っているだけです!」「接種するまで御社には伺いません!」と、言い返してしまいました。

売り言葉に買い言葉とはまさにこのこと。
そしてモメた分だけ、ワクチンの接種日も延びました。

ただ結果として、無理をして取引先から勧められた日に、自衛隊の大規模接種会場で接種しなくて良かったと思っています。何せ、接種会場は電車で1時間以上かけて行かなくてはならないところにありましたから。しかも夏の真っ盛り。

それから2カ月後。1回目の接種は、徒歩10分程度で行ける近所の診療所で受けることができました。中日ドラゴンズの木下雄介選手が亡くなられた話も聞いていましたので、接種後は心臓に負担をかけないように、ゆるりゆるりと歩いて帰宅。結局、夜中と翌朝に胸の痛みが起こり、一時ではありますが、意識がもうろうとしたこともありました。これがもし、大規模接種会場からの帰りに起きていたらと思うと…命拾いをした心地でした。


⑧ 国産ワクチンの治験に申し込んだことで、ワクチン接種ができなくなった

そうは言っても、どこかのタイミングで接種しなければ、商売にならない(対面取材ができない)ことは分かっていました。その頃、私が住む自治体では高齢者を優先接種しており、申し込んでも私の年代が接種できるのは2カ月先(10月末までには希望者全員の接種が可能)となっていました。

そんな時にたまたま見たのが、国産ワクチンの治験が始まったとのニュースでした。「得体の知れない(?)外国製ワクチンではなく、国産ワクチンが受けられるかも!」ということで、嬉々としてその内容を調べてみたところ、市内の病院で治験が受けられることが分かりました。

☆ 市内で接種できる
☆ 最短2週間程度で受けられる(…と、当時の募集要項に書いていました)
☆ 接種後、数カ月にわたって病院に経過観察してもらえる
☆ 負担軽減費がもらえる

これだけでも充分魅力的です。さらに社会貢献にもなるということで、私にとって最良の選択に思えました。もう、これは国産ワクチンの治験を受けるしかない!と。

その後のリサーチで、「コロナワクチンを一度も接種していないこと」が治験を受ける条件となることを知りました。つまり、本採用となる(あるいは不採用と分かる)まではコロナワクチンが接種できないということです。

募集要項には「最短2週間で受けられる」とありましたので、2~3週間ぐらいなら待てるかと考えました。ところが実際には、仮登録をしたのが8月3日、本登録が始まったのが10月15日でしたので、その2カ月間、本登録を待ちわびながら過ごすことになったのです。

この2カ月間が長かった…。

何せ、取引先から半ば強制に「接種してください」と言われてからの2カ月ですから。最後の方は「仕事を取るか、それとも国産ワクチンを取るか」の2択のようになっていました。


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