バイバイ、Outside dandy

さらば、ロックスターを観た。遅くなってごめん。
DVDを観た感想とは言いつつ、あの日の思い出、映像の感想、今までとこれからの想い。順不同になるけど書きました。よかったら読んでください。例によってめちゃくちゃ長い。なにこれ。


M1 ロックンロールミュージックショー~M5 Don't know


いつものフィードバックからお決まりの流れ、村上くんの“ラストツアー”という言葉にこそぎゅっとなったけど、この流れには特別な時間が始まる前の高揚感が詰まってるよね。この“特別な”って、ラストだからっていう後ろ向きなものじゃなくて、“ライブは生物だとわかっていて、常に最高を更新してくれるバンドが観せてくれるライブ”のこと。この日のライブに限らず、いつどこのライブでも誰かの“特別”が乗っかってる。それをバンドもわかってくれている。バンドをこうやって信じられてるから、特別な時間を半分日常にできてるんだと思う。この特別な時間ありきの人生を送ってるから、これを糧に生きてるから。今そう考えると、めちゃくちゃ贅沢な遊びしてるなあ。ライブバンドたち、いつもありがとう。
「ロックンロールは好きですか?」で、自然に拳が上がった。家の中だけど関係なかった。張り詰めてた空気が爆発する瞬間、大好きだったなあ。そして自分は今も尚Outside dandyが大好きなんだなあって思った。タイトルの文字が出たところで謎に感動しちゃって早速ちょっと泣きそうになった。
「余すことなく遊ぼうぜ!」であの日ちょっと頬がゆるんだのを思い出した。あのロックスター先輩の顔がよぎって。
時折映ってないのに聞こえるギタリストの声。煽ったり叫んだり、誰よりも自由で楽しそう。自由に動き回ってても、フロアの私たちをよく見てくれてること知ってるよ。誰も置いていかないライブをOutside dandyができてたのは、松っちゃんが私たちから目を逸らさないでいっしょにライブを楽しんでくれるギタリストだからだと思う。
上手推しだから偏った言葉になっちゃうけど、村上くんも鈴木くんもかるびも、私たちを見てくれてたこと知ってる。というか、この映像観てたら余計そう思った。俯瞰で見えたからこそ、誰がどこを見て笑ってるかがよくわかって。この4人組めちゃくちゃかっこいいな。そんな4人の“史上最強”がこうやって作品として残ってることがめちゃくちゃ嬉しいわ。

もっと懐かしい気持ちになるかなって、もっと寂しい気持ちになるかなって思ってたんだけど、そんなことなかった。1週間くらい家を空けてただけ、くらいの感覚。そしてこの日だけじゃない、各地での思い出が芋づる式に蘇ってきて、それを反芻してたら自然と頬がゆるむ。で、DVD観てるのを忘れて見逃しちゃって巻き戻す、の繰り返し。楽しい。なんでもっと早く観なかったかなあ?

そうだ、あの、ダイブしてくれるのはわかってたしめちゃくちゃ身構えて待ってたんだけど、なんでシールド3mだったの?ってずっと思ってる笑。らしいっちゃらしいけど。最後までひやひやさせられたなあ。

私は8割上手からライブを観てたから、Twitterに上げてくれる動画やいっぱいある写真でしか見てなかった音や表情があったんだけど、当たり前だけどみんなの良いところしか入ってないからいつもと違う見方をするのも楽しい。鈴木くんも歌いながら弾く人だったんだ。かるびの顔が見えたとき妙に懐かしくて笑ったなあ。もちろんいつも見てた景色の大好きなシーンとかも残ってて、気づく度に嬉しくなる。意外と飛んでる記憶もあったなあ。リボルバー69の2Aで鈴木くんが松っちゃんのとこまで滑り込んできたのとか、覚えてなさすぎて初見みたいな盛り上がり方した(家の中)。インタビューも嬉しい内容だった。松っちゃんと村上くんの言葉は割とキャッチできてたけど、リズム隊の本音が聞けるのが嬉しい。特にいいなって思ったのが、松っちゃんとかるびがOutside dandyを“家”って、“帰るべき場所”って表現をしてたところ。さっきも私は「1週間家を空けてただけのような」って書いたけど、そう思えるような共同体を作れてたこの人らはやっぱり凄いなって。その分、それを終わらすって決めた大きすぎる覚悟も伝わった。

Don't knowで自由すぎる松っちゃんを片手で軽々受け止める村上くんの余裕さ、さすが相棒だなあ。この2人の関係性がライブ中に垣間見えるの好きだった。なんだろう、同じクラスにいても仲良くなってそうなタイプじゃないと思うんだけど、松山の路上でこの2人が出会った奇跡な。凄いな。


M6 東京ダイバー~M8 シャララソング


東京ダイバーを観ると特に強く感じるのが、どうあっても松っちゃんは村上くんの音楽が好きなんだろうなって。いや、好きというより、共鳴してるような。村上くんの唄の横でギター弾いてるときの輝きといったら。いっしょに歌うような、かといって決して埋もれない音。だからこの2人のコンビネーションが好きだった。

long a longは3回しか演奏されなかったんだっけ。私が聴けたのはそのうち2回。新栄で観たときはこの曲のときだけ、大きな葛藤と向き合ってるような険しさを感じてた。他の曲がめちゃくちゃ楽しそうだったから特に。まだこんなに苦しそうにもがくんだって。村上くんの歌詞が痛いところにしか刺さらなくて、でもこの痛みを忘れたくない、忘れちゃいけないんだなあとも思った。映像の中の4人は、少しだけ肩の力が抜けたような、上手く言えないけど“大丈夫”だって思える顔をしてた。誰が何を大丈夫なのかは、私が慮るところじゃないし、私が感じた“大丈夫”もかなり根拠のないものだった。でもこれは私が今いる場所に踏みとどまるために必要なエネルギー源になってる。
このリアルな情景を、村上くんは見たのだろうか。松っちゃんは、鈴木くんは、かるびは、何を感じて何を背負って曲にしたのか。私は、初期衝動を忘れたくないと思ったときにlong a longを聴いている。この歌詞と同じような情景をいつか私も見るのだろうか。あるいはもう見ていたけど気づいてないのか。安易に共感した、とは言いたくないけど、私は村上くんのそういう痛みや、見えている世界をまっすぐ表現してくれる歌が大好き。

今思うとこの次の曲がシャララソングってかなりずるいよね?セトリ組んだであろう張本人が「泣かせに来たわけじゃない!」って言ってるけど、冷静に無茶なこと言ってるわ笑。この日1度も泣かずに、笑って過ごせた私を褒めてほしい。冗談です。こういう曲ほど、幸せそうに笑ってフロアを見つめて歌う姿に私は何度励まされたか。初めて横浜で聴いたときは、こんなに大切な曲になるとは思ってもいなかったな。2番の松っちゃんと鈴木くんが寄っていくところ、チャプフェスでちょっと噛み合ってなかったから実は少しだけ心配してたんだよね、最後まで合わなかったらどうしようって笑。息ぴったりだったね。この2人を見てにこにこしてるかるびが1番いい顔してるんだよね。この曲のギターソロで村上くんも松っちゃんも互いに体を預けてて、このときの村上くんは松っちゃんへの愛がだだ漏れで、積み重ねてきたんだなって。まだまだこの先もお互い尊敬し合っていくんだろうなって思った。


M9 ミッドナイトタクシーレディオ


誰かにOutside dandyを紹介するときは必ずミッドナイトタクシーレディオのPVを見せてたんだ。ダンディがどういうバンドか説明しなくても伝わる、まさしく代表曲だと思ってたから。
村上くんが「後悔ひとつもないように生きてってくれよ!」って言ったとき、今までみたいに「後悔ひとつもないように生きるのは難しいよな」って言われるよりも、段違いに言葉に強みが増してるから当然なんだけどやたら刺さって、当時も今も凄く考えている。今まで学生生活に部活に仕事に、バンドを追う今でさえ後悔だらけなのに、そんな器用な生き方今さらできるのかなって。だからそうだよね、簡単じゃないんだよね。最後だから、何かを託すようにそう言ってくれたのかもしれない。
私は弱いから戦う力が出ないときだってあるし、これから先どんな壁があるかもわからないけど、いっしょに戦ってくれる人がいるって思いたいときに、背中を押してくれる人がいたって感じたいときに音源を再生する。DVDを観る。そうやって力をもらう。で、いいのかな。自分がひとりじゃないって思えるような、こんなに大きい存在に出会えることって当たり前じゃないんだよな、私が大好きな人らこんなにかっこいいよって一生自慢できるのめちゃくちゃ嬉しいな。


En1 Midnight Train~En3 さらば、ロックスター


Midnight Trainを聴いているとき、私は右隣にいてくれた友達を気にしていた。この曲で夢を見ていたダンディを知っている彼女は、何を思って聴いているのか、とか。あの日県武道館で出会ってくれてありがとう、とか。この曲を松山で肩並べて聴きたかったな、とか。私が知らない夢やエモが詰め込まれて封印されていた曲を、目の前で笑って演奏されてる今をとても喜ばしいなって思った。これから先大切にしたい曲がまた増えた。

さらば、ロックスターは、一時かるびの曲前のビートだけで泣いてしまうほど刺さる曲だった。口だけで成長しない自分に蹴りを入れられているような、痛いところにしか刺さらない歌詞だから。でも、聴く度に“大丈夫”って、“ライブハウスに来たら俺らがいるから”って言われてるような気がしてた。勘違いでもエゴでもいい。ダンディからはいつもそういう力をもらってた。
どうしたって自分と向き合わないとって思わせてくれるライブを観せてくれるからこそ、近くにいたくせに足が遠のいたときもあった。そうは見えなかったかもしれないけど笑。痛いってわかってるのに定期的にライブに行けていたのは、バカな私が、ダンディが教えてくれる痛みを忘れたくないと思えていたから。解散が決まったとき、いつまでも甘えてばかりいられないって思った。自分の力で頑張るって決めたし少しづつだけど先に進めてるような気がする。だめになりそうなときが来てしまわないように、ダンディの曲から、この映像から力を少しづつもらうね。
この曲が入ったアルバムを引っ提げたツアーのファイナル公演が上手くいかなかったら解散だったかも、だっけ。あのとき乗り越えててくれて本当に良かった。当時のダンディを私は知らないけどそう思う。
対バンに大切な仲間や先輩がいると必ずセトリに入っていたよね。仲間のための、フロアにいる私たちのための、なによりダンディ自身のための曲だったように思う。そうやって育ってきた曲だと思う。


En4 OVER


この曲あたりから、“映像の中で再会できた喜び”と、“本当に終わってしまった”実感が交錯するようになった。リフを、ソロを弾いてるギタリストが、個人的にはこの映像の中で1番かっこよくて余計に、もうこの目でOutside dandyのライブを見ることはできないんだなって実感が出て。でも前みたいに寂しいだけじゃなくて、やっぱり映像に残ってる嬉しさとあの日の楽しい思い出が勝ってた。
稲毛K'sDreamでこの曲のPVが流れていたとき、出会って間もなかったから知らなくて、これ何て曲?OVERって曲やで。なんて。その後家でちゃんと観て、この人らには夜明けが来たのかなあなんてぼんやり思ったり。
なんとなく中途半端な気持ちでこの曲は踏み込んじゃいけない気がしてた。だからDVD観るのも変なタイミングにしたくないなって思ってたところもあって。
松っちゃんが書いてくれたブログで、この曲が夜明けどころか未来を大きく変えてしまった曲だと知って、益々半端な想いじゃ向き合えないって思って。
でも、映像の中の4人を見てたら、この曲はやっぱり夜明け(希望)の歌で間違いなかったのかもなって思った。
まだこの曲とどう向き合っていいのかは分からないんだけど、自分なりにどんな曲なのかずっと考えさせてほしいなって思ってる。


En5 ミッドナイトタクシーレディオ


やっと、終わった。やっと泣けた。
ラストツアー期間は泣かないって決めてた分、ようやく蹴りが着いたような気持ち。
ヒデさんと裕也兄が松っちゃんの横に来る。そうそうこれだよな。裕也兄優しい顔してる。ありがとうございました。
楽しかったなあ。かっこよかったなあ。

終わっちゃったんだな。



このDVDをやっと観ようと思ったのは、感想を求められてるってわかったからっていうのも大きいけど、“それでも尚、未来に媚びる”っていう最高に熱いバンドに、松山と新栄CLUB ROCK'N'ROLLっていう私にとって大切な土地に連れて行ってもらえたから。
新たに大切にしたいと思えた人らに、「残してください」って言ってもらえたから。今しかないなって。

最愛のギタリストは、バンドがなくなったらギターを弾くことをやめてしまうかもしれなかったし、実際そうなりそうだった。もちろん続けてほしいとは思ったけど、心から笑えなくなるなら、どうしても辛いなら無理して続けることないって思ってた。だからこそ、サポートの現場が決まったときも、それ媚びで良かったと思う反面無理はしないでくれと願うばかりで。それが、今ではあの頃のように笑って暴れてギターをかき鳴らす姿を見られるようになった。こんなに嬉しいことはない。いつまでも立ち止まってなんかいられないなって思った。この話はまた別の記事に。

DVDを観てわかったことは、映像には残せない音もあるってこと。アンプ2台から出る爆音を喰らってたあの衝撃はライブハウスでしか感じられない。あの日にしか聞けない言葉もある。でも、記憶に残し続ける手伝いをしてくれる。だからこういう媒体は貴重なんだと思う。

Outside dandyの、村上くんが書く歌詞の、自分の痛みを隠さない泥臭さが好きだった。だから、ダンディがいつも感謝や愛を言葉にしてくれることが有り難かった。助けてもらっているのはこっちなのにって思いながらも、居場所をもらえているようで嬉しかった。足掻き続ける理由、想いを言葉にすることの大切さ、当たり前のようで当たり前じゃないことをたくさん教わった。

そんなつもりはないだろうけど、HEREのファンでしかなかった私を、結果的にダンディに振り向かせてくれたこと、今となっては本当に感謝してる。




私はOutside dandyを愛し続ける。こんなにかっこいいバンドに出会えたんだって、大切なことをいくつも教えてくれたんだって自慢し続ける。存在を誰にも忘れてほしくないから。

私はOutside dandyを待ったりはしない。だから“解散”なんだろうし。今まで見せてくれていた大きい背中を越えていく覚悟でこれからも生きる。
ライブハウスで、映像の中でいつでも会える。音源を再生すれば、そこに込められた音と想いにいつでも触れられる。やっとこう思えるようになったから寂しくない。




もし、万が一、また4人がいっしょに音を出す日が来るのなら。
その日まで、バイバイ、Outside dandy。
ありがとうございました。大好きです。


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