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『お誕生日おめでとうでした』

Dear  僕の推し,


 僕の推しは、偶像を辞めたら死を選ぶことを不特定多数が見えるところにポストするような人。それでいて、救いたがりのどうしようもない人。6/30はそんなチグハグで不器用で愛おしい推しの誕生日。お誕生日おめでとうでした。

 僕が推しに向ける感情はきっと恋心でも、オタクからアイドルに向ける推し感情でもない。ただの依存。「死にたい」「生きたくない」から出来る限り遠い場所へと僕を連れて行ってくれる存在として、救いを乞うているだけ。直接触れることも、思う存分気が満足するほど話すことも出来ない。僕は、僕より歳下の弱い人間に抱いてはいけない感情を抱いてしまった。僕以外僕の人生の責任を取ることは出来ないのに。

 全て分かっていた上で、僕は純粋な気持ちで推しと呼ぶことも出来ない人の傍で酸素を貰い続け、生き延びようとしていた。でも最近になって、僕の存在のせいで生き辛さを感じている人が居ることを知った。沢山の人達に愛されて、追いかけている夢を叶えて欲しいと思っているから、僕1人の犠牲で最大多数の最大幸福の手伝いが出来るなら本望だと思った。それで皆んなが幸せになるなら良いと思った。幾らでも代えが効く世界で、他人の幸せを犠牲にしながら生き存えることに罪悪感を抱いた。

 中途半端な想いは却って僕を苦しめるだけ。僕が本当に欲しかったのは、本物の幸せで、愛だった。アイドルとオタクの関係ではどう頑張っても得られないもの。僕なりに何とか折り合いをつけようと頑張ってはみたけど、会う度に気持ちは募り募って欲も膨らむばかりだった。諸刃の剣。夏の線香花火。沢山光れたかな。

 死にたいのは仕方がない。僕もさっさと死んでしまいたい。死にたがりの僕の親友も、僕がどれだけ「死ぬな」「僕の泣き顔みたいのか」と語りかけ続けても、また懲りずに飛び降りた。運が良かったのか悪かったのか、代償は大きかったもののまだ生き延びている。また2人でラーメン食いに行こうっていつ叶うか分からない約束をした。推しにもそんな存在が居て欲しい。

 とても厚かましくて無責任なことを言うけど、僕は推しに出来るだけ長生きして欲しい。偶像を辞めた後も、生きていて欲しい。僕が心の支えにしていた人を2人失ってしまった時に、救ってくれたとても大切な人だから、幸せになって欲しい。ずっと先の未来の推しの隣に、僕じゃない他の誰かが居たとしても、僕は生きてくれているだけで良いと思える。生きていてくれるなら、沢山の人達と未来を約束して欲しい。僕はきっとその1人になれる程強くはないし、何もかもが足りていない。でもあわよくば、なんてやっぱり身分不相応。

これからも生き続けて下さい。
沢山の人達に愛されて下さい。
夢を叶えて下さい。

Sincerely, 求めるものが多過ぎて先に心が潰れてしまった1ファンの僕

P.S.

僕は我儘な人間だから、君と未来を約束出来るような人になりたかった。某特撮主人公ほど僕は自分のことを削れない。だって愛する人の隣にはずっと居たいと思ってしまうから。

分岐してしまった未来を君の力で変えていって欲しい。君が君に相応しい人の隣で心の底から笑って、幸せを感じられる未来が来ますように。毎日祈ります。

愛しています。

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