宇宙の大祖神について①

  最近宗教界の大きな話題となっていることの一つは、世界の各宗教が相和し協力し合おうとする「宗教協力」の運動である。これはローマ法皇が、これまでの長い歴史を、カトリック以外の他宗教は、すべて邪教ときめつけていたのは、大きい誤りであったと気がつき、世界の平和と人類の幸福のために、世界の宗教は相提携して此の目標に向かって前進すべきだと、世界に向かって宣言したことにはじまる。
  私もこれには全く同感である。それというのは、降下された根本教典には、大正十一年既に明らかにこのことが真理であり、ご意志なりと明示されているからである。
  教典によると、天地宇宙が創造されるその以前に、既に神がおわし給うたとある。その神の名は、宇宙の大祖神、又の名は宇宙の絶対主ともいう。日本では昔からこの神のことを天御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)。高皇霊大神(たかみむすびのおおかみ)、神皇産霊大神(かんみむすびのおおかみ)の三柱の神と唱えている。神典には、この神は三位一体の神と啓示されてあり、又の名を造化の三神とも教えられといる。別名天空三三三大神(てんくうみろくみのおおかみ)とも申し上げている。
  欧米のキリスト教の弘まっている国では、この神をエホバの神と称え、回教の行われている国ではアラーの神と申し上げ、中国では天、天帝、上帝と称えているが、すべて皆同じ神で、国によっておん名が変るだけだと、教典に明示なされている。
  だから神と云えば、本来は宇宙の大祖神におわし給う唯一なるこの一神のみを指すのであって、この神のみがまことの神なのである。それ以外は厳密には神の名を冠せられず、天使と名づけるのが至当なのである。
  さて天使と名づけられる神霊、即ち八百万の神は、如何にして生れし給うたかと云うと、大祖神が大宇宙を創造なされた時に、既に大祖神の体内に、正、邪、賤の霊気が内蔵されてあり、それが大宇宙の凝り固まると共に、その中に漂うていた霊気も又凝り、正霊の気は正神となり、邪霊の気は邪となり、賤しみの霊気は凝って、賤神となったとある。
  正神、邪神はおおよそ理解できると思うが、賤神についてもう少し詳しく解説すると、賤とは正と邪と相混じたものである。その度合いは、上の神にゆく程に正が強く、下の神にゆく程に弱くなり、反対に邪が強くなる。賤神は実数四百四十万とある。
  キリスト教は賤神の創立した宗教であるが、数ある賤神のうちで、九分九厘まで正しい神によって創られ、又支配されている宗教であるから、説くところは、殆ど正神に近いわけである。
  だから正神が人類を支配する輝かしい時代になると、キリスト教は松の高天原に共鳴し協力を申し出て、共に地上天国の建設に邁進することになる。これを証する話があるので次に誌してみよう。

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