神 界 (二)

    次に神界の組織について申しのべるが、東には天照大神を頭にいただく天津神界、西には月夜見大神(又の名阿弥陀如来)を頭にいただく仏神界、南は絶対神のおわす三三三神界の前方にある、伊嵯那岐(いざなぎ)伊嵯那美(いざなみ)の大神のおわす皇御祖宮(すめみおやのみや)、北に大国常立大神を頭にいただく四百万の国津神のおわす国津神界となっている。このように正神界の主なものは大別すると東西北の三方にある。
    然し、これら各神界も、更に細かく幾千にも分かれている。仏神界は、正神のうちの三十三万三千三百三体の神が、仏となって、人の霊魂を統治しているところであるが、この仏神界にある地獄極楽だけでも、又おびただしい段階がある。丁度それは木の枝のように、先にゆくほど細分されている。仏典に「西方十万憶の仏土を過ぎて世界あり、名づけて極楽という」とあり、又大本神諭に「三千世界一度に開く」とあるが、新天を読んでいかにもと信じられる。
    ついでに仏神界について、少しばかり申し添えるが、仏神界だけは、天津神も国津神も共々おわすことになっている。観音様でも竜神に乗っておられるのは国津神で、花を手に持たれたり、花にお座りになられているのは、天津神の観音様となったお姿である。
   今は大国常立大神さまも、国津神界に復帰なされておられるが、今から三千年前に丑寅の方即ち東北の方に、北国界という神界をお造りになられ、同勢五万を引きつれてご修行のために隠遁なされ、又その妻神であらせられる豊雲野大神は、その反対未申即ち南西の方向に南国界をお造りになり、ご夫婦お別れになって隠遁なされたのである。
    これは三千年後にしぐまれている世の大立替大立直しのときに備えて、ご修行のためであった。世の大立替は、人類最後の審判のときでもある。悪魔と共に悪人が滅び、善人だけが生き残って。地上の天国が築かれる。この神の手による大立替の後には、地球上の人間は、三分の一しか残らないぞと神典にある。現在地球上の総人口は80億とあるが、うち約53億は死滅する勘定になる。人類を子とみる親と同じく慈しみ給うの神が、神ご自身の手によって人間を死にいたらすことは、魂の親なる神には、血の涙をふるってなす悲しみの極みであるが、人体を宿とする魔を一魔も残さず滅亡するためには、これ以外はないと神も嘆かれている。この悲しみの極みをなめても、大義のためには感情を殺し、絶大なる偉力の魔と対決してこれを誅滅する偉業を達するために、大国常立大神ご夫妻の神は、かたじけなくも三千年の行をなされ、これを終えられたのである。
    さてこの大立替は何時来るかということは、何人も知りたいことと思うが、これについては神典に「神の深きしぐみは、天照ご一神より知るよしもなし」とある。その時機については、神にすら天照皇大神ご一神しか知らない秘中の秘なのであるから、われわれ人間は、しまおくそくして、立ち騒ぐに及ばないと思う。要は正法を深く信じ、心を正し行いを浄めて、神に悦ばれ、愛される人になることが先決問題である。

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